11月6日(日) 2005 J2リーグ戦 第39節
横浜FC 3 - 1 福岡 (14:04/三ツ沢/8,527人)
得点者:'7 三浦知良(横浜FC)、'10 内田智也(横浜FC)、'44 内田智也(横浜FC)、'59 宮崎光平(福岡)
----------
「福岡がちょっと堅そうな印象があった」(内田智也)。それは昇格争いへのプレッシャーだったのかもしれない。そんな福岡に横浜FCが襲い掛かった。最初の決定機は最初の決定機は3分、カズ(三浦知)が前線でボールをキープすると右サイドを駆け上がってきた北村に。その折り返しにカズが飛び込む。ゴールライン手前で何とか宮本がクリアしたものの、両チームの勢いの違いが現れた象徴的なシーンだった。その後、福岡は左サイドから仕掛けるものの、横浜FCの激しいボールへの寄せがこれを許さず。それどころか、横浜FCは素早い攻守の切り替えから福岡ゴールへと迫った。
間違いなく、この日の主役は横浜FCだった。城が前線で楔のボールを受けてポイントを作り、北村が右サイドを駆け上がる。そして、左サイドへ流れるカズが、吉武と巧みなコンビネーションを見せて裏のスペースへ飛び出していく。さらには、中盤で攻守に渡って抜群の運動量を見せる内田が、あるときは福岡の攻撃の芽を摘み、あるときは前の4人をフォローして分厚い攻撃を作り出す。
そんな横浜FCを福岡は捕まえられない。ただバタバタとボールを追いかける姿に、J1昇格まであと一歩のところに迫ったチームの面影はなかった。そして7分、横浜FCは勢いのままにゴールを奪う。カズが左サイドに蹴りこんだボールを追うのは吉武。ボールを確保した平島がスピード落とした瞬間、吉武は鋭い出足でボールを奪ってペナルティエリアへ。追いかける平島ともつれるようにして倒れこんだ。判定はPK。そしてカズがゴールネットを揺らした。
この先制点で平静さを失った福岡に、横浜FCは攻撃の手を緩めずに襲い掛かる。そして先制点から3分後、内田の右足から放たれたシュートがGK水谷の手を弾いてゴールマウスへと吸い込まれた。両膝をついて両こぶしを空に向かって突き上げる内田。呆然と立ち尽くす福岡イレブン。そして、スタジアムを再び大歓声が包み込む。事実上の勝負は、これで決まったといっていい。過去2年間で積み重ねてきたベースが全てのよりどころである福岡が、攻守に渡ってベースを見失ってしまっては勝ち目はなかった。前半のロスタイムにも3点目を奪った横浜FCは、59分に1点を失ったものの、危なげなく福岡を下した。
前から激しくボールを追い、声を掛け合い、それぞれが責任を持ってプレーすることに徹した横浜FCは、とても11位に甘んじているチームではなかった。そんな彼らの原動力になったのはカズへの感謝の気持ち。「チーム一丸となってカズさんを勝って送り出したいというのがあった。カズさんが僕たちに与えてくれたものは大きいですし、僕たちが返せるものというのは今日の勝利しかなかった」(内田)。やれば出来ることを証明した横浜FC。このパフォーマンスを残る試合全てに発揮することが、当面の目標になる。
さて、終盤にきて2連敗を喫した福岡。3位の甲府との勝ち点差は5に縮まり、得失点差では並ばれることになった。数字の上では2位確保に向けて有利な状況にあることは違いないが、その優位性はわずかなもの。2位争いは再び混沌としてきた。何より、2試合続けて自分たちのサッカーが出来なかったばかりか、先制点を奪われると安定感を失い、そのままリズムを取り戻せない戦いぶりが気にかかる。昇格争いのプレッシャーの中で自分たちのサッカーを取り戻せるのか。福岡は正念場に立たされている。
以上
2005.11.06 Reported by 中倉一志
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第39節 横浜FC vs 福岡 レポート】見せたカズへの感謝の気持ち。横浜FCが福岡に完勝!(05.11.06)
- 終盤戦特集2025
- アウォーズ2025
- 明治安田J1昇格プレーオフ2025
- 明治安田J2昇格プレーオフ2025
- J3・JFL入れ替え戦
- AFCチャンピオンズリーグエリート2024/25
- AFCチャンピオンズリーグ2 2024/25
- はじめてのJリーグ
- Jリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアーfor a Sustainable Future supported by 明治安田
- 明治安田Jリーグ百年構想リーグ
- 2025 月間表彰
- 2025 移籍情報
- 2025 大会概要
- J.LEAGUE FANTASY CARD
- 2025 Jリーグインターナショナルユースカップ
- シャレン Jリーグ社会連携
- Jリーグ気候アクション
- Jリーグ公式試合での写真・動画のSNS投稿ガイドライン
- J.LEAGUE CORPORATE SITE













