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【J2:第21節 横浜FC vs 草津 レポート】横浜FCが菅野の好セーブと上位らしい『したたかさ』で勝利。負けた草津に見えた今後の可能性(06.06.10)

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6月10日(土) 2006 J2リーグ戦 第21節
横浜FC 1 - 0 草津 (14:05/三ツ沢/4,438人)
得点者:'39 アウグスト(横浜FC)
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昨季横浜FCに在籍した草津・高田はプレーをしながら、昨季にはなかった横浜FCの『強さ』を感じていたという。「横浜FCは精神的な部分が強かった。やられていながらも『大丈夫、大丈夫』という感じでやっていた。昨年、自分がいた時とは変わりましたね」。
この試合、序盤からペースを握ったのは草津。蒸し暑いピッチの上、草津よりも平均年齢が3歳近く高い横浜FCの動きが鈍い。そんな横浜FCに対して、草津がロングボールを多用して押し込んでいった。そして、前線から激しくプレッシャーをかけ、横浜FCの度重なるミスを誘発。10分には早川のパスミスから島田がシュート。18分にも吉野のパスミスからチャンスをつくった。「やってはいけないミス」(高木監督)が続いた横浜FCは攻撃を組み立てることができず、鈍い動きのまま草津の猛攻を浴びることとなった。
だが、そこで草津に立ちはだかったのが横浜FCの守護神・菅野だ。18試合でわずか5失点という『ハマナチオ』を支える22歳のGKが幾度となく鋭い反応を見せ、シュートをセーブ。29分には高田のループシュートを右手1本ではじき出し、そこで与えたCKではニアに走り込んだ吉本のヘッドを止め、さらにこぼれ球からクロスを上げられ、ファーサイドで中井にフリーでヘッドを打たれる。だが、これも体の正面でうまく止め、横浜FCの絶体絶命のチャンスを救った。この日、ミスが目立った早川も「今日は菅野に助けられた」と胸を撫で下ろした。
菅野に何度もシュートを防がれながらも、その後も草津が攻撃を仕掛けたが、「シュートなり、クロスなりをもっと正確にしないと」という植木監督の言葉が表すように攻撃の形をつくりながらもチャンスをつくれず。いい流れをゴールにつなげられない、じれったさが残る展開となった。そこが高田の言うところの『強い』横浜FCとの差であった。

それまでチャンスすらつくれなかった横浜FCだが、27分に得た中央からのFK。アウグストが左サイドの小林に出し、その折り返しを城が押し込んだ。これは城のファウルを取られゴールは認められなかったものの、少ないチャンスを確実にモノにする『したたかさ』という刃を垣間見せた瞬間であった。そして、それから12分後、切れ味鋭い刃が草津ゴールを襲った。左サイドでボールを受けたアウグストがそのまま中央にドリブル。巧みなステップで草津DF2人をかわして、つま先で蹴ったボールはゴール左隅に吸い込まれ、先制点となった。横浜FCが前半に放ったシュートはわずか2本。そのうち1本をゴールにつなげる『したたかさ』。流れが悪く、相手の守備を崩すことができなくてもゴールを割ることができる。これを『強さ』と言うのだろう。

後半に入っても横浜FCのギアは上がらず、依然としてミスを連発し、流れをつくれない。一方の草津も飛ばしすぎたせいもあり、前半ほどの勢いはなくなり、試合は膠着した展開へ。横浜FCとしては2点目を決めてラクな展開にし、消耗戦を避けたいところだったが、実現できず。草津も勝点を取るべく、最後まで攻める意識は見せたが、フィニッシュの精度が足りずに無得点。ともに消化不良のまま後半を終えることとなった。

試合を通して、いい流れを築いたのは草津。だが、勝利したのは劣勢ながらも1つのチャンスをモノにした横浜FCだった。横浜FCを長く見ている人の中には、この日の草津と昨季までの横浜FCの姿をダブらせた人も多いのではないだろうか。いいサッカーをしながらも結果を出せない日々。大宮や京都といった『勝負強い』チームに苦汁を飲まされた経験が思い返されたはずだ。城も「昨年だったら引き分けてたね」と語った。だが、こうした悪い流れでも勝点3を取ることができるようになったのが、今季の強さでもあり、2位につける所以でもある。決して今後に対して楽観視できる内容ではなかったが、水曜日の山形戦との連戦で勝点6を得たことは素直に喜んでいいだろう。「夏場を前に連勝できたのは大きい」と選手たちも口を揃えた。かつて見た『上位チーム』の風貌を横浜FCは着実に身につけつつある。
一方、内容で勝って、結果で負けた草津。「内容は良くなってきているんで、下を向かずやっていきたい」と高田が言うようにチームの進むべき道は間違っていない。3−5−2、4−4−2、4−3−3と目まぐるしく変わるシステムに選手たちはうまく対応もしてみせた。結果的には横浜FCの『したたかさ』に屈することとなったが、一つのきっかけさえつかめば大きく飛躍する可能性を見せた90分間であった。「草津は元気もあって、強かった」。横浜FC・吉野も試合後、疲れきった表情でそう語っている。

以上

2006.06.10 Reported by 佐藤拓也
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