4月5日（水）J2 第7節 徳島 vs 湘南（19:00KICK OFF/鳴門）
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徳島は前節、Jリーグでは初となる愛媛との『四国ダービー』を戦った。しかしその結果は、終了間際の失点が命取りとなり0-1で敗戦。第5節で強敵神戸に3-0と快勝し、自信と勢いをつけて臨んだはずであったのだが…。

その『四国ダービー』を振り返り、徳島が勝利を逃した要因を探れば、それは両チーム選手のその一戦の捉え方にあった気がしてならない。愛媛の選手たちが明らかにダービーマッチという特別な試合として位置付け、Jリーグ1年目のフレッシュで熱い気持ちをもって挑んでいたのに対し、徳島の選手たちはリーグの1試合として冷静に臨んでいたように感じられた。もちろん、捉え方こそ違えど勝利を望む気持ちはどちらも同じだけ強かっただろうが。しかしながら結果的には、その捉え方の違いこそがプレーに表れ勝敗を決したように思われる。
事実、愛媛の闘志みなぎるプレーに徳島は苦しみ、自分たちのサッカーをほとんどさせてもらえなかった。中盤のパスワークは早いチェックに寸断され、前線にボールがわたっても激しいチェックでことごとくチャンスの芽を潰されていた。

『四国ダービー』は、勝利への意欲を前面に押し出したプレーが勝利を呼び込む大きな条件であることを明確に示した一戦であったと言えよう。そこで、徳島は今節を迎えるにあたり、Jリーグ1年目の昨季に持ち続けた『チャレンジ精神』を取り戻す必要がある。今一度それを蘇らせ、ピッチ上でプレーとして体現しなければならない。そうすればきっと徳島らしいサッカーもまた展開できるはずだ。
幸い、開幕直後に不安視された守備陣はその後安定感を見せている。攻撃陣も4節・5節の2戦連発で連勝の立役者となったFW小林をはじめ、個々のコンディションは悪くない。だからこそ、あとはその『チャレンジ精神』さえ取り戻せば、チームはさらなる充実を得て今節の勝利にも近づくに違いない。

対して湘南は、安定した戦いをし切れていないのが現状と言えよう。開幕からの2戦を強豪の柏、東京V相手に1勝1分けと上々の出来で乗り切りながら、その後は試合によってチームの出来不出来がハッキリしている。第4節の仙台戦で両サイドを機能させて見事な勝利を飾ったかと思えば、前節ではしっかりと守備を固めた鳥栖の術中にはまり敗戦。上田監督も「今の力の差が出たのだと思う。我々の戦い方が今日はできなかった」と苦悩を隠さないコメントを残した。
とは言え、能力の高い選手たちが揃うチームであることに疑いの余地はない。しかも今季はブラジルから3人の新戦力も獲得し、彼らが周囲とフィットし始めればチーム力は一気に高まる可能性も持っている。その秘めたチーム力を現実に引き出せるかどうか、それが今節のポイントとなるであろう。

開幕からあっという間に今節で第7節を迎え、そろそろ各チームに勝点のバラつきが見えてきた。両チームとも、ここで踏みとどまらなければズルズルと下位グループを形成することにもなりかねない。
となれば、連敗など許されない。どちらも狙うは勝点3のみ。それを巡る激しい戦いとなるのは必至だ。


以上

2006.04.04 Reported by 松下英樹