●キリンチャレンジカップ2006
8月9日(水)19:20/国立
日本代表 vs トリニダード・トバゴ代表
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「頭を使って動き出しを速くして、工夫して相手を打開することが『日本人的』なのかな。ただ走ればいいだけじゃないし、考えながら連携を高めること。それがオシム監督の言わんとするところじゃないか」と、初めて日本代表入りした小林大悟(大宮)は自分の言葉でこう言った。選手たちは「日本サッカーを日本化する」という指揮官の目標をそれぞれに考え、受け止めている。ドイツワールドカップで惨敗した日本代表は再び浮上できるのか。オシムジャパンがいよいよ大きな一歩を踏み出した。
「KIRIN WORLD CHALLENGE キリンチャレンジカップ2006」トリニダード・トバゴ戦(8/9、東京・国立)を控え、オシム監督率いる新たな日本代表が6日、千葉県内に集合。夜にはいきなり平成国際大学とトレーニングマッチを行った。
思い起こせば、98年フランスワールドカップの後、日本を率いたトルシエ元監督は招集初日から「私の規律を守れない者は即刻、帰ってもらう」といきなり宣言。選手たちを厳しく管理しつつ、フラット3を軸とした戦術練習を課した。
2002年日韓ワールドカップの後、日本代表監督に就任したジーコ前監督は、初日から選手をレギュラー組とサブ組に分け紅白戦を実施するという形を採った。指導経験の浅い彼は特に細かい戦術指導はせず、2日後のジャマイカ戦に向けてコンディションを整えるにとどめた。
しかしオシム監督は2度のワールドカップの後に代表を率いた2人の指揮官とは全く違ったアプローチ方法を採った。「力の劣る相手とのゲームなどを行いながら、時間をかけてチームを組み立てる必要がある」と話し、埼玉県リーグに属する平成国際大とのゲームから代表強化をスタートさせたのだ。
「90分間同じペースで走り続けることはできない。ペースを考えながら走れ」と試合前に指示を送ったオシム監督は、1時間あまりパス回しを実施した後、練習試合に入った。この日は左ヒザを痛めた今野泰幸(F東京)がベンチから観戦。体調不良の三都主アレサンドロと負傷の鈴木啓太(ともに浦和)が別メニューとなったため、それ以外の15人がピッチに立った。
1本目のスタメンは、
GK:川口能活(磐田)
DF:栗原勇蔵(横浜FM)、田中マルクス闘莉王、坪井慶介(ともに浦和)
MF:田中隼磨(横浜FM)、中村直志(名古屋)、山瀬功治(横浜FM)、トップ下に坂田大輔(横浜FM)
FW:佐藤寿人(広島)、我那覇和樹(川崎F)、田中達也(浦和)
という3-3-4の変則的布陣となった。「左サイドという形では誰もいなかったけど功治(山瀬)がケアして、右は自分と寿人が見るようにという指示はあった」と田中隼は言うが、オシム監督は基本的に選手たちにバランスやポジショニングを判断させた。
このメンバーだと中盤や前線にタメを作る選手はいない。日本代表は最初から走り回った。開始早々に左から坂田が先制点を上げると、その後もワンタッチでパスをつないでサイドから崩す形を次々と見せた。ジーコジャパン時代は中盤でゆっくりとパスをつないでばかりでゴールを狙うプレーが少なかったが、このチームはとにかく速く精力的に動く。16分には山瀬のサイドチェンジから坂田がクロスを上げ、田中達がゴール。その2分後には闘莉王がPKを決め、早くも3-0でリードすることに成功する。
前半45分の半分が過ぎたところで選手3人が交代。長谷部誠(浦和)と小林、駒野友一(広島)が入った。駒野は「アテネ五輪以来」という左サイドを務め、長谷部が中盤の底、小林がトップ下に入る。これも選手たちが自主的に判断したものだという。
前線の坂田、佐藤、田中達はいずれも小柄だが、スピードと運動量が持ち味。誰かがサイドを崩し、他の選手が中央に切り込んでいく。25分にはそんな形から4点目が入る。左サイドに開いた坂田から中央の佐藤へボールが渡り、彼がヘッドでゴール。彼らのアグレッシブさに、相手はたじたじだった。
前半は4-0で終了。次の45分間は4-4-2の布陣に変更して戦った。最終ラインは右から田中隼、栗原、坪井、駒野、中盤の底に中村と長谷部、右MFに山瀬、左MFに小林。FW田中達、我那覇という並びだ。
しかし飛ばしすぎたのが災いし、後半の彼らはさすがに運動量が激減。ゴールも後半10分の小林の直接FKによる1点にとどまった。途中から三都主が入って駒野が右サイドに行ったり、田中隼は左サイドに入るなど、センターバックの選手を除いて1人最低2つのポジションを担うことになった。「トリニダード・トバゴはどんな戦術で来るのかわからない。ドイツ大会のように守備的に来るのか、攻撃的に来るのか。どんな形にも対応できるように考える力を身につけることが、今日からのテーマだ」と、オシム監督はめまぐるしく変化するシステムや選手のポジションについて説明していた。
わずか1日ではあるが、日本代表のサッカーはドイツ大会に比べて確実にスピードアップ。選手たちの運動量も目覚しく向上している。「ここに集まっているメンバーは走れてスピードがあるという意味で共通している。それが自分たちの求められていること。でも、ただ走っていてもダメ。考えながら走らないと意味がない」と田中隼は強調していた。
オシム監督が選手に求めているのは「考えながら走ること」。それが「日本サッカーを日本化させる」ことのキーワードになるだろう。若返った日本代表がどう変化していくのか。毎日のトレーニングが非常に楽しみだ。
以上
2006.08.06 Reported by 元川悦子
J’s GOALニュース
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