10月22日(土) 2005 J2リーグ戦 第37節
札幌 3 - 1 山形 (13:04/函館/4,959人)
得点者:'18 西谷正也(札幌)、'45 清野智秋(札幌)、'53 オウンゴ−ル(札幌)、'74 本橋卓巳(山形)
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山形・右2列目の佐々木、札幌・左ウイングバックの西谷。この同エリアに立つ2人を中心に両チームの攻撃は展開された。佐々木はライン際から爽快なドリブル突破を披露し、札幌の新主軸・西谷は中央から左をテリトリーとして、自ら仕掛けに行ったり幾度もキラーパスを狙う。
札幌は昨年第3クール(7月31日・厚別)の相川のゴール以来、これまで4試合、山形から点を取れていなかった。そんなもどかしさも前半18分に晴れた。金子から右寄りにいたデルリスにボールが渡り、グラウンダー性のクロス。ニアサイドにいた清野に山形DF陣が引き寄せられ、ファーに走りこんだ西谷が空いた。西谷のシュートはきっちりと枠をとらえて、先制。
その得点前後、山形もチャンスは作っている。前半5分、佐々木のクロスに本橋がヘッドに当てるがGK林がセーブ。前半23分には佐々木のクロスを札幌DFがクリアしきれず、ファーの原に渡り、GKと一対一になる。だが原がこれを外し、試合を振り出しに戻すことは叶わず。山形は「前半は特に運動量が少なくて」と鈴木監督が振り返ったように、佐々木や臼井、本橋の単発の鋭さは発揮されたが、サイドの人数をかけた厚みというのは少なく、札幌は翻弄されずに対応できた。また、永井と、加入後初先発の小森田のところが弱く、彼らのところで札幌にボールを奪われ、リズムを作りきれない。
札幌はこの1週間、サイドが分厚いであろう山形を崩すため、中央を使って攻めようという狙いで練習してきたが、試合に入ると、両サイドバックの裏のスペースを突くという意図が多く見えた。そうしてサイドバックをけん制することも、山形の運動量を落とすのに効果があったのだろう。
後半に入り、さあ山形も挽回だ…と思ったのもつかの間、キックオフ直後、札幌が砂川から清野のゴールであっという間に2点目を決める。笛が鳴ってからわずか14秒の追加点に、山形はゲームプランも思惑も全て壊され、さらに後半8分、砂川の左コーナーキックがDFに当たりオウンゴール。3対0と差は広がってゆく。
優位に立つ札幌は、DFや中盤の積極的なインターセプトがことごとくハマり、山形の出足を後半も奪い続ける。山形はまず、機能しない小森田に代えて高橋を入れてボランチのところを落ち着かせ、次いでDF内山に代えてFW外池を投入。原、阿部、外池の3トップにして点差を縮めようとする。この3トップを使う攻勢に札幌の守備はうまく対応できない。後半27分には山形のシュートが選手に当たって軌道が変わり、GK林が逆をつかれたがポストに当たって助かるというシーンがあり、危うさもにじみ出てきた。札幌が外池のマークの具合を徹底できないまま、後半29分、阿部のクロスを外池がヘッドで落として、そこに本橋が駆け込んで意地の1点を山形がとった。
そして終盤は山形が押す展開も増えたのだが、いかんせん3点差は大きい。札幌も素早く前線にボールを出す攻撃で山形を押し返す。結局、山形の反撃は本橋のゴールのみにとどまり、札幌が一昨年第4クール(11月16日・札幌ドーム)以来の対山形戦勝利をつかんだ。
山形には、序盤から後半まで決定機は5度ほどあった。だが、ものにできたのは1度のみ。詰めの甘さは、ゴール前で札幌DFをかき回すという動きが少なかったことに因る。この日勝った甲府と仙台に順位も抜かれてしまい、3位から5位に転落。悔いの残る敗戦となった。
札幌の選手からは誰からも「残り試合をトーナメントのつもりで」という言葉が出てくる。札幌は他の上位チームに比べて得失点差が−1ととても小さい。これから1つの勝点、1つの得点でも増やし、そして1つの失点でも減らすというツメの厳しさが肝要となる。トーナメントという言葉を唱えるのは簡単だが、負けたら終わりという緊張感を90分の中でどこまで続けられるのか。チームとしても今のようなダンゴ状態の順位争いの経験は過去には無い。札幌は未知の領域を歩んでいく。
以上
2005.10.22 Reported by 永井謙一郎
J’s GOALニュース
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