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【J1:第19節 浦和 vs F東京 レポート】開始直後の失点を跳ね返し、浦和がホームで逆転勝利。「真のゲームメーカー」ポンテが片鱗を見せる。(05.08.21)

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8月20日(土) 2005 J1リーグ戦 第19節
浦和 2 - 1 F東京 (18:04/埼玉/44,400人)
得点者:'5 サササルセード(F東京)、'39 永井雄一郎(浦和)、'54 ポンテ(浦和)
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 開始早々の5分のゴールが試合の流れを変える。
「内舘と平川のところでコミュニケーションが取れていなかったと思う」と浦和・田中マルクス闘莉王は失点の場面を振り返った。浦和にミスが出たことになるが、それにしても左サイドの金沢浄から上げられたクロスを頭でねじ込んだそのシュートは見事だった。共にリーグ戦初スタメンのFWを登場させた両チームだが、最初に輝きを見せたのはF東京のササ サルセードだった。

 立ち上がり早々の得点を背景にこのままFC東京がペースを握るかとも思われ、実際にかさにかかって攻め立てる時間帯もあった。ところがそこで前半の10分を過ぎるころからペースが変わった。
 F東京の原博実監督は試合後の会見で「早い時間帯に1点を取れて慎重になってしまい、後手後手になってしまった」と分析。実際、試合はその言葉通りの展開を見せた。

 1点を追いかけることになった浦和は、前へと進む圧力を強めたが、その中で最も攻撃に貢献したのはポンテ。ブッフバルト監督も「スルーパスも出せるし自分自身でもシュートを打てる。それを今日は実際に見せてくれた。真のゲームメーカーが来たと思っている」と絶賛した。
 前への圧力を強める浦和に対し守備の意識が強くなったF東京、という状況の中、F東京の最終ラインは簡単にボールをクリアする場面が頻発する。前戦との距離が遠くなり、また前へと出てくる浦和の選手のプレッシャーに耐えきれず、ボールを大きく蹴る以外の選択肢が見つからなかったのだろう。試合は完全に浦和のペースへと変わった。

 それまでにも何度かのチャンスを手にしながら決めきれず、嫌な展開にも思えた前半39分。ついに浦和に同点ゴールが生まれた。山田暢久からのパスを受けたポンテがゴール前に切れ込みながら鋭角のラストパス。ペナルティエリアにできたスペースに飛び込んだ永井雄一郎がきっちりと流し込んだ。
 いい形で前半を終えた浦和に対し、ペースを崩された形のF東京は、結局1点のリードを守れないまま後半を迎えることとなる。

 この日のF東京の不調の原因の一つを、ササがチーム戦術を理解しきれておらず、自分が取るべきポジションを見つけられなかったからだと原監督は述べている。その言葉通り、F東京はササにまでボールを入れることができなかった。後半の62分にピッチを退いていることを考慮してもなお、後半のササのシュートは0本。完全にパスを分断されていたことがうかがえる。

 今野泰幸とボランチコンビを組んでいた梶山陽平も、ササと同様に「どこにいていいか、わからないという状況」(原監督)が続いており、F東京は中盤が機能不全を起こしていた。その状況を打破するために準備した三浦文丈がタッチライン上に姿を現したその直後のプレーでポンテが魅せる。
 54分。梶山からボールを奪ったポンテがドリブルで持ち込み、コースを狙った柔らかいゴールを決めて浦和が逆転に成功する。「2点目ですが、あれは本当にポンテの素晴らしい個人技だったと思っています」と絶賛するブッフバルト監督。
「2点目のところは、ちょうどぼくが入るタイミングだった。失点が早かったかなと思った」と目の前での失点を悔やむF東京・三浦。ただ「3点目を食らわなければなんとかなる」と思ってプレーを続けていたという。

 三浦の願い通り、浦和は追加点を奪えないまま時間が経過。試合終了まで5分を切ったタイミングからF東京は猛攻撃を見せ始めたが、途中交代出場の石川直宏のシュートがポストを叩くなど、最後までゴールは割れず。試合の大半の時間を通して一方的な試合展開を強いられた浦和に、F東京は試合終了間際ではあったが押し込む時間帯を作り出した。金沢に代えて栗澤僚一を投入した78分ごろから攻勢に出ていれば、同点ゴールもあり得ただろう。ただし、それには三浦が言うように3失点目を食らわないような試合展開を考える必要があり、実際には難しい要求でもあった。

 試合終了間際のF東京の猛攻を凌ぎきり、勝ち点3を手にした選手たちに対し「今日は自分のチームの選手たちに興奮してしまいました」と手放しで褒める浦和・ブッフバルト監督の言葉は本音だろう。
 エメルソンの電撃的移籍という激震に見舞われた浦和だが、新加入選手が現時点で見せたパフォーマンスはすでに高いレベルにあり、今後チームにフィットしてくれば、さらなる活躍が見込める。首位・鹿島が敗れ、勝ち点7差の3位に浮上。一気に首位をうかがう位置に付けている。
 一方のF東京は、ササを加えた状態のチームがまだまだできていない印象がある。こちらの先行きは不透明だと言えそうだ。


以上

2005.08.21 Reported by 江藤高志
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