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【第85回天皇杯決勝:浦和 vs 清水 浦和レポート】見せつけた「決定力の差」。2点を死守した浦和が、25年ぶりに天皇杯のタイトルを奪取(06.01.01)

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●第85回天皇杯決勝
1月1日(日)14:03キックオフ/国立/51,536人
浦和 2-1 清水
得点者:39' 堀之内聖(浦和)、73' マリッチ(浦和)、76' 市川大祐(清水)
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待ちに待った瞬間がついに訪れた。試合終了の笛が鳴った時、どんよりとした曇り空に覆われた2006年元日の東京・国立競技場が大歓声に包まれた。山田暢久、長谷部誠ら赤いユニフォームに身を包んだ選手たちが次々とガッツポーズ。ベンチに陣取っていたブッフバルト監督も喜びを爆発させる。真っ赤に染まった浦和ゴール裏からは惜しみない拍手と声援が送られた。2005シーズン開幕前からタイトルを熱望していた浦和レッズがとうとう天皇杯のタイトルを獲得。25年ぶりの王者に輝くとともに、2007年のAFCチャンピオンズリーグ出場権を手に入れた。

2006年ワールドカップ・イヤーの幕開けを飾る第85回天皇杯決勝・浦和対清水が、14時から5万1536人の大観衆を集めて行われた。キックオフ時の気温が5.6度と厳しい寒さに見舞われたが、熱狂的レッズ・サポーターらを中心にスタジアムは試合前から大いに盛り上がった。
2004シーズンにJ年間王者を逃し、今季こそタイトル獲得に燃えていた浦和。しかしシーズン中にエメルソンがチームを去り、田中達也の長期離脱などもあり、勝ちきれなかった。Jリーグは2位に終わり、ナビスコカップも準決勝敗退。残るタイトルはこの天皇杯だけ。それだけに、ブッフバルト監督や選手たちがこの大会に賭ける意欲には凄まじいものがあった。
この日はボランチ・鈴木啓太が累積警告で出場停止。代わって酒井友之が先発でピッチに立った。それ以外は準決勝・大宮アルディージャ戦と全く同じ。基本布陣も3-4-2-1だ。対する清水も前回と同じ4-4-2。負傷したFW久保山由清に代わってルーキー岡崎慎司が先発。イレブンの中に岡崎、枝村匠馬、青山直晃と19歳が3人も含まれたフレッシュなメンバーだ。

浦和がボールをキープし清水が堅守からのカウンターを狙う展開が予想された試合だったが、蓋を開けてみると序盤は意外なほど清水が積極的に前へ出た。左のチェ・テウクや岡崎が果敢にゴールを狙うなど、浦和は相手の勢いに脅かされた。何となくモヤモヤした流れを変えようと、右の岡野雅行、左の三都主アレサンドロの両アウトサイドが持ち前の速さでえぐろうとするが、清水はそれぞれを2人で挟んでマーク。体を張った組織的な守備で応戦する。2列目の山田、ポンテも思うようにボールを持てず、頼みの長谷部も前線に飛び出せない時間帯が続いた。
清水に流れが行きかけた前半39分、浦和はここぞという決定力で先制点をもぎとる。始まりはポンテの右CKだった。これにフリーで堀之内が飛び込むが、1回目のシュートは勢いがなく相手守備陣にはじかれた。が、浦和の攻撃には粘り強さがあった。これを拾った三都主が左サイドに流れた山田にパス。山田は相手を引きつけ、再び三都主へ。次の瞬間クロスが上がり、堀之内が2度目のヘッドでゴールを奪ったのだ。「いい時間帯の点だったし、チームにとっても大きかった」と本人も手ごたえを感じる一発だった。

主導権を握りながら劣勢を強いられた清水は後半に入るや否や、怒涛の反撃を仕掛けてきた。前半は浦和守備陣に抑えられていた右MF兵働昭弘が徐々にリズムを作り始め、攻撃の形も生まれた。13分には兵働のスルーパスに反応したチョ・ジェジンがうまくゴール前に入り込んでシュートを放つなど、あと一歩で同点に追いつきそうな勢いだった。
これを断ち切るため、ブッフバルト監督はいち早く策を講じる。後半20分に岡野と若い赤星貴文を交代。山田を本来の右サイドに回し、赤星を2列目に置いたのだ。これで兵働の自由なプレーを封じ、さらに赤星が高いキープ力でボールを落ち着かせるのに成功。この8分後、浦和はついにダメ押し点を奪った。
中盤でボールを持った長谷部から右サイドに開いたポンテへ。ポンテは赤星とのワンツーで完全に相手DFを振り切り、ボールを中央へ折り返す。そこに走りこんだのがマリッチ。これが浦和でのラストゲームとなるクロアチア人FWは、絶妙のタイミングでゴール前へ飛び出して右足ダイレクトでシュートを決めた。「この1点で勝ったと思った」と酒井も話した、流れるような美しい得点シーンにスタジアムの多くを占める浦和サポーターは沸き返った。

清水の長谷川健太監督はこのゴール直前に枝村と森岡隆三を下げて平松康平と市川大祐を起用していたが、実にタイミングの悪い選手交代になってしまった。その市川が31分にセットプレーから1点を返すも、平松が39分に不用意な2枚目の警告を受けて退場。清水は、完全に攻め手を失ってしまう。交代1つがこれほど勝負の明暗を分けてしまうとは…。指揮官1年目の長谷川監督と2年目のブッフバルト監督の「経験の差」がここで出てしまったのかもしれない。
清水は終盤に北嶋秀朗を入れてパワープレーを試みたが、浦和守備陣は高い集中力ではね返し続ける。1点を守りきろうとする彼らの高い意思統一は見事だった。赤星やポンテ、長谷部らのキープ力の高さも光った。清水がどんなプレスをかけても絶対にボールを失わない安心感が、彼らからは見て取れた。3分間のロスタイムも危なげなく過ぎ、最終的に浦和が2-1で清水を下した。

90分間を通してみると清水にリズムを奪われた時間帯もあったが、チームとしての多彩な攻撃パターン、運動量、個人技術、そして決定力の高さではやはり浦和が上回った。今季ラストタイトルを得るべくして得たといっても過言ではないだろう。細貝や赤星ら若いタレントたちも台頭。来季への明るい材料もいくつか得られたファイナルだった。浦和はこの先、どこまで成長し続けるのか。それが、ますます楽しみになってきた。


以上

2006.01.01 Reported by 元川悦子
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