12月3日(土) 2005 J1リーグ戦 第34節
新潟 0 - 4 浦和 (14:04/新潟ス/41,988人)
得点者:'4 堀之内聖(浦和)、'13 ポンテ(浦和)、'60 マリッチ(浦和)、'80 山田暢久(浦和)
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J1第34節。他力ながら優勝の可能性を残す3位浦和は敵地・新潟スタジアム(ビッグスワン)で新潟に4対0と快勝しながらも、勝ち点でわずかに1及ばず、G大阪にその座を譲ることになった。史上稀に見る大混戦となった2005年のJ1は、最終節を前に、首位C大阪(勝ち点58)、2位G大阪(同57)、以下同56で浦和、鹿島、千葉と続き、5チームに優勝の可能性が残されていた。得失点差で優位に立つ浦和としては、勝って上位2チームの結果待ちという状態。しかし、4ゴールの大勝にも勝利の女神が微笑むことはなかった。どうやら女神の好みは「赤」よりも「青」だったようだ。
あいにくの曇り空、気温5.1度。底冷えのする寒さとは裏腹に、新潟スタジアムはオレンジと赤のサポーターに埋め尽くされ、異常な熱気を帯びていた。キックオフ前後には、冷たい雨がパラついたが、そんなことはお構いなし。J屈指の観客動員数を誇るチーム同士の対戦とあって、両軍とも気合いは十分だった。
しかし、サポーターの圧倒的な迫力を含め、地力に勝っているのはやはり浦和だった。開始4分、ポンテのFKをキッカケに堀之内のゴールで先手を取ると、13分にもポンテのFKが直接ゴールネットに吸い込まれ、2対0と新潟を突き放す。2点目は、遠巻きにはマリッチが頭でコースを変えているようにも見えたが、マリッチ曰く「僕は触っていない。あれはロブソンのゴールだ」ということだ。
ハーフタイム、携帯電話で他会場の途中経過に目を落とすと、C大阪、G大阪は、ともに1対1のドロー。このままタイムアップを迎えれば、45分後には新潟スタジアムはオレンジではなく、赤の歓喜に包まれるはずだった。
後半も攻撃の手を緩めない浦和は、60分に岡野のシュート性のクロスをマリッチが絶妙なヒールで合わせて3点目を挙げると、80分にもポンテ、永井とつないだボールを最後は山田がトラップからシュートと、まるで教科書どおりのような得点で新潟にトドメを刺した。
守ってはGK都築、DF闘莉王を中心とした堅守で、新潟に付け入る隙を与えず。終了間際にはペナルティエリア手前のFKから、アンデルソン・リマにゴールを脅かされたものの、都築の好守で得点だけは許さなかった。
今季、大事な試合で勝ち切れない試合が続いていた浦和だが、最終戦を文句なしの内容と結果で締め括り、他会場の結果を待つことに。しかし、季節外れの桜は咲かず、新潟スタジアムでも予定通りホーム新潟の今季最終戦を飾るセレモニーが滞りなく行なわれることに。「赤」に歓喜の瞬間は訪れず、「青」が初のJ戴冠を果たすことになった。
浦和・ブッフバルト監督は「最初から最後まで集中して戦えた。シーズンの締め括りにふさわしい試合だった」と最終戦を評価。だが、シーズン全体を通してみれば「勝ち点を取るべきところで取れず…」と表情を曇らせた。勝負どころで勝ち切れない今季の浦和の戦いぶりを振り返れば、その言葉がピッタリと当てはまるのかもしれない。
以上
2005.12.03 Reported by 栗原正夫
J’s GOALニュース
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