6月2日(金)J2 第19節 水戸 vs 横浜FC(19:00KICK OFF/笠松)
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-スターティングメンバーは、試合開始約2時間前に各試合のスコアボード「試合詳細」に掲載されます-
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第6節(4/1)、三ツ沢で行われた前回の対戦(2-0で横浜FCが勝利)は両チームにとって大きなターニングポイントとなった試合であった。
水戸は開幕3戦負けなしという好スタートを切り、そして、この試合前に行われた神戸、柏という降格組との試合では連敗を喫したものの、内容的には互角以上の試合を見せ、選手たちはたしかな手応えを感じつつあった中で迎えた試合であった。そんな意気揚々で臨んだ試合だったが、「内容的に何もできなかった」(水戸・時崎)という完敗を喫したことのショックは大きく、その後6戦でわずか1勝とチームの勢いが完全にそがれた一戦となってしまった。それだけに「借りを返したい」と時崎は強い口調で今回の横浜FC戦への意気込みを口にした。
対照的に横浜FCにとってはチーム好調のきっかけとなった試合だ。「あの試合からうまくいきはじめたんですよね」と中島。その試合の前に2連勝を飾った横浜FCだったが内容的には決して満足のいくものではなく、まだ勝利の確信を選手たちはつかめない様子だった。だが、第6節の試合では「ボールの回し方などみんなの意思がかみ合ってきている」と城がチームの成長を語ったように完璧な内容で水戸を圧倒。特にそれまでコンビネーションに難があったアウグストが完全にフィットし、高度な技術を駆使して攻撃の核として君臨。『組織』と『個』の融合という結実を見せた試合であった。その後の横浜FCの好調ぶりはここで説明はいらないだろう。ただ、そのきっかけをつくったのが、前回のこのカードだったのは間違いない。
さて、今節。15試合負けなしという好調・横浜FCを迎える水戸。前節は山形に0-3の完敗を喫しており、チーム状況は良くない。だが、「今日の練習は引き締まっていた」と時崎が言うように、水曜日の練習での紅白戦は緊張感溢れる内容であった。常にコーチングの声が激しく飛び交い、また、ゲームが止まるたびに選手同士で話し合う姿が見られるなど意識の高さが感じられるもので、昨季までの水戸担当でこの練習を見ていたある記者が「選手の意識が高くなったなぁ」と感心したほどだった。時崎は周囲を見回しながら「(前々節)湘南に勝って、前節の山形戦までふわっとした空気があった。でも、山形戦で各々が感じたものがあったんだと思う。この状況を自分たちで打開することができないと、もう1つ上の順位での戦いはできない。このままだと今までと同じ。自分たちで殻を破らないといけない」と悲壮感に満ちた表情で話した。前回の対戦で横浜FCが「殻」を破ったように今回の対戦で水戸が「殻」を破ることができるか。
だが、現実的に考えて16試合でわずか3失点という横浜FCの守備を水戸がこじあけるのは難しいだろう。ただでさえ、水戸は「守備のチーム」(前田監督)。攻撃の形の少なさが大きな課題である。紅白戦では山形戦とは異なったシステムを試すなど試行錯誤を繰り返しており、いかに横浜FCの鉄壁の守備を崩すかに前田監督も頭を悩ましている状況だ。
そうした状況だけに前田監督はこの試合は「我慢比べになる」と予想する。「横浜FCは守備が安定しており、攻めるとカウンターでやられる。いかに辛抱強く耐えられるか」。お互いに守高攻低のチームの対戦。驚異的な失点の少なさを誇り、2位につける横浜FCだが、16試合で16得点というリーグワースト3位と攻撃力は貧弱。前節も退場者を出した愛媛を相手に攻めあぐねたように、粘り強い水戸の守備にも苦しむはずだ。今節は1点を争う試合となることが予想されるだけにいかに隙をつくらず、そして少ない隙を突いていけるかが勝負を分けることとなる。「我慢比べ」ではベテランが多く、老練なサッカーを繰り広げる横浜FCに一日の長があるが、若い水戸としては辛抱しながらもここ一番での思い切りの良さで勝りたいところだ。
横浜FCはこの試合で連続無失点試合記録(7試合)の更新がかかっており、さらに16分間無失点を続ければJリーグ無失点時間記録(731分)の更新となる。しかし、水戸は第12節で同様に連続無失点7試合のタイ記録に並ぼうとしていた仙台からゴールを奪い、阻止した過去を持つ。横浜FCにも、そう簡単に記録は更新させないことだろう。
今季の水戸は『上位チームに強い』という特徴があり、相手は2位の横浜FCといえども、決して腰の引けた戦いはしないだろう。「技量では勝てない」(前田監督)だけに、前々節の湘南戦のように一人一人が運動量で勝り、出足や球際で勝利することで一泡吹かせられるはず。世間ではもうすぐはじまるワールドカップの話題で持ちきりだが、無敗の続く横浜FCを相手に笠松で波乱を起こせば、日本サッカー界の注目を集めることができるだろう。サプライズの予感は小さくない。
以上
2006.06.01 Reported by 佐藤拓也
J’s GOALニュース
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