6月2日（金）J2 第19節 草津 vs 東京Ｖ（19:00KICK OFF/群馬陸）
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前節、最下位に転落しチーム状態が下降線をたどる草津と、連敗をストップしたものの本調子とは言えない東京V。最近の5試合では共に1勝4敗と負けが先行し、正念場を迎えている両クラブの対戦となる。最下位に停滞するわけにはいかない草津に対して、昇格争いに踏みとどまりたい東京V。置かれた立場は違えども、両者とも負けられない試合となる。

前回の対戦（4/15・国立）では、平本がハットトリックを決め、東京Vが草津を3-2で下した。草津は最終的に競り負けたものの、太田の2得点で一時逆転するなど見せ場は作った。中盤できっちりとパスをつなぐサッカーを展開する東京Vは、前線からのプレスで勝負する草津とってはどちらかというと戦いやすい相手。前回の2ゴールが示すように決して相性は悪くない。
草津が万全の状態であれば再び好ゲームが期待できるところだが、今節は高田、山崎、吉本の主力3人が警告累積で同時に出場停止。豊富な選手を抱える東京Vと違い、選手層の薄い草津にとっては厳しい戦いを強いられることは間違いなさそうだ。特にFWは太田、佐藤の2人だけで、攻撃陣のコマ不足は否めない。さらに、太田は足首の負傷を抱えるだけに90分間プレーできるかは微妙な状態だ。日ごろから控え選手の伸び悩みに頭を抱える植木監督は「先発メンバーはなんとか組めるが、控えメンバーをどうするか。現状では、試合の中で次の『手』が打てない。そうなる前に試合を決めなくてはならない」と嘆く。
ただ、控え組にとってはチャンスでもある。先発が予想されるFW佐藤は「毎試合、ゴールチャンスはあるので、なんとか決めたい。新しく出た選手が活躍すればチームの活性につながる」と話す。また、ベンチ入りが確実なMF里見は「自分にとってはチャンス。出場したら、ゴールに絡む動きを見せてアピールしたい」と意欲を見せる。草津は開幕以来、先発メンバーはほぼ固定。裏を返せば、レギュラーを脅かす選手が出ていないということになる。レギュラー奪取を狙う控え組にとっては、今節は非常に重要なゲームになる。

前節、湘南を下し連敗を4で止めた東京Vだが、上位からこれ以上離されないためにも最下位・草津には負けられない。現在、東京Vの負け数は8。1位・柏（3）、2位・横浜FC（1）と比べると著しく多い。昨季、2位・福岡の負け数が8だったことを考えれば、下位チームからのこれ以上の黒星は昇格を狙う上で致命傷になりかねない。東京Vは、今節後に仙台（6/7・国立）、柏（6/10・柏）との連戦が控えるだけに、なんとしても勝っておきたいはず。
草津・植木監督は「ここ数試合、東京Vは勝負への執念を持った選手を使ってきているので、手強そうな気がする」と警戒を強める。東京Vがプライドを捨てて勝負に来たときが、いちばんの脅威となる。

前節、徳島との下位直接対決に敗れて最下位に落ちた草津。最下位という「現実」は、前節1試合の結果から導かれたものではなく、これまでの17試合を戦った結果だ。選手たちは、この現実を受け止め、最下位から脱出するためにどうするべきかを考えなくてならないだろう。現在の順位に過敏になる必要はないが、最下位というポジションはチームに様々な悪影響を及ぼしてくるだけに1日でも早く抜け出しておきたいところだ。


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2006.05.31 Reported by 伊藤寿学