■日本代表 2006 FIFAワールドカップTM グループF
2006年6月18日15:00(日本時間 同日22:00)/ドイツ・ニュルンベルク
日本代表 vs クロアチア代表
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日本がオーストラリアに1−3の逆転負けを食らった翌日、クロアチアはブラジルに挑み0−1で敗れた。しかしその内容はほぼ互角。特に彼らの堅守は大いに光った。ブラジルが唯一、奪った得点もカカ(ACミラン)がペナルティエリアの外から放ったシュートによるもの。ロベルト・コバチ(ユベントス)率いる守備陣は、ロナウド(レアル・マドリード)やアドリアーノ(インテル)らブラジルの強力FW陣をゴール前でフリーにしなかったのだ。
3−5−2システムを基本布陣とするクロアチアだが、守備陣の安定感が欧州予選1位通過の最大の要因となった。キャプテンのニコ・コバチ(ヘルタ・ベルリン)も「今のクロアチアの守備陣にはシムニッチ(ヘルタ・ベルリン)、弟のロベルト、シミッチ(ACミラン)、トゥドール(シエナ)と素晴らしい選手がいる。2−2で引き分けたブルガリア戦なんかは2−0でリードした後半、ロベルトがベンチに下がった途端に追いつかれた。もし彼がそのままいれば失点なんかしなかったはずだ」と強調していた。実際、ブラジル戦でもR・コバチ、シミッチ、シムニッチの3バックとトゥドール、N・コバチの両ボランチからなるブロックは非常に強固だった。日本が単純な攻めでこのスペースを陥れようとしても、相手の餌食になってしまうだろう。
クロアチアの2つ目の特徴は決定力の高いFWが揃っていること。ブラジル戦では不発だったが、プルショ(レンジャーズ)とクラスニッチ(レバークーゼン)の組む2トップは所属クラブや過去のテストマッチで実績を残している。「僕らにはオリッチ(CSKAモスクワ)、バラバン(ブルージュ)を含めた4人のFWがいて、相手や戦い方によって組み合わせが変わる」とプルショも話していた。プルショが187cm、クラスニッチも186cmと高さも備えており、空中戦を苦手とする日本は脅威しなければならない。
そして、もう1つのポイントは両サイドだろう。右のスルナ(シャフタール)と左のバビッチ(レバークーゼン)はユーロ2004(ポルトガル)の後、クラニツァール監督が抜擢した選手。両者ともにスピードと運動量があり、積極果敢に前へ出る。プルショは「スルナとバビッチはサイドというよりFWに近い動きをする」とさえ言っていた。それだけに彼らをフリーにしたら大変なことになる。
つまりクロアチアは『後ろ』『前』『外』が強いチーム。中盤の創造性やボールキープ力で勝負に挑む日本とはまさに対照的なスタイルといえる。それだけに弱点もある。若きトップ下で指揮官の実子であるニコ・クラニツァールの存在がその1つといえる。
技術の高さとパスセンスは非凡だが、いかんせん国際経験が少なく、体の線が細い。それゆえ、強いマークを受けると簡単にボールを失ってしまうのだ。大会前の親善試合でもいいところがなく、国内メディアからも「なぜニコ(クラニツァール)にこだわるのか」との批判が高まった。それでも指揮官は彼にこだわり続けている。そこが日本にしてみれば1つの狙い目だ。彼にボールが入るたびに福西崇史(磐田)がしっかりと体を寄せに行けばボールは取れるはず。ここから速い攻めに転じれば、何らかの突破口は見出せそうだ。
2つ目の弱点としては上がりすぎる両サイドの裏が挙げられる。中央は強固なブロックを作っているクロアチアだが、スルナとバビッチの背後には大きなスペースができる。ここを加地亮(G大阪)と三都主アレサンドロ(浦和)が執拗に突くことが、硬い中央のスペースをこじ空けるポイントになる。
幸いにしてクロアチアはN・コバチ、R・コバチ、トゥドールの3人がブラジル戦でイエローカードをもらっている。右わき腹に違和感を訴え途中退場したN・コバチが日本戦に出たとしても、それほど激しく相手を削ったりはできないだろう。これは日本にとってプラス材料。外をえぐることで、何とか頑なな中央を打開するきっかけを作ってほしい。
クロアチアのもう1つの弱点は気の緩み。相手が世界的強豪ではないと本来の実力が出せないのだ。「僕らはアップダウンの激しいところがある。イタリアやフランスみたいな強豪相手だと高いモチベーションを持って試合に挑めるけど、相手が2002年日韓ワールドカップで当たったエクアドルやメキシコ、あるいはユーロ2004で当たったスイスのような国だと、自分たちをギリギリまで鼓舞するのが難しいんだ」とN・コバチも苦笑していたことがある。
つまり、ブラジル相手に好ゲームを演じたからといって、日本にも同じレベルのパフォーマンスを見せられるわけではない。クラニツァール監督も『日本には勝てる』と楽観視しており、チーム全体に楽勝ムードが蔓延しているようだ。ここが彼らの落とし穴。日本が諦めない姿勢を持ち続けれることがクロアチアを追い詰める原動力になるのだ。
しかも強烈な暑さという追い風もある。オーストラリア戦ではペース配分に失敗して終盤に足が止まった日本だが、もともとはクロアチアより暑さには強い。98年フランスワールドカップの第2戦で対峙したクロアチアも暑さで動けず、日本に大苦戦している。8年前のゲームを思い出させるような試合運びをすれば、日本は勝機を見出せるはずだ。
ブラジルに互角の戦いを演じ、親善試合ではアルゼンチンに勝てる力を持つクロアチア。総合力では日本より上だろうが、決して弱点がないチームではない。希望があることを忘れてはいけない。
以上
2006.06.15 Reported by 元川悦子
J’s GOALニュース
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