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【J2:第34節 湘南 vs 福岡 プレビュー】両チームともに要を出場停止で欠く今節。最終クールの先陣を切る対決は、指揮官が用意する布陣に注目。(05.09.30)

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9月30日(金)J2 第34節 湘南 vs 福岡(19:00KICK OFF/平塚)
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 今シーズンの過去3試合を振り返ると福岡が2勝1分けと、湘南を叩いている。そして、いずれの試合も湘南が無得点に封じ込まれている点が、両者の対戦の特徴でもある。例えばホーム平塚に迎えた第15節は、ロングボールやショートパスを織り交ぜ、局面では個人技で突破するなど、福岡は豊富な引き出しとプレーの的確な選択によって、攻撃の緩急を演出し、流れを手繰り寄せた。お家芸である鋭いサイドアタックと、連動する中盤の押し上げ、なにより素早いプレッシャーから起動する守備から攻撃への切り替えが、湘南を黙らせた。チーム単位の豊富な運動量に裏打ちされた、松田サッカーの結晶といえるだろう。

 現時点で3位に勝ち点8差をつけて単独2位に立つ福岡は、黒星が少ないこともまた大きな特徴のひとつである。これまで33試合の黒星は僅か「5」、この数字は首位京都とともにリーグ最小である。つまり、京都は福岡が引き分けているところを勝っているためにさらにその上を走っているわけだが、それでもシーズンを通して大崩れしていないという事実が松田サッカーの熟成の度合い、そして福岡の強度を物語っている。

 一方、「できあがっているチームではない」とスタートした上田監督率いる湘南は、ポジションの変更や新戦力の補強など、試行錯誤を続けながらここまで戦ってきた。新たな血が注がれて生み出されたものはチーム内の熾烈なポジション争いだけではなく、昇格へ向けチームがあらためて結束を固めたというコンセンサスの統一である。いよいよ始まる最終クールをまえに得たものは大きい。

 第31節の山形戦と続く京都戦で確定した、佐藤悠介が左サイドに回り、ボランチにゴーラン、センターバックに城定信次が入った新たな布陣は、結果はともかく内容に手ごたえを残した。前々節は京都を無得点に抑え込み、前節の仙台戦でも2失点こそ喫したが、裏を返せば、前線から始まる集中力の高いチームディフェンスが仙台の掴んだ流れをPKと82分のゴールに抑えたともいえる。リーグ3位の得点力を誇る福岡の攻撃に押されることは予想されるが、「集中」と「徹底」が成されれば、そう簡単にゴールを譲ることはないだろう。ゴーランもフィットしてきている。

 ただ気がかりは、最終ラインの鈴木良和とバリシッチをともに累積警告で欠く点である。田村雄三もケガで出られないいま、誰が城定とセンターバックを組むのか、また鈴木の代わりに誰が右サイドバックに入るのか。長身のバリシッチとドリブルを武器に勝負する鈴木が抜けることは、4試合連続でゴールを決めている福岡のグラウシオへの対応はもちろん、守備だけでなく攻撃面に及ぼす影響も小さくない。破壊力とともに堅固な守備力も兼ね備える福岡を相手に上田監督がいかなる策を講じるか、このゲームの肝といってもいいだろう。同時に、中盤を司る吉野智行、ゴーランの両ボランチにも注視したい。

 さて湘南同様、福岡も中盤の要であるホベルトを出場停止で欠く。ゲームキャプテンを務めてきた背番号8の代わりに中盤の底を引き締める選手の担う役割は大きい。グラウシオとの「ブラジルホットライン」の一角が消失したことがどう影響するのか、組織力がそんな不安を一蹴するのか、松田監督のゲームプランもまた見どころのひとつである。

 松田体制となって3年、2003年に4位、2004年は3位と、着実に進化を遂げてきた福岡にとって、求めるのはもう「自動昇格」の権利でしかない。その上で上位を争うライバルたちの動向に左右されないためにも、アウェイとはいえ勝ち点3をもぎ取り、足場を固めにくるだろう。逆に湘南は2位チームの出鼻を挫き、昇格へ向け連勝街道のスタートを切りたい。どこよりも先陣を切る対戦、結果次第で、昇格へと導くボタンは掛けなおされることになる。

以上

2005.09.29 Reported by 隈元大吾
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