12月3日（土） 2005 J1リーグ戦 第34節
川崎Ｆ 2 - 4 Ｇ大阪　（14:04／等々力／23,113人）
得点者：'12 アラウージョ（Ｇ大阪）、'37 寺田周平（川崎Ｆ）、'56 宮本恒靖（Ｇ大阪）、'62 谷口博之（川崎Ｆ）、'79 遠藤保仁（Ｇ大阪）、'89 アラウージョ（Ｇ大阪）
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　劇的な展開により眼前でG大阪の優勝を目撃した川崎F。だが、その悔しさが吹き飛んでしまうぐらい、この日スタジアムに集まったチームを愛する人たちは、心温まるセレモニーの記憶にいまも思いを馳せていることだろう。
　
　川崎FとG大阪の一戦は、両チームともに破壊的な攻撃力を存分に発揮した予想通りの打ち合いとなった。12分に先制された川崎Fだったが、37分、CKから寺田がヘディングシュートを決め同点。アウグストがお決まりの『おんぶ』パフォーマンスで寺田に飛びかかる。

同点で迎えた後半、セットプレーからG大阪・宮本に決められ再びリードを許すが、62分、再びCKのチャンスから最後は谷口がヘッドで決め、再度、川崎Fが追いつくというシーソーゲームの展開に。そして、ここで今季限りで引退する相馬がピッチを退く。ゆっくりと歩み、交代する森に『頼むぞ！』と声をかけると、深くおじぎをして相馬はピッチを去った。その後、79分にG大阪・遠藤のPKが決まると試合の行方は一気にG大阪に傾く。C大阪の試合に動きがあったことがスタジアムのざわめきで伝わりだしたロスタイムにアラウージョがフリーで駄目押しゴールを決め、G大阪初優勝という結末で今季のリーグ戦は幕を閉じた。

　試合後、行われた川崎F最終戦セレモニーは、川崎Fらしくサポーターとスタッフ、選手が一体となって作り上げた忘れられない１時間になった。今季限りで引退するチーム創設以来の選手である久野智昭選手、家族の希望によりブラジルに帰国することになったアウグスト選手、そして日本代表としてもキャリアを築いた相馬直樹選手が挨拶し、家族やチームメイトから花束が渡されると、サポーターも選手もスタッフも涙に包まれた。

「10年間、二度のJ1昇格、J2降格、いろんなことがありました。皆さんのおかげだと思っています」（久野選手）

「ワタシハ　サポーターヲ　ワスレナイ。ワタシノコト　ワスレナイデ。ミナサン　アイシテル」（アウグスト選手）

「12年間、本当に幸せな選手生活が送れました。たくさんの人に感謝しています」（相馬直樹選手）

　全選手が引き上げた後、もう一度サポーターの元へ向かう３選手。サポーターに促されひとりひとり挨拶をし、さらにセレモニーが終了した後も、スタジアムの外で待つサポーターひとりひとりにサインを続けた。チームの歴史を彩った3選手それぞれに心から「お疲れ様。そして、ありがとう」という言葉を贈りたい。　

以上

2005.12.02 Reported by 隠岐 麻里奈