8月12日(土)J2 第33節 仙台 vs 水戸(19:00KICK OFF/ユアスタ)
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ホームでここ6試合、月にして2ヶ月ほど勝ちの無い仙台。それでも対照的にアウェー戦を4連勝で乗り切っていたことで、何とか勝ち点勘定を「採算ベース」に届かせていたのだが、アウェーの連勝も前節、神戸で三浦淳宏の美しい一発に沈んで消散。約2ヶ月ぶりとなる連敗を喫してしまった。
3位神戸との勝ち点差は4へと開き、1ゲームでは挽回できないものとなった。「勝つしかない。限界を超えた」という、今節に向けたジョエル サンタナ監督の言葉は、ホームでの体たらくが続く自らのチームに向けてのものであると同時に、昇格を争う意味での勝ち点差が、危険水域に入っていることを認識した発言でもあるのだろう。
その仙台の今節の相手は水戸。前田監督は守りに関して造詣が深く、特に仙台戦では毎回策を凝らした守備システムで我々を驚かせるだけに、攻撃陣が2試合連続無得点に終わっている仙台としては、出来ればこのタイミングでの対戦は避けたかった相手である。スコアレスドローでも良いならば話は別だが、順位的にも、ホーム勝ちなしが続いている状況を踏まえても、そんなわけはない。
仙台はこの試合、チアゴ ネーヴィスが累積警告によって出場停止となっている。そこでサンタナ監督が抜擢したのは中島だった。「(チアゴの穴は)中島か関口か、で考えていた」というサンタナ監督。どっちを使っても問題ないとのことだったが、監督はスピードを活かした単独突破を持ち、前節はフィニッシュ、チャンスメーク双方で貢献を見せていた関口ではなく、ライン裏へ抜け出す動きに他のFW陣とは異質のセンスを持ち、関口よりもストライカー的要素を強く持つ中島に、得点力の回復を託したようだ。
第4節湘南戦以来となるスタメン出場が見込まれる中島は「久しぶりなので、走り回って頑張りたい。がむしゃらに走って、相手をかき回します」と意気込んでいる。前節の神戸戦では、あわや同点ゴールかというバー直撃の惜しいシュートを放ちはしたが「プレー全体としては、自分では納得していない。もっと走れた」と振り返る中島。試合開始直後からトップギアで、固く敷き詰めてくるであろう水戸の守備ブロックを解きほぐしたい。
一方、水戸がまずやってくることといえば、おそらくは「ロペスへのマンマーク」であろう。最近こそ仙台と対戦する相手にとって「ロペス封じ」はもはや常識とも言える策の一つになっているが、水戸は第1、第2クール両方の対決で、ロペスに対して同じマンマーカー、小椋をぶつけてきた、いわばこの策の「パイオニア」。第2クール、笠松での対戦(第25節)では、4−1−4−1のシステムで最終ライン前の「1」に入った小椋が、フィジカルでは自身を圧倒していたロペスに対して粘り強いマークを続けたことで、いらだつロペスを前線から後退させ、仙台の攻めを分断することに成功していた。この小椋はよりによって、この仙台戦の直後の練習自体で負傷し、いまだ戦線には戻れていないのだが、おそらくは代わりの誰かが、小椋と同様の役割を前田監督から託されるのではないだろうか。
もちろん仙台も、もうそろそろ「マンマーク対策」を本格的に考えているだろうし、ロペス自身も「自分にマークが付いてくるという話は聞いているし、僕自身の部分(の出来)がチームの結果を左右するというのも知っている。そういう状況の中で、チームのためにどういうプレーをすればいいかを考えて試合に臨みたい」と語っているが、それでもロペスを抑えきれば、少なくとも前回対決のように拮抗した戦いに持ち込めると水戸は踏んでいるに違いない。果たして小椋の代役は誰か?MFの誰かか、はたまた第1クールのように、右SBの倉本をボランチに移してぶつけてくるか…
さらに付け加えると、水戸がこの試合、しっかりと守備から入ってくるのではと推察させる背景がある。水戸は現在3連敗中で、4〜7節の間に喫した4連敗に継ぐ悪い成績の中にいる。そして序盤の連敗は、1敗目こそ神戸相手に0−4の大敗だったが、その後は「0−1」という最少失点での惜敗が2つ含まれているなど(4試合連続無得点という貧攻はそれはそれで問題だが)守備は持ちこたえていたものの、ここ最近は2点、2点、3点と、複数失点を重ねての連敗なのだ。
水戸にとって第2クールの最終戦となった第25節の仙台戦後、小椋はチームを代表してこう語っていた。「もっと攻撃でいろいろなプレーを増やしていけば、第3、第4クールでもっと良い成績を出せる」。だがそれはあくまで「相手を苦しめる守備がある」という前提でのもの。今節もし水戸が、己の「原点」に立ち返った戦いぶりで仙台に挑んでくるのだとすれば、今の仙台にとって最も「望まざる客人」となる。
仙台は中島だけでなく、前節久々の出場を果たした富田が、今度は右ボランチとして連続スタメンを勝ち取り、さらにもしかするとFW大久保のベンチ入りもありえるなど、若さ溢れるメンバー構成の可能性も。ホームのサポーターは、結果を残せないチームにブーイングなどしている場合ではない。
若き仙台が何より欲するのは「お前たちはやれる、信じてる」、そんな声。水戸も原点に(おそらく)戻るのだ。仙台のサポーターもここは一つ、昇格を信じて一心不乱だった2001年、勝てないことへの非難を浴びせる余力も残らないほど、残留を願い皆が戦っていた2003年終盤、あの雰囲気を取り戻すべきである。それが叶った上で今節勝利できたのならば、この試合で得る勝利は「勝ち点3以上の価値」を持つものになる。
以上
2006.08.11 Reported by 佐々木聡
J’s GOALニュース
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