3月25日(土) 2006 J1リーグ戦 第5節
甲府 1 - 1 福岡 (18:05/小瀬/8,604人)
得点者:'17 バレー(甲府)、'63 中村北斗(福岡)
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「勘違いをされると困るが、(J1は)面白いなということ」J1での5試合を終えての感想を聞かれた大木監督の答えの冒頭部分である。J1残留という小さくて大きな目標を除けば失うものがない甲府にとって、クラブ史上初めてのJ1での戦いは探検、チャレンジという言葉がよく似合う。選手も試合毎の反省点で悩んだり、悔しがったりということはあっても、J1での挑戦を面白いと感じているし、チームが更によくなる手応えを感じている。
福岡との対戦でも前節・鹿島戦での修正課題であった立ち上がりを改善して試合に入ることが出来た甲府。3トップの右サイドに入った大西、左サイドバックに入った松田というニューフェイスも遜色ないプレーを立ち上がりから見せた。そして、ワンタッチパスを繋ぐ攻撃は17分にバレーの先制ゴールに繋がる。松田が長谷川に繋ぎ、そこから正確なセンタリングがバレーに入ったゴールだった。その後も、甲府の時間が続くのだがパスは足元で繋ぐばかりでポゼッションが出来ている割には決定機を作る場面は多くなかった。会見で大木監督が「(ハーフタイムに)もう少しスペースを狙った方がいいと話した」と言うように、流動的にスペースを作る・使うというプレーがなければ、ブロックを作って守るチームのバイタルエリアを攻略することは難しい。そのなかで石原は運動量を活かして甲府のやるべきサッカーを具現化しようとしていた。攻守に渡って惜しみなくハードワークが出来、ケガをしない石原は開幕戦こそ途中出場だったが、甲府にとって非常に重要な選手であることをプレーで証明している。
前半、ロングパスを有効に使えず、35分のアレックスのシュート以外は殆ど見せ場のなかった福岡。後半はスタートから長身FW林と経験豊富な工藤をピッチに立たせた。林を入れた狙いはサイドからのボールに対して中央でチャンスを作ることだが、一定の仕事は出来た。そして、徐々に福岡の特徴であるロングボールを使った攻撃に怖さが出てくる。そして、63分には左サイドから作ったチャンスに、右サイドの中村がオーバーラップ。甲府は長谷川が下がってマークしていたものの振り切られて、同点ゴールが中村の右足から生まれた。追加点を挙げることができない甲府を遂に福岡が捕まえた。このことで甲府はリスクを冒してでも攻撃をするしかなく、福岡のロングボールが更に怖さを増すことができる状況になった。
堀井、山崎、鶴見とフレッシュな選手を投入して2点目を取りに行く甲府。パワープレーで終了間際に決定的なシュートチャンスを何度か掴むものの、ゴールネットを揺らすことができない。同時にカウンターからチャンスを作る福岡も、逆転のチャンスはあったが甲府の必死の守備に跳ね返されてゴールには繋がらない。結局1−1の引き分けとなったJ1昇格チーム対決。甲府は勝ち点2を失った印象が強い引き分け。福岡は何とか勝ち点1をもぎ取った引き分けということになるだろう。ただ、中位から下位まで勝ち点差が均衡しているため、両チーム共に落胆する必要はない。特に甲府は、サブメンバーがレギュラーと遜色ないプレーを見せているだけに徐々に結果が付いてくるという期待を持つことが出来る。また、サブメンバーにチャンスがあるという状況で、チーム全体のモチベーションを高い状態を保つことも出来る。決定力という点ではバレーは5試合で3ゴールと結果を出しているが、長谷川に未だゴールがない点が少し心配だ。ただ、守備では秋本が信頼できるセンターバックに成長している点は大きな収穫。守備は確実にレベルアップしている。
開幕から120%で戦い続けてきた甲府にケガ人や体調不良の選手が出てくることは仕方がないが、昨年からの積み重ねであるサブメンバーの成長がチームを支えている。一方、福岡もケガ人が多くて苦しい台所だが、負けないという点はある程度評価してもいいのではないだろうか。ただ、「ケガ人が戻ってくれば」という期待だけでは少し苦しい。これから連戦が続くが、そこを乗り切るポイントはサブメンバーのレベルということになりそうだ。
以上
2006.03.26 Reported by 松尾潤
J’s GOALニュース
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