3月21日（火） 2006 J2リーグ戦 第4節
愛媛 2 - 1 札幌　（14:03／愛媛陸／4,214人）
得点者：'9 星野真悟（愛媛）、'73 森脇良太（愛媛）、'78 石井謙伍（札幌）
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アウェイの連戦から、およそ2週間ぶりにホームに帰ってきた愛媛。開幕戦での記念すべき初勝利の後、1点に泣いた2連敗はJの厳しさを肌で感じるとともに、愛媛のサッカーがJでも通用することに自信が持てた内容でもあった。
その自信を確信に変えるためにもホームで結果が欲しかった愛媛は、前節負傷したMF石丸のポジションに、開幕から左サイドバックに入っていた井上をボランチに上げた。その左サイドには八柄を初スタメンで起用。JFLで慣れ親しんだ布陣に戻して札幌を迎えた。一方の札幌は、前節に途中出場で攻撃の起点を作った西谷が今季初先発。ともに前節からメンバーを入れ替えて臨んだゲームだったが、立ち上りから攻撃のリズムを掴んだのは愛媛。
ここまでの3試合のように、シンプルに札幌ディフェンスの裏を突くロングボールで揺さぶりをかけると、いきなり愛媛にビッグチャンスが訪れた。今季愛媛の攻撃の起点となっている右サイドで、森脇から菅沼とつないで上げたクロスは札幌・DF曽田がかろうじてクリア。このコーナーキックで得たチャンスに、ファーサイドにいた菅沼が折り返した低い弾道のクロスをゴール前でこぼれ球をDF星野が押し込んで先制。
開始9分という早い時間での失点だっただけに、札幌としては落ち着いてボールを回したかったところだが、この日の札幌は動きが重く、パスも繋がらずになかなか愛媛のディフェンスを崩すことができない。33分に札幌が得た前半唯一のチャンスも、中山のシュートはゴールライン上で星野にクリアされた。「ポゼッション率を高めて、背後を使いたかった」という望月監督のプラン通り、前半は愛媛が試合の主導権を握って進めた。

後半に入るとディフェンスラインが下がりはじめ守備的になった愛媛に対して、札幌が攻撃のチャンスをうかがう。柳下監督は15分に関に代えて藤田、25分にはボランチの鈴木に代えて砂川を投入。望月監督も田村、猿田と同じく攻撃的な選手を投入して追加点を狙う。次の1点を奪いにいった両チームだったが、追加点をあげたのは愛媛。「しっかり守ってカウンターというチャンスがあった」という望月監督の狙い通り、濱岡から田中と中盤で素早く展開すると、森脇が右サイドを強引に突破。28分、勝利を引き寄せる貴重な追加点をあげた。
しかし、ここから札幌の猛反撃が始まる。「そこまで体を張って守っていたのに、あの場面はみんながボールを見て、フリーにしてしまった」と森脇が振り返った後半33分の失点は、ロングスローからのリスタート。ずっと集中していた愛媛のディフェンスが一瞬の隙を見せた場面に、ゴール前の混戦から最後に押し込んだのは途中交代の石井。札幌はこのゴールを反撃のきっかけにしたかったものの、続く砂川のオーバーヘッドはGK羽田がファインセーブ。ロスタイムまで続いた札幌の波状攻撃も最後まで愛媛の守備陣が体を張って守りきり、愛媛がホームで見事2連勝を飾った。

今日の勝利は、また愛媛の今後に期待を抱かせるものとなった。右サイドの森脇、菅沼を始めボランチに入った井上らは、気持ちを前面に押し出し、体を張ったディフェンスで札幌の攻撃を封じた。さらに八柄の起用で濱岡との左サイドが機能したことで、右に偏りかけていたチームのバランスも良くなった。このことで、これまで縦に放り込むことが多かった攻撃も、中盤で横にボールが動くようになって望月監督の意図するグループでのボールの動かし方もできるようになった。
一方最後までピリッとせず、攻守にチグハグだった札幌。スタメンを外れ、途中出場で気を吐いた砂川の気持ちを次節のホームゲーム（3/25）に繋ぐことができるか。今節初勝利を飾って調子を上げている横浜FCを室蘭に迎えての次節も厳しい戦いになりそうだ。


以上

2006.03.21 Reported by 近藤義博