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【J2:第29節 甲府 vs 鳥栖 レポート】鳥栖のリズムに最後に沈み、勝ちきれなかった甲府。昇格争い最後の切符となる3位争いは、まだまだ流れが読めない展開。(05.09.01)

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8月31日(水) 2005 J2リーグ戦 第29節
甲府 1 - 1 鳥栖 (19:04/小瀬/5,008人)
得点者:'40 藤田健(甲府)、'89 高地系治(鳥栖)
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一言で言ってしまえば、甲府は毎度毎度の課題を浮き彫りにするゲームだった。鳥栖は、司令塔の宮原の、「我々はゲームごとにムラがあるチーム。最初にいいリズムが出来ると、いい試合運びが出来る」という一言が全てなのかもしれない。結果は1−1の引き分けだったが、89分に同点に追いつかれた甲府にとっては痛い引き分けとなった。2位争い、3位争いをするライバル(福岡、札幌、山形)が勝利した夜だけにショックは大きい引き分けとなった。

システムが4−3−3の甲府と、4−4−2のダイヤモンドの中盤の鳥栖。第3クールはここまで、4勝1分1敗と「甲府は好調」(鳥栖・松本監督)なチーム。松本監督は、3トップのために甲府の中盤が3枚になることに目をつけていた。
甲府のシステムを詳しく見ると、3トップはバレーを頂点とし、左に長谷川、右に石原が入る三角形が基本形。中盤は底に奈須が入り、その前に倉貫と藤田が並ぶ逆三角形が基本形。前線と中盤のそれぞれの三角形は、選手が入れ替わるので配置は流動的だが、狙いの一つは攻撃の起点となる藤田を前線に近い位置でプレーさせるということ。新システムに替えてから結果は出してきたが、弱点となる部分がない訳ではなかった。選手の配置がオフェンシブなだけにワンボランチ・奈須のポジションが守備ではポイントになる。両サイドから押し上げられると、ここに誰かが入らないと4枚のDFラインでは数が足りなくなるからだ。中盤の数的な問題では、3トップの一角である石原が運動量を活かしてカバーに入っていた。石原の運動量に助けられている面も少なくないのだ。

これまでは鳥栖のように、2トップ、トップ下、両サイドハーフの5枚が前線から常にプレッシャーをかけてくるチームはほとんどなかった。しかし、この日の鳥栖は立ち上がりから積極的にこの5枚がプレシャーをかけてくる。右サイドではFWと中盤がポジションを入れ替えながらマークを外して、何度か崩してクロスを入れてくる。7分には、ここから崩されて正面からシュートを打たれている(GK阿部がキャッチ)。システムは違っても、お互いにほとんど同じコンセプト(前線からのプレッシャーで、高い位置でボールを奪う)で主導権を取ろうとしていた。
こうなるとガチガチの戦いとなり、「いつもより苦しい試合」(甲府・倉貫)になったが、救いは気温だった。比較的涼しく両チームの運動量が極端に落ちることはなく、ゲーム内容のクオリティが下がることもなかった。ただ、フィニッシュに繋がるパスを出すところまで行った回数は鳥栖のほうが多かったように感じる。鳥栖の宮原は「ピッチ内の感覚では同じくらいだと感じていた」と話すが、甲府はフィニッシュの2本前までの形は多く作ったが、フィニッシュに繋がる最後の1本がなかなか通らなかった。
0−0のまま前半は進み、後半勝負かと感じ始めた40分に甲府が、1点を挙げるのだが、これは崩してのシュートではなかった。スローインからのクリア崩れのボールをペナルティエリアの外から藤田が打ち、DFに当たってコースが変わって決まったゴール。シュートは打たなければ入らないので、打った藤田が素晴らしいのだが、鳥栖からすれば、崩されてはいないし、DFで当たってコースが変わったシュートだけに気持ちを切り替えることがそう難しい失点ではなかった。

後半の甲府は、立ち上がりの15分を無失点で終えて、勝利のための最初のハードルをクリアする。15分には、前がかりに来る鳥栖に対してカウンターで、石原→藤田→バレーと繋いで決定的なシュートシーンを作るなど、リードされた鳥栖の不利な面を突いた攻撃を見せるようになる。しかし、組織で崩すシーンよりもバレーの突破力頼みな部分は否定できない。守備面では、なんとか耐える甲府。
そして、後半25分を過ぎた頃には鳥栖の運動量がやや落ちたようになり、逃げ切れる雰囲気も出てくる。30分までに交代枠の3枚を使い切った鳥栖は、サイドバックも攻撃参加してパワープレーに出るが、甲府は最後の5分になったところで前線からのプレスをもう一度厳しくしてゲームを締めくくろうとする。この点はチームしての成長だろう。

しかし、自陣で犯したファールが流れを変えた。すばやくリスタートした鳥栖は、高地のヘィディングシュートに繋げて引き分けに持ち込んだ。甲府は自陣で犯すファールの恐ろしさを思い知らされる結果となった。そして、引くだけでは守れないということも思い知らされた。ボール(クロスを挙げる選手)に対してプレッシャーをかけることを疎かにしていたのだ。2位の福岡追撃どころか、3位を確保することが難しいのが甲府の現状だ。あともう少しの踏ん張りで、この厳しい状況を乗り切りたい。
鳥栖は立ち上がりに見せたいいリズムを最後まで崩すことなく、引き分けに持ち込み今後に繋がる内容で勝ち点1を加えることができた。昇格争いに加わることは容易ではないが、再び第2クール前半のような鳥栖が戻ってくる可能性は高い。


以上

2005.09.01 Reported by 松尾潤
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