3月26日(日) 2006 J2リーグ戦 第5節
鳥栖 2 - 1 草津 (14:04/鳥栖/4,865人)
得点者:'8 新居辰基(鳥栖)、'30 高田保則(草津)、'69 新居辰基(鳥栖)
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試合の流れを左右するプレーは、90分間のうちに幾度となく訪れる。そこを生かすかどうかが勝利のターニングポイントとなる。試合の中で選手一人がボールを触っている時間は非常に短い。ほとんどの時間は、ボールが来ると思うところで準備する時間に費やされる。わずか数回のタッチプレーの中で、攻守を切り替え、チャンスを作り、得点を生み出す。そこに観客を魅了し、サポータが驚喜する美技が存在する。
その機会に数多く恵まれるポジションの一つにボランチがある。文字通り「舵取り」であり、ゲームを作っていく重要なポジションである。今節の鳥栖対草津では、残念ながらそのポジションでの役割があまり機能せず、自分たちが狙うサッカーが行えなかった。
ボールが納まるところに納まると、練習どおりの展開が行える。鳥栖は尹晶煥からのパスであり、草津は島田からの展開がそれにあたる。が、この試合では、その2人になかなかボールが入らない。狙った形にならないと、なかなかフィニッシュまで結びつかない。そういう時は、1つのミスから得点が生まれるものである。
先制点は、草津の中盤のパスミスから生まれた。前半8分、ボールを拾った鳥栖DF高地が、強引に左サイドから仕掛けていく。草津DFはそのドリブルを止めるべく寄っていったのだが、中央で新居が全くのノーマークになってしまった。高地から折り返されたボールを豪快に蹴り込んで、鳥栖は今季初の先取点を奪った。
これで鳥栖が勢いに乗るかと思われたが、前半のシュートはこれ1本だけで、草津の息の根を止めることはできなかった。ボールは奪っても尹でボールが納まることが少なかったからである。
逆に草津が鳥栖のミスにつけ込む。30分、鳥栖FWのトラップミスからのボールを、佐田が右サイドでフリーになっていた高田に送り、高田は冷静にGKの位置を見極め右足で同点弾を蹴り込んだ。鳥栖はボールを奪われた瞬間に高田へのチェックが甘くなり、DFラインは中途半端な押し上げとなっていた。
取り返した草津が流れを掴んでもおかしくないのだが、前半の決定的なチャンスはこの1本だけであり、FW高田はこの日唯一のシュートだった。これも島田にボールが入ることが少なかったことに起因する。
後半に入り、最初のチャンスは鳥栖に訪れる。この日精力的に動いていたFW新居が、引いた位置でボールを受けダイレクトで濱田に叩く。受けた濱田はドリブルで仕掛けて高橋につなぐ。高橋はペナルティエリア内で反転してシュート体勢に入ったところで反則を受けてPKを得た。これを決めていれば鳥栖に流れが来たところだが、尹が外して好機を掴みきれない。
その尹が69分に左サイドに入った蒲原にパスを送り、蒲原は得意のドリブルで仕掛けラストパスを濱田に送る。濱田がゴールに向いた瞬間に倒されて、この日2本目のPKを得る。このチャンスを新居が決めて鳥栖が勝ち越した。
終わってみれば、鳥栖の後半の決定機はこのPK2本だった。逆に草津は枠を捉えたシュートが3本ほどあったが、生かしきれなかった。
鳥栖は、開幕から1分3敗で今節を迎えた。開幕戦こそ札幌相手に好試合を演じたが、得点が取れず苦戦を強いられている。草津も開幕戦で神戸に完勝したが、それ以降得点を奪えず同様に下位に甘んじている。その両チームが、相手のミスを起因として得点を得たことで、今までの悪い流れを断ち切ることができるかもしれない。
しかし、今後の勢いを掴むためには、キーポイントになる選手にボールを集め、狙った形で得点をあげることがいちばんの良薬である。練習どおりの試合展開を行わないと開花宣言はできてもお花見はできない。両チームともまだ蕾(つぼみ)が多い。
サッカーの春は、鳥栖も草津もまだ先のようである。
以上
2006.03.26 Reported by サカクラ ゲン
J’s GOALニュース
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