3月25日（土）J1 第5節 千葉 vs 鹿島（19:00KICK OFF/フクアリ）
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　前節は、リーグ戦3連勝で無失点の清水に2−1と競り勝ち、ようやくリーグ戦初勝利を獲得して1勝2分け1敗の千葉。好調時に比べればまだ攻守にミスはあったが、FWハースの戦列復帰もあって3−5−2システムに戻したのも奏功したようだ。2得点はMF阿部勇樹のPKと、清水のミスを逃さなかったMF羽生直剛のゴール。しかし、19分の右ウイングバックのMF坂本將貴から左ウイングバックのMF山岸智へのサイドチェンジのパスや、65分の坂本のクロスはゴール前に飛び込んだハースやFW巻誠一郎よりもさらにファーサイドに走りこんだ山岸がヘディングシュートなど、思い切りのよい大きな展開や積極果敢な攻め上がりといった、本来の千葉らしい攻撃も見られ、改善傾向にある。

「開幕戦（大宮戦）で負けたうえに、ホームゲーム2試合は対戦相手がＪ1昇格の甲府とＪ1復帰の福岡だったので、『負けられない』という意識があって難しい試合だった。それで消極的になったところがあったが、清水は調子がいいということで、勝ちたいという気持ちをより強く持ってプレーできた。鹿島は清水と同じ4−4−2システムでも、日本代表選手が多くいて違うところがあるが、清水戦の反省を生かして臨みたい」（坂本將貴）
「これまでは対戦相手を尊重するという気持ちの部分にも問題があったし、失点を気にして消極的になり、リスクを冒すダイナミックなプレーができていなかった。鹿島は強豪だし、うちよりも上位にいる。チャレンジャー精神で試合ができると思う」（羽生直剛）

　DF斎藤大輔が「この1勝がメンタル面に与える影響は大きい」と話したように、千葉の選手は失いかけた自信と運動量を取り戻しつつある。悪い流れは断ち切れたはずだ。

　千葉は23日にはスタメン組が鹿島対策の練習を念入りに行なった。主に、2トップのFW柳沢敦とFWアレックス　ミネイロ、2列目のMF小笠原満男とMF本山雅志が頻繁にポジションチェンジしながらDFの背後を狙う攻撃に対してのボールの奪い方、鹿島のプレスをかわしてディフェンスラインでボールを回しながら行なうビルドアップだった。

　対する鹿島は2勝1分け1敗。GK曽ヶ端隼、DF名良橋晃、MFフェルナンドが負傷欠場中だが、GK小澤英明、DF内田篤人、MF増田誓志が奮闘している。特に高卒ルーキーの内田篤は前節の甲府戦で1得点1アシストと、攻撃でも活躍して勝利（3−1で、アレックス ミネイロが2得点）に貢献。怖いもの知らずのプレーは千葉にとっても脅威となりそうだ。セットプレーを含め、どこからでも点が取れるのは鹿島の強みだろう。

　選手個々の技術が高い鹿島が相手では、なおさら一瞬の隙が命取りになる。千葉は攻守両面でいかに集中力を切らさず、チーム全体で連動したプレーができるかがポイントだ。千葉はリーグ戦の通算対戦成績が9勝1分け22敗（昨シーズンは1分け1敗）と、鹿島には相性が悪い。しかし、ここできっちりと勝てないようではリーグ制覇など望めない。千葉がフクダ電子アリーナでは不敗であることを知った鹿島のDF岩政大樹は「その記録は鹿島戦で止まる」と言ったが、千葉が鹿島を返り討ちにして連勝することを期待したい。

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2006.03.24 Reported by 赤沼圭子