今日の試合速報

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第34節 札幌 vs 徳島 レポート】試合の立ち上がりをつかんだ札幌が4連敗から脱出。徳島は持ち味を披露できず。(05.10.01)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
10月1日(土) 2005 J2リーグ戦 第34節
札幌 2 - 0 徳島 (13:05/札幌厚別/5,323人)
得点者:'42 清野智秋(札幌)、'63 相川進也(札幌)
----------

勝った札幌・加賀が「今日は出足を取れたのが良かった」と言い、負けた徳島・秋葉が「出足で狙い通りにやれなかった」と言ったように、立ち上がりでどちらのチームが試合の空気をつかむかで全てが決まった一戦だった。

出場停止等の影響で、いろいろな選手が普段と異なるポジションに立った札幌。だが不安は無用。いい面ばかりが出た。普段は3バック右、この日は右ウイングに入った加賀は遠慮のない爆走で徳島左ウイング・片岡を振り払い、後半に足がつって退くまでどんどんゴール前に挑み続けた。磐田時代から彼をよく知る柳下監督は、「皆驚いたと思いますけど、アタックに関してはああいうスペースがあったら行くのが彼の特徴」と試合後に語っており、起用にいい手応えをつかんだ様子だった。

また、ヒザを痛めたデルリスが控えに回った札幌の前線のスタート陣形は、最前線に清野と中山、1列下がって相川。途中、相川と中山の位置が上下入れ替わったが、大雑把な役割としては3人1グループでゴールを狙う3FWのようなもの。この3人が「FW陣と一回話し合った」(相川)だけあり、よく呼吸が合っていて、パスのつながりの良さや前線からの果敢なプレッシャーで徳島守備陣を揺さぶった。

徳島は序盤からの札幌の攻撃に対してプレッシャーのかけどころが見つからず、サイドでのワンツーやFWへのグラウンダーパスを幾度も許す。そして札幌の前線のコンビネーションが得点に結びついたのが前半42分。西谷からのパスを相川がゴール左側で持ち、徳島DFを複数引き連れてから、右側にフリーでいた清野にパス。これを清野が決めて、1対0と先制。

「点を取られても取り返せる粘りがウチにはある」とDF大森が言う徳島だが、この試合では後半も打開のしどころがない。FW羽地のボールキープ時の粘りがやや見られたものの、その先が続かない。前線を狙う徳島のグラウンダーパスも札幌DF陣が積極的にインターセプトし、攻撃の第一歩に変えていく。点差はわずか1だが、それ以上の開きに感じる展開だった。

札幌のシュート数は前半6に対して後半15と尻上がりに増えていく。中山がビッグチャンスを迎えるが、GK古田に止められたり、わずかに枠を外したりと惜しいシーンが続く。そうしたシュートラッシュの中で後半18分、中山からのパスを受けた相川がシュート。これはいったん古田が弾くが、はね返りを相川がもう一度シュートし、今度こそゴール。点差は2に開く。

徳島は2失点後も古田のファインセーブが続いたが、反撃となると、パスミスや雨上がりの厚別のピッチに足を滑らせたりで、攻撃の火はつかず。終盤になってやっと、途中投入の石田が鋭くゴール前へえぐり込んだり、中盤の底から筒井の押し上げなどがあったり、伊藤から冨士への交代に伴い片岡を左から中央トップ下に移すと打開の気配もあったが、目覚めは遅く、ゴールには結びつかず。徳島の連勝は2で止まり、札幌の連敗は4で止まった。

この試合、スクランブル状態の札幌の連係がどうなるか気がかりだったが、加賀は、「いつも通りの守備の仕方をしていけば大丈夫だろうと信じてやった」と、立ち位置に惑わされず、今季これまで積み上げてきた攻守の動きを発揮できた。確かに、対峙する徳島・片岡の攻撃に対しても、加賀は金子と組んで中への突破コースをしっかり塞いだ。このシーンが象徴するように、プレッシャーの薄い徳島を相手に、数的優位を作って攻守に動くという札幌のやり方が再び表れる契機になる試合だった。

一方の徳島としては、この試合は何も持ち味を披露できず、不完全燃焼といった感だろう。試合後の田中監督の会見が極めて言葉少なだったのが、印象的だ。秋葉が「次はホームの力を借りて勝ちたい」というように、次節は鳴門で仕切り直しをして仙台を迎えたいところだ。

以上

2005.10.1 Reported by 永井謙一郎
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着