今日の試合速報

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第32節 鳥栖 vs 草津 レポート】耐え続けた草津の1本のシュートが勝敗を分ける。攻めることができても崩しきれなかった鳥栖が、悔し涙を飲んだ一戦。(06.08.07)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
8月6日(日) 2006 J2リーグ戦 第32節
鳥栖 0 - 1 草津 (19:04/鳥栖/5,759人)
得点者:'86 島田裕介(草津)
----------

プレーの目的は『シュートを打つ』こと。その結果、ゴールを割ることができれば得点となり勝利に近づく。90分間戦った結果、得点の多いほうが勝ち点3を得る。今節の鳥栖対草津戦の勝敗を分けたのは、シュートにかける想いの差だったのかもしれない。

前節、鳥栖は数的不利な状況で仙台に勝利した。『ヘディングでゴールしたのは初めてかもしれない』と決勝点をあげた山口が冗舌になるほどの快勝だった。もちろん、今節を迎えるにあたり、チーム全体の雰囲気は良かった。

対する草津は、善戦するも7試合勝利から見放されていた。アウェー戦は、開幕戦以来勝利が無く、16試合失点が続いていた。『毎試合、悪い内容ではない』(島田)と自分たちに言い聞かせて試合に臨んでいた。

試合開始から鳥栖は草津ゴールを目指して攻め上がった。前半だけで、FK17本、CK3本を得て草津ゴールを目指した。16分には新居のポストプレーから、今季初出場の立石を経て濱田のシュートがわずかにそれた。25分には、ワンタッチパスをつないで衛藤のシュートを生んだ。前半終了間際には、新居の左足のシュートがGK正面を突いた。それでも試合の流れは鳥栖に傾いていたし、先取点は鳥栖に入るものと誰もが予想していた。無得点で前半を終了したが、優位に試合を運んでいたと言える。しかし、松本監督は『危ないシーンも無かったが、チャンスも無かった』と感じていた。

草津は前半、セットプレーからのチカのヘディングシュート1本に抑えられた。CKも無く、鳥栖のゴールは遠くに感じられた。しかし、シュートは打たれるものの崩されていたわけでもなく、決定的な場面を迎えていたわけでもなかった。『全員で耐える』(齋藤)ことで、徐々に自分たちのペースを掴んでいった。植木監督は『前半やっていることを切らさないように』と手ごたえを感じていた。

後半開始直後からも鳥栖は試合を優位に進めた。立て続けに濱田と新居がシュートを放った。しかし、ボールは草津ゴールに向かって飛ぶものの、試合終了までネットを揺らすことは無かった。

このまま終了かと思われた86分、草津に最初で最後のチャンスが訪れた。途中交代で入ったFW佐藤とMF中井を経由して、中央に位置した島田にボールが渡った。『位置と時間を考えて、ゴールを狙っていた』と言うように、左足でゴール隅を狙って“思いっきり”叩き込んだ。ここまでの鬱憤を晴らすかのような、豪快なシュートだった。ゴールまでの距離は30m、この位置で島田をフリーにしたことが鳥栖にとっては悔やまれる。

この試合、9本のシュートを放った鳥栖と4本の草津。後半に限っては、6本に対して3本と数こそ鳥栖に軍配が上がるが、ゴールへの想いは草津に上がる。唯一、枠を捉えたシュートが決勝点となったからである。

今節始まるまでは、勝ち点差は19と大きく開いているが、総得点はほぼ同数であった。形こそ違え、攻撃力には差が無かったと言える。ならば、“想い”が強い方が、ゴールに近い。1本のシュートに想いを込めることができた草津の方が、ゴールに近かった・・・。

サッカーは、強いから勝つのではなく、勝った方が強いのである。強さを測るのはシュート数ではなく、得点である。

以上

2006.08.07 Reported by サカクラ ゲン
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着