11月6日(日) 2005 J2リーグ戦 第39節
鳥栖 3 - 3 徳島 (14:03/鳥栖/5,788人)
得点者:'1 新居辰基(鳥栖)、'40 羽地登志晃(徳島)、'44 新居辰基(鳥栖)、'48 小林康剛(徳島)、'59 新居辰基(鳥栖)、'72 オウンゴ−ル(徳島)
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ホームとアウェーをあわせて同じチームと計4回戦うJ2ディビジョン。世界中でも類を見ない過酷な44試合のリーグ戦である。終盤にもなると対戦チームの戦術のみならず選手の癖までもが分析されてしまう。が、今節の鳥栖対徳島戦では、お互いの相手の良さを消す事ができず、同じような失点でドローゲームとなってしまった。
過去3試合の対戦では、鳥栖が先制し徳島が追いつく展開を見せた。第27節では、追いついた勢いそのままに徳島が逆転している。今節も鳥栖が開始早々に先制点を奪うと徳島が追いつき、鳥栖が突き放つと徳島が追いついた。終わってみれば、シュート数は同じ12本、コーナーキックは徳島が6本も上回ったが、フリーキックは10本も鳥栖が上回った。打っては跳ね返され、奪ってはセットプレーで流れを渡してしまう内容と言えた。
開始1分、鳥栖は左DF高地のロングフィードを左サイドでFW鈴木が受けた。そのボールを中央の新居に簡単に通すと、濱田とのワンツーパスで徳島のゴールに先制点として蹴りこんだ。徳島3バックの間を縫った見事な攻撃と言えるが、過去3回の対戦でいずれも先制点を奪われている徳島としては、何としても避けたいシーンであった。しかも新居はこのカード第18節では開始1分に先制点を挙げている。第27節でも先制点は新居だった。「濱ちゃん(濱田)とは、あの形ならば点を取れる」(新居)と狙っていたパターンだっただけに鳥栖は流れをつかみ、徳島は後手に回る先制点であった。
しかしこの流れは35分過ぎあたりから徳島に傾きだす。コーナーキックで徳島に傾き始めたのである。徳島1本目のコーナーキックは、鳥栖がクリアで事なきを得たが、2本目はそうは行かなかった。過去3試合の対戦で5得点中4得点の羽地にヘディングで決められてしまったのだ。1本目のコーナーキックでは、羽地はGKの前でボールを待ったが、2本目はペナルティマークあたりからマークをはずしてボールに飛び込んだ。待つのと飛び込むのでは、マークする側は勝手が違う。羽地の頭脳プレーが光り、鳥栖はやられてはいけない人にやられてしまった。これで徳島は勢いにのるはずだった。しかしまたも新居にやられてしまう。自陣からのロングフィードに反応した新居が、そのまま持ち込んで左足で豪快にゴール。今季2試合目の出場となった徳島GK・島津の一瞬の判断が遅れたこともあるが、怪我明けを感じさせない見事なゴールであった。
後半から徳島は挽地をボランチの位置に入れて中盤を落ち着かせる作戦に出た。これで、秋葉にボールが入るようになり、徐々に縦一辺倒から左右にボールが散りだした。鳥栖DFにとっては、跳ね返せば済んでいたものを左右のケアまでを余儀なくされ始めたのである。48分には、DF小峯のセンタリングを羽地が持ち込み、鳥栖DFのクリアボールを小林が狙いすまして同点弾を鳥栖ゴールに入れた。53分には、ビジュが得点機会阻止の反則で退場処分となり、流れは徳島に一挙に傾いてしまった。鳥栖はやや引き気味ながらも新居にボールを預けるカウンター機会を伺う作戦に出た。この作戦は59分に新居のPKとなって功を奏し、数的不利な中で三度徳島を突き放した。しかし、ボールは徳島が支配し続けていた。65分には片岡を投入し、左右からの攻撃の時間帯が続いた。72分に右MF大場からのセンタリングの処理を鳥栖DFが誤り、オウンゴールを誘い三度目の同点。この時点で逆転できそうな勢いは徳島にはあった。しかし、このまま今節の対戦は終了。これで、鳥栖の3分1敗。全試合、鳥栖が先制し徳島が追いついた。鳥栖の得点は最初の対戦お2得点以降は、全て新居が得点した。実に7得点中5得点の活躍である。追いついた徳島も8得点中5点は羽地から生まれている。
「徳島戦4試合は全く同じ展開だった」(松本監督・鳥栖)と「全て後手を踏んだ」(田中監督・徳島)と両監督とも試合内容には不満の色を隠せなかった。相手のエースを抑える事ができずに、決められてはいけない人に決められ、繰り返してはいけないミスを繰り返し、流れをつかみきれなかった両チーム。お互いに上位進出を図るためには、状況に応じた対応能力と打破するための技術が必要であることを知らしめる対戦カードだった。
後筆ではあるが、この試合3得点の新居辰基。この日の3得点目は、1999年に竹元義幸(現サガン鳥栖U15監督)が記録したチーム最多得点(16得点)を更新した。新たな歴史を刻んだ得点は、この日スタジアムに集まったファンに新たな感動を与えてくれた。
以上
2005.11.06 Reported by サカクラゲン
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第39節 鳥栖 vs 徳島 レポート】4回の対戦が同じような展開になってしまった鳥栖対徳島。今回はドローで今季の対戦を終了。(05.11.06)
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