8月6日(日) 2006 J2リーグ戦 第32節
神戸 1 - 0 仙台 (19:04/神戸ウイ/7,304人)
得点者:'50 三浦淳宏(神戸)
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激しく入れ替わる攻守。3位・神戸と4位・仙台との上位決戦は、立ち上がりから両者の気迫が感じられる試合となった。
中盤では両者のプレッシャーが強く感じられる中でのボールの奪いあい。攻めにおいては、神戸がボールを奪ってからの縦に速い展開で仕掛け、何人かが効果的に絡んで前線へと詰め寄る攻撃をみせると、仙台が身体を張った守備で応戦。逆にカウンターから機をうかがい、自慢のサイドアタックからMFロペスを軸に攻撃を組み立てる仙台には、神戸守備陣が集中力の高さを感じるパフォーマンスで弾き返す。勝ち点差わずかに1での対決という状況も拍車をかけたかもしれないが、何より、最終的に『昇格』の枠を争うに違いないライバルが相手ということが、両者の『熱』をよりあげていく。
だが、考えてみれば、そうした『見応えある試合』は、第1クールでも、第2クールでも見受けられたと言える。仙台ジョエル・サンタナ監督が試合後「このカードは常に最後まで動いてチャンスを作り続ける激しい内容の試合になる」と振り返った通りに。ただ、今季ここまでの2試合と違ったことがあるとすれば、神戸が先制したということ。そして、勝利を奪い取ったということ。
第1クールは圧倒的にゲームを支配しながらも、終了間際、仙台FWホルジェスにゴールを許して敗れ、第2クールでは拮抗した戦いの中、スコアレスドローに終わったが、この日は違っていた。前半、五分の戦いを終えて迎えた後半。50分という早い時間帯に神戸のMF三浦がペナルティエリアラインそばからのスーパーゴールで沈黙を破る。バクスター監督に言わせれば「彼がバルセロナの選手であったとしても、あのゴールは素晴らしいゴールだと賞賛を受ける」とされた、ハイレベルなゴール。ドリブルで相手DFを交わし、ゴール枠の隅、相手GKの手が絶対に届かない場所に突き刺さったゴールは、先制弾ということのみならず、「アツさんがゴールを決めれば、一気に雰囲気がよくなる(GK荻)」とチームメイトも話す通りに、チームの士気をより高めていく。
だが、そうした高まりも、1点を追いかけ、前がかりになる仙台を前に徐々に勢いをなくし、60分を過ぎたあたりからは防戦一方の展開に。逆に仙台はハーフタイムでFWチアゴネーヴィスをFW関口に、56分にFW萬代をFW中島に代えることで攻撃のリズムを見いだしていく。実際、その主導権を握った戦いの中では、71分にカウンターからFW関口が思い切りのよいミドルシュートを放つが、これは神戸のGK荻がファインセーブ。80分にも、FWロペスのフリーキックをGK荻が弾き、そのこぼれ球にFW関口がシュートを突き刺すも、オフサイドの判定でゴールにはならず。さらに81分にはFW中島の左サイドからのパスを受けたMF梁が左足を豪快に振り抜くが、これはゴールポスト左へ。というように、ラインが下がり防戦一方となった神戸を尻目に怒濤の攻撃を仕掛けるが、いずれも得点には繋がらず。「サッカーはゴールを決める力があるかどうかで決まる。うちも攻撃の中心であるFWロペスを中心にチャンスは2〜3回あったが、結果的には、今日のゲームではその力が神戸にしかなかった」とジョエル・サンタナ監督。その言葉にあるように、手に汗握る攻防戦は、『ゴール』の力を示した神戸に軍配があがった。
最後に、結果こそ明暗を分けたが、内容的には、特に前半は両者の気迫、勝利への執念が随所に感じられるハイレベルな戦いが繰り広げられたこの一戦。そうした試合を作り出し、改めてサッカーの面白さを伝えてくれた両チームの健闘を称えたい。
以上
2006.08.07 Reported by 高村美砂
J’s GOALニュース
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