3月25日（土）J1 第5節 大宮 vs 清水（15:00KICK OFF/駒場）
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ここまでの3試合、大宮の先発メンバーは毎試合、小さなサプライズを伴った。
まず第1節、準備の過程であまり試して来なかったボランチ・冨田という選択をした。その週の紅白戦で試していたという布石があるとは言え、「出来が悪くても気にしないように」と三浦監督が本人に告げたというから大筋からいけば予想外だったといえよう。結果、熟成されたオシム・サッカーに4-2と勝利を収めたにもかかわらず、第2節・福岡戦では前線を変更。初戦、小林大と2トップを組んだマルティネスを1トップに据えた。ただ、この日はこの布陣が功を奏したとは言えず、J1復帰後初ホーム見参となる福岡の圧倒的なプレッシャーに押され1-1のドロー。
続く第3節・新潟戦。DFを開幕戦と同様の布陣に戻し、ボランチにも攻撃的な小林慶と守備的な純マーカスを置き、役割をハッキリさせた。また前線には今季これまでベンチ入りすらなかった若林を起用。カウンター主体の新潟相手に、守りつつも得点を狙うべくポストプレーヤーを置く形をとった。ただ、この試合は新潟の徹底したカウンター、そしてエジミウソンの個の力にやられて1-2で今季初黒星を喫している。
たった3試合をとってみても、選手層が厚くなったが故の悩み、そして新加入選手が多いための試行錯誤が見て取れる。

さて、今季4試合目となる第5節。先週の新潟と同じくチームカラーをオレンジとする清水を迎える。今節の後から始まる5試合（ナビスコカップを含む）、大宮はG大阪、鹿島、磐田、横浜FMと強豪・古豪との対決が続く。前節、初黒星を喫してはいるものの、今季まとまった戦いぶりを見せる清水をまずは叩いて一気に連戦を勝ち上がりたいところだ。

清水戦もメンバー的にはサプライズの多い試合となりそうだ。清水のカウンターは早いタイミングでチョ ジェジンへロングボールを放りこむため、セカンドボールをいかに拾い、攻撃に繋げるかが勝負の鍵になる。そこで今節ボランチには1対1に強さを発揮する2人、片岡と純マーカスを並べることになりそうだ。
片岡は昨年8月以来リーグ戦での先発はなく、12月の天皇杯2試合で先発しているもののセンターバックでの起用。今回のボランチでの起用に関しては「センターバックで入っても頭の15分は堅くはなると思う。僕にとっては少ないチャンスをつかんで行くことが大事」と気を引き締めた。
また、FWは前節に続いて若林を起用。ただ、今回は1トップになり、ここまで3戦連続先発のマルティネスはベンチスタートとなりそうだ。前節で見せた競り合いの強さ、高さに三浦監督が合格点を与えた結果といえる。「（オフの移籍で）いい選手が入ったので、いいクロスが入ってくる。FWとしては点を決めたい」とこちらも気合い十分だ。

清水は前線に既に3得点を挙げているチョ ジェジン、個人技での打開が可能なマルキーニョスという強力な2枚が揃う。まずはチョ ジェジンに当て、そこから一気に畳み掛ける。さらに、今季加入の藤本が確実なセットプレーを見せる。
前節の敗戦も「ミスからの2失点。崩された形はほぼない。崩すことは難しそうだ」という印象を受けたと三浦監督は言う。ベテラン・伊東、すでに中堅の域に入った市川、それに兵働、高木和、枝村、青山、杉山といった若手も揃い、タレント豊富な清水。ここまでの戦いを見る限り、今季は躍進を予感させる清水だが、大宮としてはその術中にはまるわけにはいかない。

今週の大宮は、第4節（3/21）がG大阪のAFCチャンピオンズリーグのために3/29（水）に行われる関係で、他チームと違って1週間の準備期間を持てた。前節は敗れているだけに、この準備期間は大きなアドバンテージとなるだろう。この間の試行錯誤が吉と出ることを願いたい。


以上

2006.03.24 Reported by 了戒美子