8月31日（水）J2 第29節 福岡 vs 草津（19:00KICK OFF/博多球）
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　前節の徳島戦で思いもよらない敗戦を喫した福岡が、仕切り直しの一戦に草津を博多の森に迎える。対戦成績、順位から判断しても福岡の優位が予想される試合だが、どんな相手も侮れないのがJ2というリーグ。事実、第2クールのアウェイでの対戦では勝利を手にしたものの、その内容は草津のほうが上回るものだった。第3クール終盤に札幌、甲府と直接のライバルとの対戦を控えている福岡は、順位の差をきちんと内容・結果に結び付けて勢いを取り戻しておきたいところだ。

　さて、福岡にとって前節の徳島での敗戦は痛いと言わざるを得ないが、チームに対する影響はそれほど大きくはないと見ていいだろう。前半のうちにセンターバック2人を欠くというアクシデントに見舞われ、ホベルトをセンターバックで起用せざるを得なかったために中盤の構成力に影響が出たが、それでも90分間に渡って試合を支配。2失点も守備組織を崩された場面はほとんどなかった。攻撃を放棄したような徳島の徹底した守備戦術と2本のスーパーなフリーキックにやられたが、長いリーグ戦ではこういうことがあるのもサッカー。割り切って気持ちを切り替えられれば問題はない。

　また、宮本は怪我のために草津戦の欠場を余儀なくされたが、千代反田は元気に練習に復帰。ルーキーの長野も相変わらず安定したプレーを披露しており、最終ラインに不安はない。中盤では好調を維持する古賀が出場停止となるが、スピードとキレのあるドリブルで定評のある大塚が控えていることに加え、田中、中村もサイドハーフのポジションは十分にこなせる。誰が、どのポジションに出ることになっても変わらぬ構成力を見せてくれるはずだ。

　一方、草津は厳しい状況が続く。得失点ともにリーグワースト1という不名誉な状況にあり、福岡との地力の差は否めない。特に攻撃は前節の山形戦では全くといっていいほど機能せず、放ったシュートはわずかに2本。「ドラマチックに変わるとは思えないのでトレーニングを積むだけ」（手塚監督）と、即効性のある改善策を見出せずにいる。反面、守備面では明るい材料もある。26節から先発出場し、最終ラインで際立った活躍を見せるチカの存在が守備面での安定感をもたらしているからだ。

　しかし、チカの働きは草津の3バックを安定させるという効果をもたらしたが、山形戦では4バックにシステム変更した後半の方が攻撃が機能したのも事実。このあたりは手塚監督も頭が痛いところだろうが、大切なのはチーム全体のバランス。手塚監督は「4バックになって良くなった面もあるが、3バックでチームが出来上がりつつあるので、その辺は相手チームも考慮して慎重に考えたい」と語っていたが、福岡との力の差を考えれば、次節は3バックで臨むことになりそうだ。

　試合は、福岡が積極的に攻め、草津が守るという展開になるだろう。徳島に徹底的に守られてゴールが奪えなかった福岡にすれば、前半のうちに先制点を奪って自分たちのペースで試合を進めたいところ。一方、攻撃面での改善策を見つけられない草津は、とにかく無失点に抑えるのが勝利を挙げるための最低条件。おそらく、前半は0−0で折り返すことを前提に守備に徹してくるに違いない。そんな草津の守備を福岡がどうやって崩すか。ポイントはこの1点。福岡の攻撃陣の動きに注目したい。

以上

2005.08.30 Reported by 中倉一志