12月23日(金・祝)Jユースサハラカップ2005 決勝トーナメント準決勝
神戸 1 - 1(PK 3 - 1)横浜FM (11:00/長居2/507人)
得点者:'24 辻智人(神戸)、'68 柳明基(横浜FM)
清水 6 - 2 G大阪 (14:02/長居2/592人)
得点者:'26 長沢駿(清水)、'32 石垣勝矢(清水)、'35 長沢駿(清水)、'51 安田理大(G大阪)、'57 町田朋弥(清水)、'81 長沢駿(清水)、'85 岡本英也(G大阪)、'89 長沢駿(清水)
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勝利を追い求めて戦う。その執念の強さが、技術や戦術を超えて勝敗を決めることがある。チームスポーツの面白さと難しさ、90分1本勝負で戦う厳しさを感じさせる2試合となった。
23日、Jユースサハラカップ2005準決勝の2試合が長居第2陸上競技場で行われた。前日の積雪が嘘のようにこの日はすっきりと冬晴れ。気温は5度前後をさまよい寒さは厳しいが、日差しは暖かい。記録上は中風とのことだが、プレースキックのボールがセットしても動き出すほどの風がふいた。
第一試合は神戸対横浜FM。持ち味の異なったチームの対戦となった。神戸は高さのある柳川雅樹と、173センチと小柄ながらスピードを持ちプレーと同時に精神的にもチームを牽引してきた増田清一のセンターバック2枚を中心にここまでゲームを進めてきた。
一方の横浜FMは、GK秋元陽太とFWハーフナーマイクという代表選手を抱え、彼等を最大の武器として戦う。秋元のキックからのカウンターは得点源としても計算できるし、194センチのハーフナーの高さは横浜FM・高橋監督が「負けてはいけないと言っている」というように、このチームの象徴でもある。右サイドバックの奈良輪雄太を起点とするサイド攻撃、中央・富井英司のキープからの崩しなど攻撃のバリエーションもある。夏のクラブユース選手権は準優勝。高円宮杯は、G大阪、広島、那覇西とグループリーグで戦い苦杯をなめた。決勝でG大阪を下しその雪辱を果たすためにも勝利が欲しい。
しかし、ゲームは始まってみると、横浜FMの前線が機能しない。増田、梁川の神戸2枚看板にハーフナーと斉藤が完全に押さえられてしまう。そして、先制点は神戸。24分、中央をくずしU-15日本代表候補でもある辻智人が右足で決める。その後試合はこう着状態が続く。
横浜は前半35分には1枚目の交代のカードを切るなど早め早めの選手交代を行い、その2枚目の交代が当たり、富井に代わって入った柳明基が前線でリズムを作りはじめる。同点となった68分のPKも、右サイドから中央でハーフナーが落としたボールをエリア内でキープした柳へのチャージから。これを柳が落ち着いて決め同点とする。柳投入以降は横浜FMのペース。中央から果敢に崩しゴールを狙う。神戸の決定機は試合終了間際に2度訪れた程度。必死に守り耐え抜いた。
90分を終えると即PK戦なのだが、「キーパーがあたっていたので」と余裕の神戸・木山隆之監督。分析も的中かつ、GK土井康平が3本連続でシュートを止めてみせた。一方横浜FMは「うちは分析とかしていないし。(流れもあったので)延長があればなという感じ」(横浜FM・高橋監督)と、ここで両チームの明暗が分かれた。ボールへの執念、勝利への気迫の上回った神戸が勝利を手に入れ、99年以来6年ぶり2度目の決勝進出を果たした。
第2試合は清水対G大阪。6名ものトップ昇格者を抱えながらここまで今季無冠のG大阪。準々決勝でこの大会一番の山場と思われた広島との一戦を制し、ここから先は一気にいきたいところ。選手の個の能力の高さは他を圧倒する。一方の清水は既に山本真希をトップチームへ送り出しており、今大会メンバーからトップ昇格内定者はおらず。それでもこの決勝トーナメント、仙台相手に9−0と横綱相撲を見せたり、F東京相手に粘り強さを発揮したりと波にのってやってきた。
試合は、始まってみれば清水のワンマンショー。「僅差の試合となるだろう」と予想していた清水選手たちも「想定外」の6−2。この日4得点の長沢駿は決勝トーナメント合計7得点で得点王に躍り出た。
G大阪の選手たちの試合開始前の精神状態はこうだった。「1点とればラクになる」そのニュアンスは、裏返せば1点さえとれば勝利は手に入る、いささか上段にたった発想があったように思う。しかし、その想いが裏目に出る。安田理大、晃大兄弟のつとめる両サイド、そして倉田秋までが前がかりになる。
「スペースをつけ」という清水・行徳浩二監督のシンプルな指示通り、清水の攻撃陣たちは簡単にスペースをついてくる。清水の1点目は26分、サイドが完全にウラをとられた形から。右サイドからのクロスに189センチの長沢駿に合わせられてしまい、見事なヘディングにやられる。その後もさらに前へ前へと、修正のきかなくなったG大阪は前半のうちにPKを含めて合計3点を失う。
後半の立ち上がりからはようやくペースをつかみ、開始6分で中央倉田から右サイドで受けた安田理がそのまま運んで右足シュート。反撃ののろしをあげたかに思われたが、その6分後清水に4点目を決められると傾いた流れが変わることはなかった。「今季2点以上とられたことがなかったから・・・」と2点目をとられた時点での精神状態を横谷繁は振り返った。そして、個の能力が高く、普段であれば個人で打開できたと判断した選手たちのプレーが裏目に出る。「焦ってしまって俺が俺がとなってしまった。もっと周りを使うとか、使われるとか考えないと・・・」と横谷は続けた。
「広島に勝って少し気が緩んだ部分があったのではないか」清水キャプテン・石垣勝矢はそう対戦相手を振り返った。最後まで攻撃の手を緩めることのなかった清水は89分にも得点し、計6得点。「でも2点とられましたけど・・・」と行徳監督は、清水のセールスポイントである堅守に対し厳しい評価を下しながらも、決勝進出にほおを緩めた。
勝負はなかなか予想通りにはいかないもの。実力だけではない、見えない力がそこには働く。神戸対清水の決勝戦を大会前、誰が予想しえただろうか。決勝は25日、長居スタジアムで行われる。
以上
2005.12.24 Reported by 了戒美子
J’s GOALニュース
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