5月6日(土)J1 第12節 広島 vs 福岡(17:00KICK OFF/広島ビ)
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-J1グランプリ第2ターン最終節!-締め切り間近!-
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11試合目、カップ戦を入れれば今季公式戦14試合目にして、ようやく広島は勝利を手にした。しかしそれは、J2時代から積み上げてきた小野前監督のサッカーを、一度リセットしてしまうという荒療治によるものだった。
「前からボールを奪いにいく守備」を否定し、自陣に相手を呼び込むストーリーを選んだ。パスを足下に出してつなぐサッカーは許されず、同サイドの前にあるスペースにロングキックを蹴りこむことを選手たちは求められた。
確かに、シンプルでありノーリスク。モダンでもなくダイナミズムにも欠けるサッカーではある。しかし、広島・望月一頼監督は、有無を言わさない。選手たちの頭の中にあった「理論」を一度すべて取り去り、相手の攻撃を全員で、身体を張って跳ね返す。ただそれだけを集中実践し、崩れた広島の守備を立て直すことだけを考えたのだろう。「これしか、やりようがないのか」等の声には一切耳を課さず、ただ愚直に自分の信念を貫き通す強さ。それが、望月監督にはある。
実際、結果も出つつある。前体制では一度も先制点を奪えなかったチームが、望月監督になって以降、リーグ戦で3試合連続先制。その3試合で勝ち点4はそれまでの9試合での勝ち点3より多く、1試合平均1.0と失点も減った(それまでは平均2.6失点)。「あれだけ引いていれば」という意見もあるだろうが、どんな陣形をとろうともそれを実践する選手たちに迷いがあり、身体を張ったプレーができなければ、やはり失点してしまうものだ。
「面白くないサッカーかもしれない。でも今は、勝つためにこのサッカーをやる」
リーグ戦3試合連続得点中のエース・佐藤寿人の言葉が、選手たちの決意を表現している。理想を一度封印し、望月監督が提示したコンセプトを実行することに選手全員が徹したからこそ、大宮戦の勝利につながったのだ。
ただ、明日の福岡戦ではまた、広島に試練が訪れる。驚異的なキープ力を活かし、前線の起点となっていたウェズレイが出場停止なのだ。彼は守備面でも大きな貢献を見せていただけに、広島にとっては痛手である。
望月監督はこの3試合、ウェズレイ・佐藤寿・上野優作の3人を前線に使った。このうち、上野については運動量を活かした守備と高さ対応を期待し、得点はウェズレイと佐藤寿の「個としての強さ」にかけていた。その攻撃のための重要なピースがいない。これにより、広島の攻撃に鋭さがなくなってしまう可能性は十分にある。
望月監督は、ここでどういう起用を考えるか。攻撃のことを考えれば、カップ戦を合わせて5得点2アシストを記録している森崎浩司の起用が妥当だろう。彼ならばキープ力もあるし、スルーパスを出すことも受けることもできる。そして、正確なシュート力は誰もが認めるところだ。
しかし、全てを守備から積み上げる望月監督の思考からすれば、森崎浩の先発起用は考えにくい。それにもし福岡に先制された場合、点をとりにいくための切り札として、彼は使いたいはずだ。したがって、横浜FM戦で活躍した高柳一誠をボランチで起用し、トップ下にベットを投入する布陣が有力だろう。
一方、3年ぶりに広島に乗り込んでくる福岡も苦しい状況にある。特に、ここまでチームを下支えしてきた守備に陰りが見えてきているのが気がかりだ。中盤の軸であるホベルトの出場停止も痛い。前節はミスが重なって失点し自滅しただけに、それを引きずってしまうと泥沼に引きずり込まれる可能性もある。
ただ、福岡は実は、松田浩監督をはじめ選手・スタッフに広島出身者が数多い。当然、広島に対しては強い気持ちを持っているだろうし、その気持ちがモチベーションとなれば、今までの悪い状況を払拭する試合を見せる可能性もある。特に広島のような引き気味の相手に対しては、福岡が得意といるサイド攻撃は有効だ。
ちなみに過去の対戦成績は、J2時代を含めて8勝8敗と全くの五分。もっとも最近の対戦となった2003年のJ2での闘いでは、広島が2連勝した後に福岡が2連勝するなど、常に拮抗した激しい闘いを見せつけた。そして今年、因縁浅からぬ両チームの闘いは、どう展開するのか。第1ラウンド開始のホイッスルは、明日17時、広島ビッグアーチで鳴り響く。
以上
2006.05.05 Reported by 中野 和也
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