11月12日(土) 2005 J1リーグ戦 第30節
大宮 3 - 2 名古屋 (16:03/埼玉/7,019人)
得点者:'7 秋田豊(名古屋)、'44 藤本主税(大宮)、'52 レアンドロ(大宮)、'60 トニーニョ(大宮)、'82 鴨川奨(名古屋)
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前半7分という早い時間帯の、それもコーナーキックからの失点は、絶対に喫してはいけないものだった。「自分たちからパスを失った中で、そのコーナーが先制点につながった」(大宮・三浦俊也監督)。
大宮としては「セットプレーがとにかくわれわれの大きな命題」(三浦監督)として臨んでいただけに「またしても入れられたということで、チーム全体がかなり、がっかりしていたというのは手に取るように分かりました」と精神的なダメージは避けられなかった。ところがそこで大宮は崩れることはなかった。
一つには、ここ最近の公式戦で2連勝中(リーグ29節の柏戦と天皇杯4回戦の京都戦)という好調さもあったかと思われるが、と同時に名古屋の内容の悪さが大宮を勢いづけさせた部分もあった。
その名古屋の内容の悪さの一つの理由としてケガ人の発生が上げられるかもしれない。28分にはクライトンが、唇を歯が貫通するケガを負って退場。さらには61分にも吉村圭司が、クライトンと同様のケガを負い、交代を余儀なくされた。3枚の交代カードのうちの2枚がこうしたアクシデントによって消化されてしまうと、さすがに試合運びは難しくなる。ただそれにしても、得点後の名古屋の消極性はひどかった。
気にしていたセットプレーにより、早い時間に先制点を奪われた大宮は、三浦監督が見て分かるほどにがっかりしていた。ところがその大宮に対してかさにかかって攻め込むどころかラインを下げてしまい、最終ラインに中盤が吸収されるような形を前半の早い時間帯から取ってしまった。名古屋の敗因の全ては、前戦から守備に行けない消極性にあり、それは、個人の問題というよりは、チームとしての約束事を徹底できていないという意味で、戦術の完成度の低さにあると言える。
1点を追いかける大宮も、名古屋同様にケガによって桜井直人が交代を余儀なくされたが、42分からその桜井に代わってピッチに立った若林学が結果を出す。それまでは高さに勝る名古屋の最終ラインを攻めあぐねていたが、長身の若林にシンプルにサイドからクロスが入るようになった。前半終了間際のPKは、若林のポストプレーがきっかけとなっていた。
イーブンの状態で迎えた後半に大宮が2点を畳みかけたのは、消極的な戦いをしていた前半の名古屋を見ていれば、ある程度必然的な結果だったと言える。名古屋にとって救いになりそうなのは、2点を追いかける82分に、クライトンに変わって、J初舞台のピッチに立っていた鴨川奨が1点差に追いすがるゴールを決めた所だろう。直前の81分に大宮はレアンドロを下げて守りに入っており、攻めるのが難しい相手から得点を奪ったという事実を今後につなげていきたいところだ。
試合後の両チームの選手の表情は勝敗が分かれたという意味で対照的であり、まだ完全には残留を決めていないという意味で同質的でもあった。残り4試合。両チームにとってまだまだ気を抜けない試合が続くが、そこで大事なのは現状をとらえる前向きさではないか。秋田豊の「残り10試合くらいの時からやばいという事は思っていた。ただ、この状況を楽しもうと切り替えた。W杯最終予選と同じ感じだし、今日も(厳しい雰囲気が)楽しかった」というタフなメンタリティは、ボーダーライン上のチームにとってもっとも重要なものなのではないかと思う。
以上
2005.11.13 Reported by 江藤高志
J’s GOALニュース
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