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【J1:第21節 名古屋 vs 浦和 レポート】マリッチの来日初ゴールで、苦手・瑞穂で浦和が快勝。名古屋はルイゾン活かせずホームで黒星を喫す。(05.08.28)

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8月27日(土) 2005 J1リーグ戦 第21節
名古屋 0 - 2 浦和 (19:04/瑞穂陸/18,817人)
得点者:'16 田中マルクス闘莉王(浦和)、'30 マリッチ(浦和)
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絶対に勝ち点3を取る。両チームの目的は一緒だった。名古屋は勝てば勝ち点30代の上位チームに踏みとどまり、浦和は優勝争い筆頭格の鹿島とG大阪に追随できる。特に名古屋は、中断期開け初のホームゲーム。ルイゾンが初のホーム、しかもホームでの浦和との対戦成績は分がいい。もっと言うと、強いチームに強いというジンクスまであり、いい材料は揃っていた。瑞穂に詰めかけたサポーターの期待も大きかったはずだ。

名古屋の布陣は前節と同じ4-4-2。ただしルイゾンの相棒は、前節、FW起用になったMF中村に変わり俊足・杉本を起用。藤田と好コンビネーションを見せていた中村を、藤田と同じ2列目に下げ、攻撃的な前戦の布陣でゴールを狙いに行く。浦和は、前節「長谷部が一人いないだけで、その穴を埋めることができなかった」(ブッフバルト監督)という、チームに不可欠な存在であることを示した長谷部が、出場停止から復帰。浦和にとっては予想通り、名古屋にとっては予想外の、浦和のペースでゲームは進んでいく。ボールを奪ってから速いテンポでボールを運んでくる浦和の攻撃に、名古屋のマークがついていけず、前線の永井、ポンテ、マリッチらにゴール前でチャンスを与える場面も。「前半はうちの素晴らしいサッカーができた」とブッフバルト監督も評価した通りの試合展開となった。

先にチャンスをモノにしたのは浦和だった。16分、CKから闘莉王がボレーシュート。楢崎が必死に指先で弾いたボールがポストに当たり、地面でワンバウンドすると、楢崎が見失っている間にボールはゴールを割ってしまった。ゴールを決めた闘莉王は「田中(達也)がいない間、誰かが決めなきゃチームが勝てないと思っていた。自分が囮になってでもゴールが欲しかった」と、ゴールとチームの勝利にただならぬ決意で臨んでいたことを告白。その強い思いがゴールにつながった。ただ、「自分が決められてうれしいけど、田中には『オウンゴールと同じ』とからかわれた」と付け加えるなど、名古屋にとっては不運な1点だった。この1点を取り戻そうとする名古屋だったが、テンポのいい名古屋らしい攻撃パターンを作ることができず、ルイゾンにもチャンスらしいチャンスを与えることができなかった。そして30分、マリッチが来日初ゴールとなるヘデイングシュートを決め、浦和が突き放す。

浦和は押せ押せムード、対する名古屋はまさに背水の陣。そんな名古屋にさらなるピンチが襲いかかる。42分、ペナルティエリア内にドリブル突破を仕掛けてきたマリッチを、3人掛かりで抑えに行くが警告を受け、痛恨のPK。これで決められれば試合も決定的なものになる。名古屋は守護神・楢崎だけが頼りだった。そしてPK。PKを取ったマリッチ自身が蹴ったボールは、楢崎のスーパーセーブでゴールならず。前節の失点、今回の1点目の汚名返上ができた楢崎はガッツポーズ、全身で喜びを表す。名古屋の選手たちも楢崎に詰め寄り、健闘を讃えた。これで流れが変わる。そう思わせる場面だった。

 後半、もう点を取りに行くしかない名古屋は、前半の課題だった永井、ポンテ、マリッチのマークを厳しくするため、藤田を下げ、秋田をリベロに据えて3バックの布陣に切り替える。これにより「両SBがSBではなくなり、より前の方でプレーできる」(ネルシーニョ監督)ようになる。さらにクライトンに替わり本田を投入。前線での攻撃の手数を増やす。前半に比べて動きが良くなった名古屋は、多くのチャンスを作るが、なかなかゴールを割れない。終盤、ルイゾンを下げて中山を投入。よりフレッシュな攻撃力を注ぎ、残り15分で5本ものシュートを浴びせる猛攻を仕掛けるが及ばず、完封負け。これにより、浦和は勝ち点を伸ばし3位に返り咲き、名古屋は順位をひとつ落として8位となってしまった。

 試合後、ブッフバルト監督は「今日のチームのパフォーマンスには満足している。今日の勝利、勝ち点3は本当に大きい」と、チームを讃えた。なぜなら、首位追随の望みがつながれたからだ。

名古屋ネルシーニョ監督は、ルイゾンが活躍する場面がないことについて聞かれ「確かにルイゾンは日本のサッカーに慣れるのにものすごく苦労している。しかし、彼の持っている力や可能性はこんなものじゃない」としながらも「この一週間で、チームにとって何が一番いいか、彼のことも含めて考える必要がある」と語った。確かに、チームがルイゾンを意識しすぎているのではないかとう声も聞かれる。強いチームには必ず核となるストライカーが存在する。そのルイゾンを『活かす』ことは、これから名古屋が勝つためには必要なこと。しかし、本来の名古屋らしさが影を潜めてしまっては逆効果。名古屋のサッカーでルイゾンも活きる。一皮剥けた名古屋が生まれることを、サポーターも待ち望んでいる。

以上

2005.08.28 Reported by 茂木美佐子
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