5月21日（日） 2006 ヤマザキナビスコカップ
千葉 1 - 0 清水　（15:00／フクアリ／12,298人）
得点者：'80 山岸智（千葉）
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●オシム監督（千葉）：

「まず、ナビスコカップの予選の中で一番真剣な試合になったと思います。清水は勝たなければならなかった試合です。うちは負けなければよかった試合です。そういうなかで、前半うちは点を取られてはならないという意味で、少し慌てた部分もありますし、逆に清水のほうも攻めて点を取らなければならないという意味で、逆にそういう気持ちが強すぎてうまくいかなかった部分もあったと思います。そして、後半になって、ずっと0−0の状態が続いて、清水は点を取らなければならないということで、いちかばちかのプレーをしてすごく前がかりになってきました。うちは点を取られなければよかったんですけど、そういう相手に対してしっかり攻めて、相手が前がかりになった時に逆にうちが点を取ったという、それは一番いい流れで、そのような形で試合が終わりました。

ただ、それだけではなくて、実際にうちは勝ちましたが、普段のレギュラーの選手2人（巻、阿部）がいないだけで、やはり落ち着いたプレーができない。まだ、それが現実ですし、うちはまだ成熟したチームではないということです。そういうことも周りの人に見てもらえたと思います」

Q：予選で3連勝した後、アウェイで清水に敗れ、新潟に引き分けて、なんとなく嫌な感じもあったと思うんですが、試合前、選手に何かアドバイスをしたのですか？

「うちは去年、ナビスコカップで優勝しましたが、優勝していなくてもおかしくなかったと思います。そのような状態で、今年の予選のグループ4チームは実力がほとんど均衡していて、別にこのグループでうちが有利だとはまったく思っていません。ですから清水戦で負けて、新潟戦で引き分けても、だからといってチームがうまくいってないとは言えないです。逆に、うちは予選リーグで3連勝しましたが、3連敗してもおかしくないです。特に、阿部がいなかったり、巻がいなかったり、時にはマリオ（・ハース）が怪我をしていていない時もありました。そういうことを考えれば、そんなに不思議なことではありません」

Q：点を取られなければいい試合ということでしたが、そういう試合が一番コントロールが難しいと思われますが、その点で特に指示をしたことは？

「確かに、引き分けでいいというような試合は難しいです。特に、うちは完全なDFという選手が2人しかピッチにいませんでした。（斎藤）大輔と水本です。イリアン（・ストヤノフ）は完全なDFではありませんから。そういう意味では、引き分けで終わらせる、守り切る選手はいません。相手はもちろん勝つために点を取りにくるわけですから、そういう意味では守りに入る意識はまったくありませんし、逆に1点リードしてから、うちはあれだけ引いて守ってしまったので、全てのセンタリングやゴール前に入ったボールが危険だったわけです。そういう意味では、うちはうちができることをやりました。実際に皆さんには見てもらったと思いますが、うちのDFの大輔が何度相手のゴール前まで攻め込んで、シュートを打つシチュエーションがあったでしょうか。水本も同じです。何度あったでしょうか。これがうちのやり方であって、たとえば完全に1点を守り切るために、守るためのサッカーをするとかそういうことは、うちにとってはまだ次のステップです」

Q：1点を取ったあとに選手を2人代えましたが、交代の意図は？

「目的はチーム全体を新鮮にするためです。うちが1点リードして、清水はなおさらいちかばちか、失うものは何もなく攻めてくるわけで、そういうものに対応するためです。実際のところ、ベンチに下げた2人の選手（中島、要田）はもう体力的に疲れていましたから、それで交代させました。ボールがつながらずに、ボールを蹴った時に観客席に蹴ってしまったような選手がいました。それほど疲れているということですから、そういう選手は交代せざるを得ません。（最後に席を立った時に、拍手されて）拍手は代表チームにしてください」

以上