発売直後からサポーターはもちろん、サッカー関係者にもブームを巻き起こしているJ.LEAGUE Winning Eleven 9 Asia Championshipはもうプレーされただろうか?日本国内のみならず海外の現役プロ選手にも根強いファンを持つこのゲームだが、各方面から強い支持を受けているのは、開発者がサッカーをこよなく愛しているからに他ならない。今回は開発に携わった高塚親吾氏、小太刀崇氏、藤代裕治氏に開発のコンセプトや遊び方についてお話を伺った。
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編集部:現実のサッカーとゲームを融合させようと思った、そもそものきっかけというのは?
高 塚:それほど重たく考えていなくて、プレステが出たことでポリゴンと言って3Dで表現できるようになりました。そこで、リアルなサッカーができるのではと単純に考えただけです。長い目で見て考えたわけではなかったのですが、10年も続くとは思っていませんでした。
編集部:初期のものから比べれば、10年分の進歩があると。
高 塚:昔は単純なものでいいと思っていた。いまは完成度を高めようとするたびに、本物のサッカーとのギャップを感じているというジレンマがあります。
編集部:本物に近づけていこうとすると、操作面でも難しくなる。
高 塚:ここ2〜3年はそういう点で取っつきが悪いかなということは感じていました。だから、今は「ゲームである」という原点に帰ってやっています。それまではリアルにすることしか考えていませんでしたね。
編集部:楽しむためのサッカーゲームとしての原点に帰るという事ですね。
高 塚:現実のサッカーの難しさもある程度表現しながら、それなりに思った通りに画面の選手が動いてくれるという事ですね。もちろん、キャラクターの動きはモーションキャプチャで本物の人間の動きを取り込むのですが、それをイメージ通りに動くようにドーピングというか、加工するわけですね。それをやらないとゲームじゃない。すごくリアルさを追求しようとしてキャプチャしても、それをそのままゲームに流し込むと遅くて見てられなくなるものです。
編集部:それがリアルなものとゲームとを融合する難しさという事ですね。
高 塚:そこを吹っ切った。完全なリアルなものは無理だから、ある程度ゲームと割り切る方向で考えは変わってきていますね。
編集部:こだわって作られたこのゲームですが、セールスポイントとしてどういうものがあるのでしょうか?
高 塚:まずは遊びやすさ。そして自分が応援しているチームのいろいろな部分をリアルに再現しているところですね。攻撃のスタイルとか、ディフェンスの方法とか、そういうものはかなりリアルに再現できています。
編集部:AI(人工知能)が操作するオフザボールの動きにもこだわりがあると聞きましたが…。
高 塚:今までのサッカーゲームは、そこがおざなりだったのですが、実際にはそこがかなり重要です。もちろん、いたちごっこの部分はあって、攻撃で裏を取る方向で進化させると、ディフェンスの方もマークの受け渡しをしっかりする方向での進化が必要になってくる。ただ、今まではディフェンスは賢ければいいというリアル指向でやってきたのですが、結局サッカーというのは現実の得点シーンでもかなりミスから失点がある。だから、ミスはあえて作るというか、プログラムがまだまだ発展途上にあるので、ミスが偶然出てきたりするんですよ。今まではそれをつぶす方向で来ていたのですが、あえて残すのもアリかなと。個性付けというかいろいろな部分が絡んでいますけどね。
編集部:AIについてのこだわりは?
高 塚:うちの主義としては、AIはディフェンス面をできるだけサポートするけれど、攻撃の創造性は削ぎたくないというものがある。操作ミスでの失点はあるのですが、たとえば対戦プレーをしていて、点をもらった方もあまり嬉しくないようなゴールはこっちがサポートしてできるだけ排除するようにしています。
編集部:オフサイドを取る場面もありますが、あれはディフェンスラインを押し上げた結果として取れているのですか?
小太刀:チーム戦術でオフサイドをかけるチームとかけないチームと設定できます。デフォルトで決まっていて、上げやすいチームと引いているチームと違いますし、自分で発動するオフサイドトラップと、チーム戦術で押し上げるオフサイドトラップがあります。
藤 代:実際のチームのラインが上がっているとオフサイドがかかりやすい。
編集部:その分、裏を抜かれやすくなると。
小太刀:メリットとデメリットがあるわけです。
編集部:入社前はユーザーだったというお二人(藤代氏・小太刀氏)は、そうしたゲームの進化は感じられていますか?
藤 代:私はモーションを担当していますが、ユーザーとして一番最初にやった3F(ワールドサッカー実況ウイニングイレブン3ファイナル)のアニメはかなりプログラムの問題に縛られていてリアルではないゲーム的な動きだった。ところが、今は実際のプログラムがよくなって、本当の動きに近くなってきています。かつ、昔のゲーム的なレスポンス(反応の良さ)ができるようになってきた。リアルな動きもありつつ、昔のレスポンスが出ていますね。自分がユーザーの時もそうでしたが、発売のスパン(周期)が割と短くてあまり変化が分からない。でも一回やって前のバージョンに戻ると、もう前のをやれないくらいには進化しています。
編集部:小太刀さんはいかがですか?
小太刀:私はキーパー系のAIとモーションを担当しています。動きの種類が増えているというのは単純にありますし、モーションの形もリアルになっています。
編集部:モーションでいうと、セービングのグラフィックスはかっこよくできていました。
小太刀:あれは変わってきていますね。毎作毎作変えるようにしています。止めるのはもちろんですが、やられ具合も格好良くないとダメです。
高 塚:最初のウイイレからキーパーはインチキしないというのがウリでした。でも、現役のGKも本物のキーパーよりは取り過ぎると言っていましたし、今必死にチューニングしているところです。彼(小太刀さん)はキーパーなのでキーパーのAIとかかなり任せていますが、これからどんどんリアルになっていくと思います。
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※第二回『感情移入できるリアルさ。遊び方も人それぞれ』はこちら
※第三回『開発者たちのディテールへのこだわり。選手・クラブ・Jリーグへの「愛」が詰まったウイイレを要チェック!』はこちら
J’s GOALニュース
一覧へ【スペシャルインタビュー】J.LEAGUE Winning Eleven 9 Asia Championshipに迫る(1/3) 〜リアルなサッカーとゲームとの融合(06.01.06)













