8月20日(土) 2005 J2リーグ戦 第27節
甲府 1 - 0 草津 (18:30/小瀬/7,128人)
得点者:'85 長谷川太郎(甲府)
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J1昇格の可能性が十分に残っている甲府が最下位の草津に大苦戦を強いられた。逆から見れば、第1、第2クールで甲府に連敗している草津が、リーグ戦を戦いながら大きくレベルアップしている姿を見せたと言うこともできる。
草津は変則3トップの甲府対策として、3バックから4−4−2のダイヤモンドの中盤にシステムを変更して臨んできた。4枚のディフェンスでしっかり守って攻撃に繋げるという狙いは立ち上がりから機能した。システム的な変更だけでなく、戦術的にも高い位置から連動してプレスをかけていくディフェンスは、攻撃力が自慢の甲府にペナルティエリア付近で形を作らせなかった。そのため、甲府はアタッキングゾーンまではボールを運ぶものの、効果的なシュートを打つシーンは殆ど作り出せない。対して草津は、運動量が豊富だった佐藤が甲府ディフェンスに何度も脅威を与えるプレーを見せる。ただ、決定的なシュートはなく、甲府の攻撃と同様にペナルティエリア付近では押さえ込まれた。前半は0−0で終わるのだが、甲府から見れば「負ける気はしないが、勝てる気もしない」という内容。今シーズンの戦いから見れば甲府の攻撃力が封じ込まれたという印象が強い前半だった。
いつもなら後半の立ち上がりから攻勢に出ることが多い甲府だが、果たせなかった。前半のプレーと併せて考えてみると、DFの井上の出場停止が大きく響いているように感じられた。井上はテクニックがある選手で、左サイドからのオーバーラップは後半から終盤にかけて、疲れた相手に対して非常に効果的。そして、攻撃の押し上げや組み立てにも大きく貢献していた。しかし、彼の不在で攻撃に厚みがでない。また、いつもならチャンスに相手エリアでワンタッチパスを連続して局面を打開するシーンが見られるのだが、この日はツータッチ以上のパスしか見せられない。逆に、草津はカウンター攻撃だけでなく、ワンタッチパスで甲府のプレスをかわすシーンも何度か見せる。第2クールで対戦した時よりも、意識の面で草津は大きく成長していた。
その成長は、後半9分、21分、24分、28分の決定的なシュートシーンを作り出す流れにも現れていた。FW・佐藤のシュートミスやGK阿部の好セーブ、DF・杉山のカバーなどで得点には繋がらなかったが、奪ったボールを早い切り替えで攻撃に繋げるチーム力は発揮した。ダイヤモンドの中盤でトップ下に入った山口とワンボランチの鳥居塚の、守備から攻撃への切り替えの意識のレベルの高さがその大きな理由だ。また、FWの佐藤は後半になってからも守から攻に切り替わった瞬間の反応がよかった。ただ、悔やまれるのは決定的な場面に何度かシュートを打ちながらも決められなかった点だ。点を取ることが仕事のFWとして、厳しく見れば佐藤は厳しい評価を受けることは逃れられない。しかし、ゴール前でGKの動きをしっかり見て落ち着いてシュートを打てるようになれば、得点を量産できる可能性を見せたことは成長として評価したい。また、攻撃では目立たなかったが、もうひとりのFW・樹森も、危ない場面では下がって効果的なディフェンスを見せるなど草津は内容のあるサッカーが出来ることを発揮した。
しかし、最下位のチームはそれだけの理由があった。いいサッカーを見せながらも85分にバレー→長谷川と繋がれて最後の最後に得点を許してしまう。甲府にとっては劇的なゴールだったが、あと5分強を守りきれない点もチャンスに決めきれない点も最下位の理由だろう。ただ、今のサッカーは今後に期待を持てる内容。チームは確実に成長している。チームの置かれた現状を考えると少し長い目で見守る余裕は必要だろう。
J1昇格を狙える甲府だが、内容には誰も満足しないだろう。勝つには勝ったが、ここまで成長してきたチームは何か行き詰まりを感じる。2位の福岡を追撃するには何かが足りない。この現状を大木監督がどう打開していくのか、これからの大きな注目点になりそうだ。
以上
2005.08.21 Reported by 松尾潤
J’s GOALニュース
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