8月6日(日) 2006 J2リーグ戦 第32節
東京V 1 - 4 愛媛 (19:04/国立/4,733人)
得点者:'2 平本一樹(東京V)、'6 江後賢一(愛媛)、'7 赤井秀一(愛媛)、'20 田中俊也(愛媛)、'30 オウンゴ−ル(愛媛)
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東京Vにとっては、勝たなくてはいけない試合だった。
J1復帰に向けては下位チームから、しかもホームゲームでの取りこぼしはあってはならない。が、予想外とも言える4失点での惨敗に試合後のラモス監督はさすがに疲れきった表情。記者会見では冒頭、「7分で試合が終わってしまった」と切り出した。
キックオフから7分間で起こった出来事はこうだ。開始2分、角度の無いところからFW平本が左足で強烈なボレーシュートを叩き込み先制、東京Vサポーターは一気に沸き立ち、スタジアムには平本へのコールが響く。
しかし喜びも束の間、6分、愛媛にロングボール1本でDFの裏を取られ、FW江後がGK高木と1対1。間合いを詰めていた高木の頭上を超えていくシュートを打たれ同点ゴールを決められる。直後、右に展開されたボールを受けたMF赤井が右足振り抜いて放ったシュートがクロスバーをかすめながらゴール内に落下、逆転弾を挙げられた・・・この時点で開始7分。
当初、ラモス監督はこの2失点目を前向きに捉えていた。
「(1−2になって)『これで選手の目が覚めた』と思った。前半をこのままか同点で折り返せば、ハーフタイムに修正して後半逆転できる」と。
しかし、ピッチの中では2分間での2失点に動揺が広がっていた。簡単に裏を取られての失点、曖昧なマークの受け渡し、オフサイドを取りきれず招くピンチ・・・。守備陣が混乱していることは明らかで、互いに確認をし合う姿には焦りの色。Jリーグ2試合目にして初スタメンのDF飯田とDF富澤の二人のCBもゲームをコントロールするには経験不足を感じさせ、修正に手間取っていた。残り83分、1点のビハインドを取り戻すには充分な時間だったが、ゲームはラモス監督の考えとは間逆の方向に進んでいく。
東京V守備陣のバタつきが続く中、愛媛の3点目は20分。左サイドに開いたFW田中がMF菅沼に預けると、菅沼はDF2人をあっさりと抜いてゴール前の江後へ。江後のシュートはGK高木が弾かれたが、そのこぼれ球を走りこんでいた田中が押し込み追加点。
ここでラモス監督の我慢も限界、24分、右SBの藤田に替え「中盤でゲームを落ち着かせるように」の指示と共にMF喜名をピッチへ。
その喜名は攻撃のリズムを整えようと奮闘するが、愛媛は運動量豊富に守備にも奔走。繋ごうとすればパスコースを限定されて奪われ、前線に放りこめばDFの厳しいチェックに遭う。そしてシュートで終われないことで、カウンターを食らう結果に。
30分の4失点目はまたもやサイドから。右サイド赤井がクロスボールをゴール前へ、そのボールがクリアしようとした東京V・DFの足に当たり、ゴールイン。オウンゴールという最悪の形で3点差になってしまった。
「次の試合の為にも1点取りたかった(ラモス監督)」東京Vだが、当然ここから愛媛は完全に守りの態勢。FW以外はゴール前を固め、セットプレーでも全員が守備に入る。こうなるとゴールを奪うことは至難の技で、東京Vのボールはことごとく弾き返される。ほぼ2バックの状態でリスクを冒して攻めに出た後半も、決定的な場面は84分のクロスバーに当たった廣山のシュートくらいか。逆に攻めやすくなった愛媛もチャンス作り、国立に1000人以上集結した愛媛サポーターが5得点目の瞬間を今か今かと待ち続けている状態だった。
結局スコアは動かず、4−1で試合終了。
笛が鳴った瞬間、愛媛サポーターの歓声が一斉に国立競技場を包み込む。国立の舞台で、東京Vを相手に今季最多4得点での快勝・・・・挨拶に向かった愛媛の選手達は長い時間サポーターと喜びを分かち合い、選手達を称えるコールはいつまでも鳴り止まなかった。
その様子をホームチームのサポーターはどんな思いで見たのか。
「せめて、(4失点だけど)あれだけ戦ったんだから・・・とサポーターに感じてもらえる試合がしたかった」とラモス監督。試合後の選手達も、一様に悔しさを滲ませていた。この試合で失ったのは勝ち点3だけにしたい。「練習の中で修正すべきことがたくさんある(喜名)」のなら、それを見つけたことを糧に切り替えていくしかない。
以上
2006.08.07 Reported by 高木 聖佳
J’s GOALニュース
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