●第85回天皇杯決勝
2006年1月1日(祝)14:00キックオフ/国立
浦和 vs 清水
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「自分たちの力を証明したい」と、この天皇杯では言い続けてきた長谷川監督。20戦無敗のC大阪を破ったことで、その思いはある程度は果たせたが、ここで満足するつもりは毛頭ない。2001年度の天皇杯に優勝して以来、4年ぶりのタイトルを清水に持ち帰るという強い気持ちでチームはひとつになり、明日の決勝に向けて熱い闘志をたぎらせている。
また今年は、浦和に1分3敗と大きな借りがある。特に、7月下旬(第18節)から8月前半(ナビスコカップ準々決勝)にかけての3連戦で、1点も取れずに(3試合とも0-1で)敗れたことは、今シーズンの中でもっとも悔しい思いをした出来事のひとつだ。そのリベンジを果たすという意味でも、決勝は絶好の相手と言える。
その3試合は、いずれも守りを固めた浦和から点を取ることができず、逆に長谷部や闘莉王による飛び道具の一発をくらって敗れるという同じパターンのゲームだった。いわば、この天皇杯で清水が勝ってきたパターンの逆をやられていたわけだ。したがって、今度はぜひ同じ悔しさを浦和に味あわせたいところ。
清水のFW陣にケガ人が多いこともあって、攻撃力という点では、総合的に浦和に分があることは認めざるをえないが、逆に守備陣は絶好調。天皇杯では4回戦から4試合連続無失点を続けており、C大阪の西澤、森島、古橋というやっかいな攻撃陣も完封して自信を深めている。両サイドバックの森岡と山西は、ベテランらしい落ち着いたプレーで、1対1でもカバーリングでも安定感を見せ、センターバックの高木和と青山は試合ごとにコンビネーションを高めて、スピードのある相手にも空中戦にも強さを発揮している。単純にクロスを放り込まれたぐらいでは、やられる不安はほとんどなく、19歳の青山も「無失点のまま終れるように頑張りたいし、自信もあります」と力強く語る。
それに対して浦和のほうは、DFの要である闘莉王やネネを欠き、19歳の細貝を加えた急増3バック。準決勝・大宮戦でも2-1のリードから後半終了間際に追いつかれており、守備の安定感という意味では、清水が上回る。したがって、準々決勝、準決勝と同じく、0-0のまま我慢比べの戦いに持ちこめれば、時間が経つごとに清水が優位になっていくはずだ。
そうした試合展開に持ちこむためには、まずしっかりと抑えなければいけない選手がいる。それは、ナビスコカップの対戦で2ゴールを決め、つい最近日本代表候補に初選出されて、準決勝でも2ゴールを決めている長谷部誠だ。もちろん、清水としては相手に合わせて戦い方を変えることはないため、「チーム全体で(長谷部を)止める」(長谷川監督)という形になる。彼がタイミング良く前に上がってきたときに、しっかりと誰かがつかまえてフリーでボールを持たせないことが重要になるだろう。
一方、清水の攻撃陣に関しては、マルキーニョスが右膝のケガですでに帰国しており、久保山も準決勝で右太ももを痛めて出場が難しい状況。そのため、C大阪戦で決勝ゴールを決めたチョ・ジェジンのパートナーは、新人の岡崎慎司が務めることになりそうだ。この岡崎は、準決勝でも延長戦から出場して活きの良いプレーを見せており、サテライトでもしっかりと結果を出しているため、長谷川監督も起用に迷いはない。岡崎、枝村、青山と、センターラインに19歳トリオが並ぶというのも、世代交代が進んでいる清水を象徴するような布陣と言える。
ポストプレーを得意とするチョと、その周りを精力的に動き回る岡崎という組み合わせは、けっして相性も悪くない。2列目のチェ・テウクも調子を上げてきており、スーパーサブの平松もいるため、チャンスはかならず何本か作れるはず。それをしっかりと決められるかどうかが、勝負を大きく左右することになりそうだ。
また、接戦で大きなウェイトを占めるセットプレーに関しては、以前なら浦和が有利だっただろうが、今はむしろ清水の方が優位に立っていると言えるだろう。チョ、森岡、高木和、青山と高さのある選手が揃い、兵働というキッカーもいる。セットプレーで清水が先制して、有利な展開に持ちこむという形も、勝ちパターンとしては十分に考えられる。
清水は、天皇杯ではこれまで3度決勝に進出しており、優勝1回(2001)、準優勝2回(1998、2000)。Jリーグとなって初めて決勝に進む浦和よりも、長谷川監督自身も含めて経験で上回る。「自然体で決勝戦を楽しんでほしい」と語る長谷川監督だが、その胸の内には、Jの監督としての初タイトル獲得に向けて、十分な勝算が秘められているはずだ。
以上
2005.12.31 Reported by 前島芳雄
J’s GOALニュース
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