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【ユースに注目! -連載3- 】AFCユース選手権予選直前! 韓国遠征で仮想・北朝鮮対策の2連戦。(05.10.20)

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◆AFCユース選手権予選直前! 最後の力試しは韓国遠征で2戦
10/17、韓国に遠征するU-18日本代表メンバーが発表された。この遠征では、韓国・日本ともにU-18世代のベストメンバー2チーム分を構成し、10/25と10/26で2試合を行うという。U-18日本代表としては、11月23〜27日に熊本で行われる「AFCユース選手権予選」で対戦する難敵・北朝鮮戦を想定した試合という位置づけで、これが本番前最後の戦いとなる。
招集された顔ぶれを見ると、23人中17人がクラブユースに所属で高校サッカー部所属は6人のみ。U-18日本代表が招集された前回・9月の仙台カップでは、高校サッカー部所属の選手はわずか3人だったから倍増してはいる。だが最近はクラブユース勢の躍進が目立ち、今回もやはりその傾向が出ているようだ。

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福元洋平(大分U-18)
◆韓国遠征はこの選手に注目!
この遠征で注目したいのは、DF福元洋平(大分U-18)。
大分・シャムスカ新監督の就任以来、がっちりと定位置を確保。5試合連続でスタメンでフル出場を果たし、4勝1分と好調のチームに貢献している。今回の遠征参加23選手の中には、森本貴幸(東京V)や梅崎司(大分)らトップチーム契約している選手もいるが、この1か月での経験値は間違いなくナンバー1。
彼の長所は、1対1の強さとフィードのよさ。U-18日本代表ではキャプテンマークを巻きチームを引っ張る。Jリーグで初スタメンとなった浦和戦(9月10日)では、「ディフェンスラインを上げて攻撃的に戦おうということで、自分が起用されたと思う」と自己分析。それでも、対戦したA代表のFWでもある田中達也(浦和)のスピードに驚き、試合半ばで足がつっていた。
今年のFIFAワールドユース選手権オランダ大会に出場し、守備の要でもあった水本裕貴(千葉)が、以前にこんなことを言っていた。「ユースの試合で、相手選手がどんなにすごくても、エメルソン(浦和)ほどじゃないって…」。Jリーグで試合に出場することが、彼等の引き出しを増やし、貴重な経験や自信になっていく。まして福元がスタメンの座を手にした頃、大分はJ2降格もちらつく17位。厳しい状況の中で奮闘した経験が、同世代のU-18日本代表というチームでどう生きるのか楽しみだ。

また、「AFCユース選手権予選」という大きな目標も迫っている一方で、この時期は選手たちの進路も続々と決まっている。トップ昇格が発表されたGK秋元陽太、FWハーフナー マイク(共に横浜FMユース)や、仙台カップでは東北代表として日本代表を相手に2ゴールを叩き込んだ小澤竜己(青森山田高→F東京)、内田篤人(清水東高→鹿島)など、来季からのJリーグ入りが内定している選手にも注目だ。

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内田篤人(清水東高)=左
◆U-18日本代表@高円宮杯
福元らがトップチームで戦っていたこの1か月、U-18日本代表の選手たちの多くは「高円宮杯全日本ユース選手権(U-18)」に出場。
真の日本一決定戦というサブタイトルのつくこの大会は、クラブユース勢と高校サッカー部勢が相見える唯一の大会でもある。リーグ戦方式の1次ラウンドを突破し、決勝ラウンドへ駒を進めた16チームのうち、9チームが高校勢で7チームがクラブユース勢。しかし、ここからクラブユースが追い上げを見せ、4強(札幌ユースU-18、滝川第二高校、ヴェルディユース、広島ユース)に残った高校勢はわずか1チーム。ここにも、クラブユース勢の近年の元気よさが表れているようだ。
10/10(埼玉スタジアム2002)の決勝は、ヴェルディユース対札幌ユースU-18のクラブユース同士の対決となり、ヴェルディユースが「日本クラブユース選手権(U-18)」に続いて2冠を達成した。

大会では、U-18日本代表野選手の奮闘も目立った。1次ラウンドのグループFには、横浜FMユース、広島ユース、G大阪ユースといった日本代表選手を複数含む強豪が集中。決勝ラウンドの前に激しい戦いを見せた。
「相手チームに代表選手がいないと、やりがいがない。いたほうが面白い」とは、DF槙野智章(広島ユース)が対横浜FMユース戦後に話してくれたコメント。
また同じくグループFで、1次ラウンド初日、那覇西高に8-2と大勝したG大阪ユース。それでも試合後のDF安田理大(G大阪ユース)の表情に喜びが感じられなかったのも印象的だった。「ガンバならもっとやれたと思う。中盤だって回せたはずだし、点を取ってから気が抜けていた」という言葉からは、彼の意識の高さが伝わってくる。
高円宮杯でパフォーマンスの高さを見せ、今回の遠征からU-18日本代表に返り咲いたのがFW森島康仁(滝川二高)。大会中にU-18日本代表入りへの気持ちを尋ねると「以前は日本代表を第一の目標にしてきたから、落選した時にはものすごく落ち込んだ。でも今は、将来の目標への通過点としてとらえている。入らなきゃと思うことに変わりはないけど、自分の中で位置づけが違ってきて一喜一憂はしなくなった」と話していた。気持ちの整理ができて、成長した証でもあるのだろう。スタンドで観戦する他チームの選手からも「あいつ、代表に入りそうじゃない?」という声が聞かれるほど、好パフォーマンスを見せていた。久々のU-18日本代表入りだが、気負わず頑張ってほしい。

AFCユース選手権では8大会連続出場中、最近6大会連続はベスト4以上という成績を残し、FIFAワールドユース選手権にも6大会連続で出場しているユース世代。北朝鮮という手強い相手と同グループになったが、予選で敗退するわけにはいかない。グループ1位で本大会に進むためにも、U-18日本代表にとっては今が正念場。韓国遠征は本番の気合いで臨んでもらいたい。


以上

2005.10.19 Reported by 了戒美子

※福元選手は、体調不良のため、韓国遠征に不参加となりました。
詳細はこちらをご覧ください。

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●来季、Jクラブへの新加入が発表されているユース年代の選手たち
・鹿島
DF 内田 篤(清水東高)
・千葉
FW 加藤 韻(中京高)
・F東京
FW 小澤竜己(青森山田高)
・川崎F
GK 杉山力裕(静岡学園高)
MF 木村祐志(川崎F U-18)
MF 鈴木達矢(川崎F U-18)
FW 久木野聡(日章学園高)
・横浜FM
GK 秋元陽太(横浜FMユース)
FW ハーフナー マイク(横浜FMユース)
・湘南
GK 濱崎陽平(高知高)

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【ユースに注目!】
-連載2- 真のU-18日本一決定戦。クラブユースと高校が対戦する高円宮杯全日本ユース選手権に注目!
-連載1- 仙台カップでは、この選手をチェック!〜山本真希(清水ユース)、堤俊輔(浦和ユース)、伊藤博幹(G大阪ユース)〜
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