7月16日(日)J2 第28節 湘南 vs 山形(18:00KICK OFF/平塚)
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前回のホームゲーム、第25節の札幌戦で長いトンネルからようやく抜け出した湘南だが、その後のアウェイ2連戦では勝利を手にすることはできなかった。草津と引き分け、前節の水戸にはロスタイムに追いつくも直後にまさかの決勝弾を浴び、勝点を取り損ねたのである。
「これが現在のうちの力。謙虚に受け止めなければならない」試合後、菅野監督はこう語りつつ、口惜しさを顕わにした。日ごろから「うちはもっと強くなれる」と確信を抱き、事実、ポゼッションを高めチャンスも数多くつくり出せるようになってきた状況下で、手の届くところにある勝点を失うやるせなさは想像に難くない。間断なく続くシーズンの渦中で、自分たちのサッカーを構築しながら、同時に「隙」を埋める作業は続く。
佐藤悠介を起点とするビルドアップは、試合を重ねるごとに進歩を見る。パスを繋ぎ中盤のポゼッションを高め、時に縦を使い攻め込んでいく。連敗中はなかなか得点に結べず苦しんだが、いまはたとえ失点しても追いつける空気が漂うようになり、実際、無得点で終わってはいない。
逆に気になるのは、失点である。「2点取られては厳しい」と草津戦後、指揮官が漏らしたように、強度を増した攻撃力の傍らで、「失点しないこと」がいま湘南に求められている。草津戦、水戸戦ともに、前後半の開始と終わり10分以内にゴールを奪われた。前後10分間の重要性は定石である。田村雄三を累積警告で欠くが、チームとして集中し、さらに攻撃から守備への切り替え、またセットプレーでも集中力を動員したい。
今節、湘南は現在3連勝と波に乗る山形を迎え撃つ。シーズン序盤は結果が伴わずに苦しんでいた山形は、しかし第2クールに入って結果を出し、じわじわと順位を上げてきた。ここ3試合でも9得点1失点をマークしており、手堅い守備をベースに素早く攻撃に転じ、ゴールに結ぶという攻守のバランスのよさを物語っている。
得点ランク2位に名を連ねるレアンドロを筆頭に、林晃平らFW陣の決定力が増したことも山形の好調を後押しする。そして彼らに繋ぐ役割を担うのは、両サイドの財前宣之や高橋健二、さらにボランチとして展開力を発揮するベテランの永井篤志だ。ゲームの流れを読む永井から、前線へボールを運ぶ。前では、特に財前がポジションレスに動いて起点となり、FWを使うだけでなくボランチやサイドを引き出し、またセットプレーでもチャンスを演出する。空中戦に強いDFレオナルドを出場停止で欠くが、培った組織力の中で個々が十全に役割を果たしている印象が強い。
好調の山形は4連勝なるか。湘南が、あの長いトンネルの入り口となった山形に借りを返すか。どのチームも独走を許されない拮抗するリーグのなかで、力を出し切った者に勝利は微笑む。
以上
2006.07.15 Reported by 隈元 大吾
J’s GOALニュース
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