●A3チャンピオンズカップ2006
8月5日（土）19：30／国立
千葉 vs 大連実徳
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8月2日に行われた蔚山現代戦ではDFストヤノフが負傷欠場し、レギュラーのDF斎藤大輔、MF坂本將貴、MF山岸智、FWハースがベンチスタートとなった千葉。昨シーズンまで多少なりともスタメン経験を積んできたDFの結城耕造と水本裕貴、MF水野晃樹、そしてストヤノフ不在時はリベロでのプレーが多いMF中島浩司に加え、公式戦のスタメンが少ないMF楽山孝志といった、レギュラーの座を狙う選手たちが出場して得た勝利が意味するものは大きい。試合後の坂本は「Jリーグの公式戦では複数の選手を入れ替えることはあまりないけれど、今日、スタメンで出た選手には自信になったと思う」と語ったが、アマル　オシム監督は大連実徳戦のスタメンとシステムをどのように組んでくるだろうか。

また、蔚山現代戦は韓国の強豪に勝った（スコアは3−2）というだけでなく、千葉本来の『考えて走るサッカー』をしっかりと体現できた試合でもあった。とはいえ、もともと同レベルのパフォーマンスを維持できない点に、千葉がリーグ戦の優勝という目標をまだ達成できていない要因がある。特に、夏場の連戦は頭脳的にも体力的にも消耗が激しい。大連実徳戦は選手たちが連続して好プレーを披露できるかが重要なポイントだ。

対する大連実徳は、2日のG大阪戦では0−3のビハインドから猛攻を仕掛けたが、追いつくまでには至らず2−3の惜敗。連戦や移動によるコンディション不良と慣れない試合球の影響を受け、前半はプレーに精彩を欠いたのが結果的に敗因となった。千葉戦では立ち上がりから、G大阪戦の後半のようなパワフルで激しいサッカーをしてくるだろう。

大連実徳の攻撃の中心はブルガリア人のFWゾラン　ヤンコビッチだ。強烈なシュートで自らゴールを狙うだけでなく、プレースキッカーとしても得点チャンスを作り出す。G大阪戦で彼と2トップを組んだFWゾォ　ジエは、スピードを生かしてスペースに飛び出すのがうまい。千葉は蔚山現代戦ではカウンター攻撃を受け、相手をタイトにマークできなかった場面で失点した。同じ轍を踏まないようにしなければならない。さらに、両サイドでのプレーが可能なセルビア人のMFミオドラグ　パンテリッチは、優れたテクニックでドリブルを仕掛けてチャンスメークする。突破を許さない守備が必要不可欠だ。

また、大連実徳の今大会の登録選手で180センチ以下は一人だけ。千葉は高さでは劣るだけに、課題であるセットプレー時の守備には十分注意したい。大連実徳の高さはまた、大きな壁となって千葉の攻撃を跳ね返すだろう。千葉は蔚山現代戦のように、選手が連動してスペースに走り、相手のマークを外す攻撃を仕掛けないと、得点は難しくなる。

負ければ優勝を逸する大連実徳の気迫に負けず、千葉らしい攻撃サッカーで連勝できるか。タイトル獲得へ前進するためだけでなく、千葉の真価が問われる一戦でもある。

以上

2006.08.04 Reported by　赤沼圭子