9月11日(日) 2005 J2リーグ戦 第31節
山形 1 - 1 湘南 (18:00/山形県/5,526人)
得点者:'14 梅田直哉(湘南)、'57 阿部祐大朗(山形)
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攻撃の「形」に限って言えば、山形は狙いをほぼ完璧に遂行していた。
ほとんどプレスを受けない最終ラインを使って素早くサイドチェンジを行い、湘南の陣形に隙ができたのを見計らってパスを差し込んでいく。中盤の大塚、 永井が、前線からも原と阿部が動きの中で交互に下りてきてパスを受け、相手が寄ってくることで新たにできるスペースへ次のパスを受け渡すが、この日は特に狭いスペースへの縦パスも積極的に通していた。その中でも目立っていたのは、パスを受けてから積極的に前を向いた阿部。ファーストタッチのコントロールが正確で、受けた瞬間にゴールに向かう構えと、ボールを失わずにつなぐことで、チームのリズムを増幅させた。
そうした攻めの「形」は、一つでも多くゴールネットを揺らすためにつくられたもの。だが、先制したのは一瞬の隙を突いた湘南だった。
前半14分、右サイド相手陣内でのスローインを梅田が受け、フォローの位置に立つ鈴木良和に落とす。鈴木がフリーの状態でいるのを見て危機を察知した小原が、マークについていた梅田をいったん逃がし、鈴木にアプローチしたその瞬間、梅田へのスルーパスが放たれた。キーパーと1対1となった梅田のシュートは桜井の手を弾き、そのまま逆サイドの枠内へ弾んでいった。
湘南はゴーランが初先発すると同時に、2試合の出場停止が空けた佐藤悠介を、湘南に移るまで本職としていた左サイドでプレーさせた。前半27分にはアーリークロスを柿本の頭に合わせるなど、低い位置にいても、佐藤がボールを持つ時間は山形は神経を遣うことになった。前半37分には、相手の不用意なパスにゴーランや加藤などが一斉に飛びつき、カウンターにつなげる。守備ではやや引き気味で、山形にパスを回すスペースを与えてはいたが、隙あらばボールを奪おうという姿勢が表れたプレーだった。センターバックの田村が負傷し、前半21分で戸田に代わるアクシデントはあったものの、前半は湘南が1点のリードを守りきった。
後半開始から山形が攻勢に出る。12分、両サイドの高橋、本橋も含めて中央に密集しショートパスを数本つないだ。大塚から本橋、そして阿部へ。阿部はここでも前を向く。ボールを右にズラした後に右足を振り抜くと、きれいな弧を描いてゴール右上隅に吸い込まれた。
この後は、同点に追いつき勢いに乗る山形のシュートラッシュ・ショー。後半だけでシュートは12本。永井のスルーパスを受けた原がキーパーをかわし枠に押し込んだ後半14分のオフサイドと判定されたプレーや、ドリブルでディフェンダー2人を抜きキーパーと1対1になりながらそのままゴールラインを割った後半30分の永井のプレーなど、後半だけのシュート数12本にカウントされない決定機もあったが、勝ち点3を取るためのあと1点はついに手にできなかった。
勝ち点38とした湘南は、2連敗を受けての対戦で圧倒的に押し込まれながら3連敗を免れた。上田監督も「引き分けで勝ち点1を取れたということは、我々にとって良かったんじゃないかなと思います」と、まずは安堵の言葉を発したが、次節から京都、仙台、福岡とさらに上位チームとの対戦が続く。個人技に優れた選手をそろえながらシュート数3本に終わった原因は「噛み合わせ」の部分にあるが、攻撃面で今後どう手を加えていくのか注目される。
「内容はいいが勝ちきれない試合」を積み重ねている山形は、今季の引き分け数が徳島と並ぶ14に達した。中2日で14日には札幌との試合が控え、大きな修正は時間的に難しい。いや、その必要もないほど、内容的には充実している。そして、足りないものが何であるかも十二分にわかっている。
「とにかく、続けることが大切かなと思います」と永井。これまで信じて歩いてきた道、もう後戻りはできない。
以上
2005.09.12 Reported by 佐藤円
J’s GOALニュース
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