3月25日（土）J1 第5節 甲府 vs 福岡（18:00KICK OFF/小瀬）
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第4節でJ1の強豪クラブ・鹿島に1-3で敗れた甲府だが、悲観する必要はない。この敗戦を右肩上がりの成長に繋げることが出来ればいいからだ。しかし、一緒にJ1に上がり、現在3分1敗の福岡からは勝点3をしっかりと奪っておきたい。昨シーズン、J2での4回目（第43節）の対戦では0-5という屈辱的な敗戦を喫したイメージが強烈だが、この借りもきっちりと返したい一戦だ。

現在の福岡はJ1での勝利がないばかりか、負傷者が続出して台所事情は厳しい。しかし、ここまでの4試合のスコアを見れば僅差で勝利を逃がしていることは明らか。第4節の名古屋戦は初めての敗戦となったが、決勝点は福岡にとって納得の行かないPKだった。つまり、守備の堅さは昨年同様ということだ。選手にはJ1でやっていける気持ちはあるだろうが、それが明確な自信となっていない。自信を掴み取るには勝利を重ねていくほかにはないのだが、勝利がない状態が長くなれば選手が疑心暗鬼になるだけに、甲府から勝点3を挙げて自信のベースに変えたい。
主力に負傷者が続出しているが、サブメンバーのレベルが下がるわけではない。それだけに、甲府に大勝した昨シーズンの43節のように、チャンスをもらったサブメンバーが活躍することも期待できる。

開幕から4試合で勝点が4の甲府。勝点のペースとしては少し物足りないが、現在上位にいるチームとの対戦が多かっただけに焦る必要はない。ただ、現在下位にいる福岡から勝点3をもぎ取らなければ、徐々に苦しくなってしまう。川崎F戦（第3節）の勝利で掴んだ自信を確実なもの作り上げるためにも、勝点3はどうしても欲しい。しかし、ここに来て甲府にも負傷者が増えてきている。
福岡戦には藤田、宇留野、杉山、アライールが出場することは難しいかもしれない。ギリギリのところで戦っているだけに、負傷者が出ることは避けることが出来ない。問題は、代わって出場する選手がどれだけ戦うことが出来るかという点だ。昨シーズンからの積み重ねである、サブメンバーの成長が試される一戦になりそうだ。
対福岡という意味では、0-5で大敗したイメージを払拭できるかという点も焦点になる。この敗戦で甲府が学んだことは、「受身に回ればもろい」ということだ。守備も攻撃も前への意識を持って戦うのが甲府。大木監督は「（パスをするコースに）迷ったら前」とトレーニングで選手に指示を出すほど。甲府のサッカーは選手が競争して成長して、熟成されていく。圧倒的な戦力を持つチームのようには戦うことは出来ない。少しの差で相手を上回り、勝点を積み重ねていきながら成長していくしかない。
福岡戦でチャンスを与えられるであろう松田、大西が積極的なプレーを見せてくるかどうか注目となる。また、攻撃ではバレーに頼るしかない現状となっているが、長谷川のJ1初ゴールに期待したい。プレーに対して迷いがあるように見える長谷川だが、どう乗り越えてゴールに繋げていくのか興味がある。

J1は開幕したばかりで、中位グループの勝ち点差は広がっていない。しかし、ここから徐々に差は広がっていく。甲府にとって日本のビッグクラブから勝点3を挙げることは容易ではないが、それ以外のチームからは勝点を積み重ねないと苦しくなっていく。福岡戦では、相手に合わせるのではなく、甲府の質の高いサッカーを発揮し続けて勝点3と自信を積み重ねていきたい。


以上

2006.03.24 Reported by 松尾潤