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【J1:第19節 C大阪 vs 清水 レポート】土壇場で選手たちが意地を見せたC大阪、清水は逃げ切りに失敗(05.08.21)

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8月20日(土) 2005 J1リーグ戦 第19節
C大阪 1 - 1 清水 (19:00/長居/16,122人)
得点者:'25 チェテウク(清水)、'89 古橋達弥(C大阪)
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「(リーグ)前半戦の再現を見ているよう。勝ちきれず悔しい試合になった」
清水・長谷川健太監督は、監督会見の冒頭でこうコメントした。「ロスタイムに入るまでは、選手たちが試合をコントロールして進めてくれた」(同監督)という言葉どおり、試合全体を見れば明らかに清水ペース。前半の立ち上がりこそ激しくボールを奪い合い、カウンターの応酬が見られたが、20分過ぎからは清水が徹底したサイド攻撃でC大阪を押し込んだ。25分の先制点も、鮮やかなサイドアタックによるもの。右の佐藤由紀彦のクロスに対し、ゴール前で3人の選手が待ち構え、もっとも遠いサイドのチェ・テウクがフリーでヘディングシュートを叩き込んだ。

C大阪は、ボランチ・下村東美、左サイドのゼ・カルロス、右サイドの久藤清一と3人の主力選手が出場停止。さらに左足を痛めたというFW西澤明訓も欠くピンチに陥っていた。このため小林伸二監督は木曜、金曜と2日間にわたる非公開練習を敢行、メンバーが漏れないよう徹底した戦術トレーニングを行ってこの試合に備えた。鍵となる両サイドには左に苔口卓也、右に酒本憲幸と若く攻撃を得意とする選手を起用。前線には黒部光昭を入れる布陣をとった。「基本的な攻撃の考え方は(今までと)同じ。黒部さんに当てたボールを僕や森島さんが拾うとか、サイドに当ててもう一回もらって、というやり方。ただ、なかなかそれがうまくいかなかった」。こう古橋達弥が振り返ったように、C大阪の攻撃はスムーズではなかった。

特に期待された両サイドは、ともに清水の対面の選手に持ち味を消された。左の苔口は相手の佐藤の攻め上がりに押し込まれ、中に切れ込んでシュートを打ったシーンでは、ミスが目立った。また、今季初めて先発出場した右の酒本は、「とにかくやらないといけない、という気持ちが強すぎて空回りしてしまった」と悔しがったが、マッチアップしたチェ・テウクの迫力あるアタックに呑まれてしまったように見えた。頼みのサイドアタックが機能しないとなると、C大阪は苦しい。先制されて以降も動きにキレは少なく、時間だけが過ぎていった。

後半に入ると、小林監督は新しい選手を送り込んで攻撃を活性化させようとした。森島寛晃に代えて徳重隆明を、酒本に代えて廣山望がピッチに入り、ボールを支配するようにはなったものの、清水DFの体を張ったディフェンスの前になかなかゴールをこじ開けることができない。残り数分という時間になって、C大阪は最後の手段に出た。リベロのブルーノ・クアドロスを前線に上げ、徹底してボールを前に集めようとしたのだ。そして、ロスタイムにチャンスが訪れた。相手ゴール前でこぼれ球を拾った徳重がループシュート、GKがクリアしたボールを廣山が折り返し、最後は古橋が頭でねじ込んだ。

清水にとってみれば守る時間帯があまりに長過ぎ、最後の最後でぽっかり穴が開いた形。「勝ちきることが必要だとわかっているのだが、なかなか悪夢から脱しきれない」と、長谷川監督は前半戦から続く『悩み』を口にした。C大阪にしてみれば、流れから考えると幸運な結果を得た。「最後は気持ちで押し込んだ形」(古橋)、「リーグ再開を前に選手同士で試合の中でどうすべきかを話し合った。それが試合の中で出せた」(布部陽功)と選手たちが話したように、最後はメンタルの強さで押し切った形。チームとして、どう攻めどう守るのかということは、この試合を見る限りクリアではなかった。
両チームが、それぞれの課題を浮き彫りにし、勝点1を分け合ったゲームといえる。

以上

2005.08.21 Reported by 横井素子
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