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【第85回天皇杯4回戦:千葉 vs 甲府レポート】千葉が接戦を制して鬼門の天皇杯初戦を突破。甲府はJ1チーム相手に互角の戦いで手応え。(05.11.10)

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11月9日(水) 第85回天皇杯 4回戦
千葉 3−2 甲府(19:02/市原/2,813人)
得点者:36' 工藤浩平(千葉)、44' バレー(甲府)、60' 長谷川太郎(甲府)、66' 巻誠一郎(千葉)、112' 水野晃樹(千葉)
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 千葉はあやうく昨年(天皇杯4回戦で札幌に1−2のVゴール負け)の二の舞を演じるところだった。2−2で突入した延長戦後半7分、MF水野晃樹の豪快なロングシュートが決まり、これが決勝点となって千葉が3−2の勝利。鬼門の天皇杯初戦を突破した。

 甲府がJ2リーグ戦第39節とまったく同じメンバーで試合に臨んだのに対し、千葉は負傷や疲労蓄積などの理由で本来のレギュラーメンバーから数人を代えた。GKは立石智紀から櫛野亮、DFはナビスコカップ決勝を体調不良の状態でプレーしていた結城耕造から水本裕貴、MFは佐藤勇人から中島浩司、ナビスコカップ決勝で負傷した羽生直剛から工藤浩平という変更だった。水本の起用は、12日のJ1リーグ戦第30節、DF斎藤大輔が累積警告で出場停止のため、試合勘を戻すという意味合いもあったと思われる。

 立ち上がりはリズムよくボールを回していた千葉だが、そのリズムは次第に前線から激しくプレスを仕掛けてくる甲府に崩された。甲府の出足のよさに押され、慌ててしまったかのように長めのパスが多くなる。それでも、先制点を奪ったのは千葉だった。前半36分、DFストヤノフが右サイドへパス。これを受けた水野がゴール前にパスを入れ、工藤が落ち着いてシュートを決めた。だが、「今日はうちが苦しくなった時はいつも自分たちのミスからだった」(MF坂本將貴)というように、前半のロスタイム、甲府・MF倉貫一毅のパスが千葉・MF中島浩司に当たってこぼれたボールを甲府・FW長谷川太郎が拾い、長谷川がオフサイドポジションとセルフジャッジした千葉の選手は一瞬動きが止まってしまう。「審判が笛を吹かない限りは最後までやるべきだった」と試合後の坂本は語ったが、フリー気味の長谷川のパスを受けたFWバレーがゴール左隅にシュートを決めて、甲府が追いついた。

 甲府は後半15分、千葉・MF阿部勇樹が攻め上がろうとしたところで、MF山本英臣がボールをカットしてFWバレーへパス。バレーの縦パスからディフェンスラインの裏に飛び出した長谷川が逆転ゴールを奪う。しかし、ここでオシム監督は結城を入れ、敢えて守備を強化した。千葉は3バックと坂本の連係で甲府の3トップをマークしていたが、結城をバレーのマークにつけ、「甲府の8番(倉貫)と10番(MF藤田健)潰すように指示された」坂本をボランチにして、ディフェンスラインと中盤の安定を図った。結果としてはこれが見事に奏功。後半21分、ポジションと役割が変わって前に出やすくなった坂本が、水野のパスを受けて右サイドを駆け上がり、FW巻誠一郎の同点弾をお膳立てした。千葉は後半終了間際と延長戦前半の2度の決定機をFWハースが外し、甲府も延長戦のシュート数でも千葉を上回っていたものの決めきれない。疲労もあってペナルティエリア内でのフィニッシュのプレーの精度を欠き気味だった両チームの戦いを決着させたのは、後半7分の水野の思い切ったロングシュートだった。

課題は多々あるが、昨年の天皇杯とは違い、最後は勝利をもぎ取った千葉がナビスコカップ決勝戦に続いて成長の証を見せた。2試合連続で120分間戦ったダメージと、勝利という結果による収穫が、12日の磐田戦(リーグ戦)にどのように影響するか注目だ。一方、甲府は「阿部が上がっていくのにつききれなかったところがあった」(倉貫)などの課題があったとはいえ、チーム全体の連動したプレスとサイドのスペースをうまく使ったパスワークは素晴らしかった。試合後のオシム監督が「千葉がJ1にいるよりも甲府がJ1にいるのが論理的だ」と語ったのは、社交辞令だけではないだろう。

以上

2005.11.10 Reported by 赤沼圭子
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