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【第84回全国高校サッカー選手権大会 1回戦(三ツ沢球技場) レポート】話題のストライカー森島を擁する滝川第二が順当勝ち。中京大中京はPKにもつれる熱戦を制す(05.12.31)

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第84回全国高校サッカー選手権大会 1回戦

常葉学園橘(静岡) 0-2 滝川第二(兵庫)(12:10キックオフ/三ツ沢/9,000人)
得点者:20分 柴垣勇輝(滝川第二)、47分 森島康仁(滝川第二)

中京大中京(愛知) 1-1(PK 5-4) 松山工(愛媛)(14:10キックオフ/三ツ沢/5,000人)
得点者:38分 瀧岡亮太(松山工)、70分 中田智久
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話題のストライカー森島を擁する滝川第二が順当勝ち。中京大中京はPKにもつれる熱戦を制す。

常葉学園橘(静岡)と滝川第二(兵庫)の対戦が第一試合に組み込まれた三ツ沢球技場。1回戦で注目度が高い対戦に、開場前から入場ゲートには長い行列ができた(観客数9000人)。また、U-18代表チームのコーチングスタッフ、Jリーグの監督やスカウトの姿も数多く見かけることが出来た。

5年連続13回目出場の滝川第二に対して、常葉学園橘は初出場。しかし、激戦区・静岡の代表チームはどこが出てきてもレベルは高い。磐田で監督経験のある長澤監督が率いるチームは、ポゼッション能力が高く、Jリーグのユースチームのように個人能力の高さを十分に活かしてくることが予想された。ただ、初出場のプレッシャーがどう作用するのかという点だけが不安だった。しかし、過緊張が見られたのは、インターハイや高円宮杯に出場し、全国経験豊富な滝川第二。特に前半の立ち上がり10分間は、前線に起点を作ることが出来ずに、ボールを奪ってもパスを2〜3本通す前に奪われることが多かった。対して、常葉学園橘はポゼッション能力、ワンタッチパス、シャドーの動き、前に行く意識などレベルの高いサッカーを見せつけた。しかし、これらの素晴らしいプレーはフィニッシュの一歩手前までだった。シュートミス、経験の不足が理由なのか、フィニッシュの精度はそこまでのパスワークに正比例しなかった。逆の視点から見れば、GK清水を中心とした滝川第二の守備陣の頑張りということが言えた。また、リズムが作れないなか、サイドハーフの金崎がワンタッチでボールをはたいて、徐々にリズムを取り戻すきっかけを作った点も評価していいだろう。

滝川第二はポゼッションでは、常葉学園橘に及ばなかったが、最後の最後では跳ね返す「我慢のサッカー」が今年のスタイル。しかし、ただ守るだけではない、相手がラインを上げて攻めてくれば来るほど、守から攻への切り替えの瞬間は滝川第二のチャンスになる。前半の20分のゴール(柴垣)は幸運もあったが、後半7分の追加点はその典型。松本が金崎に出したスールパスから、逆サイドの森島がゴールを決めるまでの速さが最大の武器だ。ボールキープ率を出せば、常葉学園橘が上回っているはずだが、2−0と滝川第二は結果で上回った。難敵、常葉学園橘に勝った滝川第二は2回戦からは不必要な緊張の無い状態で波に乗っていくことが期待される。また、C大阪に入団が決まったU-18日本代表の森島のシュート力、ポストプレー、周囲との連携も見所になる。この日の森島のゴールは右足だったが、「右利きでけど、得意な足は左」という「右利きのレフティ」の活躍にも注目だ。

三ツ沢球技場の第2試合は滝川第二の森島と同じくU-18日本代表FWの伊藤をはじめ、多くのタレントを擁する中京大中京(愛知)とインターハイベスト8の松山工業(愛媛)の対戦。この試合も前評判が高かったが、お互いにリズムが作れず、なかなかフィニッシュの場面に持っていくことが出来なかった。ペナルティエリアを除いた部分で攻守が入れ替わる時間が長かった。しかし、0−0で後半に入るのかと思われた38分に松山工業が右サイドからの攻撃を得点に繋げる。岡田からのパスを受けた黒河(将)がドリブルで右サイドに切り込み、精確なクロスを入れた。そして、中央に入り込んできた瀧岡が見事なジャンプヘッドを決める。「嫌な時間に先制点を取られた」という中京大中京の道家監督は、後半はシステム変更(4−2−3−1から4−4−2)し、交代のカードでも先手を取ってきた。そして、徐々にサイドを使った攻撃が機能し始めるが、逆にサイドを使われるシーンもあり、なかなかパワープレーに持っていくことが出来ない。しかし、松山工業が逃げ切るとかと思われた後半30分、クロスのこぼれ球をキャプテンの中田がワンタッチシュートでゴールに繋げた。そして、絶対の自信を持つPK戦ではGK鈴木が6人目のキックを止めて2回戦進出を決めた。2回戦は共にU-18日本代表FWを擁する滝川第二(森島)と中京大中京(伊藤)の対戦となり、日の丸を背負ったFWが両チームのディフェンス陣とどのような攻防を見せてくれるのかが楽しみになる。

以上

2005.12.31 Reported by 松尾潤
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