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【J2:第32節 徳島 vs 札幌 レポート】結果は喜べない一戦。ただ、両者共に次への取り組みを見出したスコアレスドロー。(06.08.07)

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8月6日(日) 2006 J2リーグ戦 第32節
徳島 0 - 0 札幌 (18:04/鳴門/3,360人)
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「自分たち自身」に打ち勝つ気持ちの強さが勝敗を分けると思われたこの一戦。蓋を開ければまさにその予想通り、両チームの選手たちは気持ちのこもった白熱の戦いで勝利を争った。互いが必死にゴールへ迫り、ともに体を張って守った90分だったと言えよう。ただ結果的には、どちらにとっても喜べないスコアレスドローで終わってしまった。

これで一応連敗を止めた形にはなったホーム徳島。22節以来の勝ち点を獲得したこの結果は、引き分けとはいえチームにとって決して悪いものではないだろう。さらに、選手たちが前節までとは違う我慢強さを披露したことは収穫といえる。多くの時間帯で札幌にリズムを握られたが、そのような苦しい戦況にも怯むことなく果敢に応戦。そういった部分には是が非でも勝ちたいという選手たちの意欲が十分に感じられた。

しかし、細かな内容に目を向けると、以前からの課題が引き続き解消されていなかったのも事実。まず攻撃においては、長い距離のフリーランニングなどが今節でもほとんど見られず、攻めにバリエーションが付けられなかった。これまでと同様にサイドからのクロスにだけ頼ってしまい、それによって押し込んだシーンでも札幌ディフェンスを混乱に陥れるまでには至らない。ジョルジーニョや玉乃がキープ力を活かし時間を作っていることを考えれば、周囲の思い切った飛び出しがもっともっと欲しかったところだ。また守備ではまたしてもフィードとクリアボールに問題が出た。せっかく体を張ってボールを奪いながら、その後の処理に精度を欠き、危険なエリアで再び自ら札幌にボールを渡してしまう場面がしばしば。結果的に失点こそ免れたが、ひとつ間違えば命取りとなっていたに違いない。

選手たちの気持ちを込めた戦いによって連敗を脱出する結果を何とか得た徳島だが、こうした所を見ればそれも全く手放しで喜べるものではないだろう。本当にチームとしての立て直しがされたと言うにはまだ早い。個々の精神面の修復がようやく出来始めた今、次はチームとしてプレーひとつひとつについての修正に努めて欲しいものだ。

対して札幌にとっては、勝ち点を2つ取り損ねた感の強い悔やまれるドローとなった。札幌は序盤からチームとしていい流れで試合を展開。ボールポゼッションで大きく上回り、中山がポストを叩くシュートを放つなど前半から決定的な場面を作った。さらに、徳島のパフォーマンスがやや落ちた後半には、あとほんの少しでゴールに手が届くというほどの決定機を幾度となく迎える。が、残念ながらどの場面でもことごとくラストパスが合わず結局ノーゴール。柳下監督も「いいゲームでチャンスも多かったがラストパスが合っていなかった」と試合後振り返り、勝ちきれなかった悔しさをにじませていた。

勝利をかけて激しく両者がぶつかり合った今節の一戦。スコアレスドローという結果は互いに満足いくものではなかったが、それでも両チーム、自らの取り組むべきことが見えた意味ある一戦であったことは間違いない。両チームには是非この戦いを今後へ活かしていってもらいたい。

以上

2006.08.07 Reported by 松下英樹
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