6月10日(土) 2006 J2リーグ戦 第21節
札幌 4 - 2 徳島 (14:04/札幌ド/11,828人)
得点者:'4 オウンゴ−ル(札幌)、'25 羽地登志晃(徳島)、'31 羽地登志晃(徳島)、'60 フッキ(札幌)、'67 西谷正也(札幌)、'83 石井謙伍(札幌)
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札幌ドームに久し振りの歓喜が訪れた。「得点自体はラッキーな部分があった」と、札幌・柳下監督自身が話したように4得点のうちの2つは相手のオウンゴールとPKによるもの。4点目を決めた石井が「まだまだミスや甘い部分がある」と振り返るように、手放しで喜ぶわけにはいかないが、11試合ぶりの勝利ということでチーム全体がひとまずの安堵感を得たようである。
試合は徳島のペースで始まった。最終ラインからのビルドアップにより攻撃を組み立て、中盤の底に入った秋葉が落ち着いた身のこなしでボール保持者のフォローに走る。その質についてはひとまず置いておくとして、しっかりとパスをつないでサッカーをしようという意識が存分に見て取れた。守備についてもゲーム序盤こそ1本の縦パスから危険な場面を作られてしまうことも目立ったが、25分過ぎあたりからは落ち着きを見せ始める。開始4分にオウンゴールで失点し全体的に雰囲気も悪くなりかけたが、その後もラインを高く保てない札幌を翻弄。ストライカーの羽地がそのポテンシャルを力強く発揮して決めた2ゴールで、前半のうちにあっさりと逆転してしまった。
そのまま後半も徳島のペースで進むのでは…と感じさせた試合展開だったが、ここで札幌・柳下監督が動く。左MFの西谷を高い位置に上げ3トップに近い布陣にし、相手の両サイドバックがビルドアップに加わったところにフタをする。そして中盤をタイトなマンマークにすることで、徳島のパスワークを封じたのだ。もちろん、前半からアグレッシブに動いていた徳島イレブンに疲れが出てきたという要素もある。だが、今季初出場の守備的MF金子が「あのやり方がハマった」と振り返ったように、普段はオーソドックスな采配が多い柳下監督が見せたベンチワークで札幌が流れを引き寄せた。
相手のハンドで得たPKによる60分の同点ゴールは確かにラッキーなものだったが、西谷が右足のボレーで蹴り込んだ67分の逆転ゴールは、エースのフッキが起点となり、目立たぬながらも献身的なプレーで攻守に貢献していた砂川の丁寧なアシストから生まれたもの。流れを得ておきながらも、そこからなかなか押し切れない試合がいくつも目立っていた札幌にとっては、この得点に手応えを感じたはずである。83分には徳島が前がかりになったところをフッキのアシストから石井が決めてダメ押し。4-2のスコアでロスタイムに突入し、札幌サポーターがマフラーを広げながらタイムアップの笛を待つという光景を久し振りに見ることができた。多くのサポーターが勝利の美酒に酔ったことだろう。
ただし忘れてならないのは、札幌にとって大事なのは今後のリーグをどのように進めるのかという部分だということ。上を目指すのであれば、ここで気を緩めていてはいけない。この勝利はあくまでも流れを掴むためのきっかけであるとしっかり認識するべきである。とはいえ、ここまであまりムードが良くない日々を過ごしていたチームとそのサポーターである。ひとまずは喜び、安堵することが良い流れを生み出してくれるのかもしれない。
そして徳島についても言及したい。ぎこちない部分はもちろんあったが、丁寧にパスをつないで攻めようとするサッカースタイルは試合をとても面白くしてくれた。秋葉が「前半45分はよかったが、90分トータルに良いパフォーマンスができるようにしていかなければいけない」と課題を示したが、チームとしての積み重ねはしっかりと発揮できていたように思う。今後の成長にも十分に期待できるのではないだろうか。
リーグはまだまだ続く。徳島はこの日の敗戦も良い経験にして今後の強化につなげなければならないし、札幌もこの勝利を絶対に浮上のきっかけとしたいところだ。
以上
2006.06.10 Reported by 斉藤宏則
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