8月31日（水）J2 第29節 札幌 vs 湘南（19:00KICK OFF/札幌ド）
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　まず両チームの前節の試合内容を比較してみよう。
　今節はアウェイとなる湘南は、鳥栖を相手に後半途中に退場で数的不利となり、さらにシュート数が湘南7本に対し鳥栖15本というように押される展開。しかし、2対1のリードを最後まで守りぬき、勝利をつかんだ。
　一方、札幌は水戸を相手に、シュートは打つものの見どころの薄い展開を演じ、後半にFKからオウンゴールで失点し、最後まで追いつけずに0対1の負け。
　このように、「1点」という大きなものを前に、湘南の喜びと札幌の悔しさが好対照となって、今節を迎える。

　しぶとさを得て札幌ドームに乗り込む湘南は、新外国人FWカシアーノに注目が集まる。これまで途中出場で周囲とのフィットを図ってきたが、前節から先発入り。前節ではセンターバック戸田の退場に伴い、ディフェンシブな選手を投入し1点のリードを守るため、後半13分に城定と交代となったが、今節こそはフル出場が期待される。柿本、加藤とハイスコアの選手がいる湘南に、さらに得点力を増強しようと腕ぶす。ただ、中盤の底の佐藤が警告累積により今節と次節出場停止なのが、痛い材料だ。佐藤は前々節・水戸戦で0対1とリードされていた後半44分にFKで同点弾を放って引き分けに持ち込み、さらに前節・鳥栖戦では後半1分に決勝点となるFKを決めるなど、ここ1本が欲しい時の得点源となっていた。この佐藤の穴をどう埋めるか。今節と同様に警告累積で佐藤がいなかった第22節・横浜FC戦では、中町がシーズン初先発として佐藤の位置に入ったが、上田監督は今節も同様の布陣をとるか。
　また前節退場の戸田も今節出場停止だが、入れ替わるように田村の出場停止処分が終わるので、そのまま田村がセンターバックに入ると予想される。

　さて、ホームの札幌。前々節（8/20）・アウエーの山形戦、試合当日にチームはスタジアム入りまでしたものの、悪天候のため順延。そして8/21の練習中に成長株・上里が左ひざ前十字じん帯損傷で今季は戦線離脱という暗いニュースがあり、さらに前節の敗戦と、スッキリしない雲行きが続いている。
　ただ今季の札幌は、第4節（3/26・仙台戦）と第5節（4/3・水戸戦）の2連敗以来、ここまでは連敗はない。湘南に負けないようなしぶとさを、今一度ここで取り戻さねばならない。しぶとさの源として、力を高めたいのが中盤の中央。前節では上里の離脱によりトップ下に三原が加わったばかりで、連係は発達途上中の状態だった。この位置での支配率をどう高めるか。今週の紅白戦では三原はトップ下とともに左サイドにも配置され、どこがフィットするかの模索がなされた。こうした構築中の中盤の「肝」として、中盤の底の金子に注目だ。精神的な厳しさを持ち、カバーリングに長け、前方への攻撃意欲も強い彼は、これまで8試合連続先発出場中。これは同じ中盤の底である鈴木の4試合連続先発や、前節から先発の三原よりも長い。直近の実戦経験値が高い金子が底で支えて、三原など周囲の長所を発揮させ、連係を促す鍵になることを期待したい。

　試合日の8月31日は、昨年、金子の札幌入り（昨季はJ1横浜FMから期限付き移籍での加入。現在は完全移籍済み）が正式発表された日と同じ。丸1年経った節目の日のパフォーマンスはいかに…。
　勝点40の札幌（試合消化数が1つ少ない）と、勝点37の湘南。前節からの流れを続けられるか、断ち切れるかで、接近している勝点差の動向が決まる。


以上

2005.08.29 Reported by 永井謙一郎