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【J1:第30節 鹿島 vs F東京 レポート】内容では完勝も結果は痛いドロー。首位再浮上を狙った鹿島だが、G大阪との勝ち点差は3に開く(05.11.13)

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11月12日(土) 2005 J1リーグ戦 第30節
鹿島 1 - 1 F東京 (16:03/カシマ/19,521人)
得点者:'17 岩政大樹(鹿島)、'42 今野泰幸(F東京)
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 「今日は話せません。ごめんなさい」とエースナンバー10をつける男・本山雅志は足早にスタジアムを後にした。勝ち点3を確保し、首位・ガンバ大阪を追い詰めたかった鹿島アントラーズにとって、FC東京戦の手痛いドローはやはり痛かったのだろう。「残り5試合、全部勝つつもりだったのに」と青木剛も話すように、選手たちは落胆を隠せない。彼らはいかに気持ちを切り替えて残り4試合を戦うのか。悲願のタイトルを目指す「常勝軍団」はいよいよ正念場に立たされた。

 2005年J1もいよいよ最終章。優勝争いも佳境に入った。勝ち点53で2位につける鹿島はホームにF東京を迎えた。キックオフ時の気温は15度と肌寒かったが、晴天に恵まれたせいか2万人近い観衆が終結。スタンドからは熱気が感じられた。3日の天皇杯を挟み、2週間の準備期間を経てこの試合に挑んだ鹿島。負傷中だった小笠原満男、フェルナンド、リカルジーニョらも復帰し、この日は最強メンバーを組む事ができた。先発はGK曽ケ端準、DF青木、岩政大樹、大岩剛、新井場徹、ボランチ・リカルジーニョ、フェルナンド、2列目・小笠原、深井正樹、FW本山、アレックス・ミネイロという予想通りの顔ぶれだ。対するF東京はGK土肥洋一、DF加地亮、ジャーン、茂庭照幸、藤山竜仁、ボランチ・梶山陽平、今野泰幸、右MF阿部吉朗、左MF鈴木規郎、トップ下・馬場憂太、FWルーカスの4−2−3−1。これも想定された布陣である。

 「勝利しかない」と意気込む鹿島は序盤から積極的なサッカーを見せた。得意のボール回しから流れるような攻撃を組み立て相手を霍乱した。ややサイドからの崩しは少ないように思われたが、それでもダイレクトパスをつなぐ美しい攻撃は見る者を魅了した。そして17分にはフェルナンドの右サイドのフリーキックに呼応し、相手DFを振り切った岩政が右足でゴール。幸先のいい先制点を手に入れた。これで勢いを得た鹿島は、さらなる猛攻に打って出る。25分の本山の強烈なミドルシュートを皮切りに、追加点が入りそうなチャンスは数多くあった。休養の成果か本山もアレックス・ミネイロも9〜10月とは比べ物にならないほどキレていた。だが肝心のゴールを割れない。「あれだけシュート練習をしても入らないのがサッカーの不思議なところだ」と指揮官もぼやいたが、これが勝負の明暗を分けることになってしまう。

 F東京の同点弾はまさに「鹿島の攻め疲れの時間帯」に生まれた。前半終了間際の42分、リスタートからのこぼれ球を拾った馬場が右足で思い切ってシュート。その跳ね返りをやや遠めの位置にいた今野が左足で蹴りこんだのだ。「F東京はリスタート時に中へ入ってくる人数が5人と6人の時がある。あの時は最初5人で途中から茂庭さんが入ってきた。それでマークがズレてしまった」と青木も悔やむ。鹿島は嫌なムードに包まれ、そのまま前半が終了してしまう。

 後半突入後の15分間もF東京ペースだった。鹿島は思ったように流れを変えられずに苦しんだが、茂庭が右足首を痛めて交代した事で一気にリズムが変化。F東京は守備的にならざるを得なくなった。トニーニョ・セレーゾ監督はその機を逃さず、名良橋晃、野沢拓也ら攻撃的な選手を次々と投入。一気に巻き返しを図った。指揮官の策は成功し、鹿島が一方的に押し込む形になった。本山が鋭いミドルシュートを土肥に阻まれ、これまでに見せたことのないほど派手に悔しがるなど、彼らには凄まじい気迫が感じられた。けれども、どうしても得点に結びつかない。土肥のスーパーセーブ、ジャーンを中心とした堅守が最後まで彼らに立ちはだかった。

 この日の鹿島はJ1後半戦スタート以来、最高の出来だったといっても過言ではないだろう。シュートを22本放ち、ボールを支配する時間も圧倒的に長かった。しかしサッカーはボール回しの巧みさやチャンスの回数を競うゲームではない。「点を取る」ことだけが勝利につながるのだ。選手たちは厳しい現実を痛感させられたまま試合終了の笛を聞いた。その瞬間、左サイド・新井場はピッチに倒れこみ、先制弾の岩政もガックリと肩を落とした。

 首位再浮上を狙った鹿島だが、逆にG大阪との勝ち点差を3に広げられてしまった。下からはセレッソ大阪も1差に迫ってきた。しかも次の相手は勢いづく大分トリニータ。「もう勝ち点3以外にない」と2000年の3冠時代を知る生き証人の名良橋も力をこめた。こうなったら、予想外のドローで受けた精神的ダメージをいち早く払拭し、次につなげていくしかない。トニーニョ・セレーゾ監督の最後の大仕事に期待するしたい。

 逆にF東京はアウェーで貴重な勝ち点1を確保した。彼らには「カシマスタジアムではナビスコカップでしか勝ったことがない」という悪いジンクスがあったが、それを払拭するような頭脳的戦いが見事だった。順位は10位に落としたが、J2降格争いからは抜け出したといってもいいだろう。茂庭、加地の右足負傷など新たな不安材料も出てきたが、原監督は一応の手ごたえをつかんだようだ。

以上

2005.11.13 Reported by 元川悦子
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