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【J1:第19節 F東京 vs 福岡 プレビュー】不屈の精神を取り戻したF東京、ホーム「国立」で真価が問われる。(06.08.23)

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8月23日(水)J1 第19節 F東京 vs 福岡(19:00KICK OFF/国立)
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-スターティングメンバーは、試合開始約2時間前に各試合のスコアボード「試合詳細」に掲載されます-
-J1勝敗予想ゲーム!第4ターンスタート!23日(水)19:00投票締め切り!-
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 今夏最後の4連戦、その第2番勝負となるF東京対福岡戦がミッドウィークの23日、19時に国立競技場でキックオフを迎える。かたや新たな指揮官の初陣でかつての姿を取り戻したチーム、かたやチームワーストタイとなる未勝利記録で再び自動降格圏内に沈んだチーム。前節、日本代表選手を数多く揃え話題を集める千葉を相手に、劇的な逆転勝利をもぎ取ったF東京が前者、降格圏で争う京都との直接対決を乱打戦の末に落とした福岡が後者ということになる。

 アレッシャンドレ ガーロ前監督の後任として、不振に喘ぐチームにいきなり3試合ぶりとなる勝利を呼び込んだ倉又寿雄新監督。掲げる旗印は、リーグ戦12試合無敗を記録した昨季終盤に一定の完成をみた「堅守速攻』という、F東京にとってはお馴染みとも呼べるスタイルへの原点回帰である。そして、選手たちは千葉戦で驚くべき適応力をもってそのサッカーを体現してみせた。それはまるで、F東京というチームのDNAに組み込まれたサッカーが溢れ出るような、鮮烈な印象を与えるものだった。立ち上がりの隙を突かれるなど、失点こそ3つを数えたものの、中盤からの激しいプレッシャーからカウンターを連発する姿は、観る者に暑さを忘れる爽快感を与えたに違いない。

 「練習試合などでも自分の好き勝手なことを言っているような選手がいたので、まずチームが一つにならないといけないということを意識させた」。就任わずか4日にしてチームに大きな変化をもたらした倉又監督が試合後に語った言葉だが、その日ピッチ上で選手たちが繰り広げたのは、文字通り全員攻撃全員守備のサッカー。DFラインは積極的な押し上げでコンパクトさを保ち、今季初先発となった左サイドバックの藤山竜仁や、中盤の底を託された浅利悟といったベテランが所狭しと走り回る。チームに勇気を与える追い上げ弾で得点ランキング単独首位に踊り出たエース・ルーカス、貴重な同点弾を挙げた赤嶺真吾の2トップも、労を厭わず守備に奔走した。

 ベテラン勢がチームを引っ張るなかで、梶山陽平、石川直宏など、次世代を担う選手たちも思う存分にそのポテンシャルを発揮。特にU-21日本代表での試合を経て凄味を増してきている梶山は、今や完全にF東京の攻撃の中核を担うまでに成長を見せている。不用意な横パス、CKでマークを外されて失点に絡んだシーンもあったが、一方で2アシストで逆転を演出してみせるなど、強烈な存在感でピッチを睥睨する今の背番号23のプレーからは目が離せない。さらに、かつての勝負強さを髣髴させるように、千葉戦でスタジアムを興奮の坩堝と化す決勝弾を叩き込んだ阿部吉朗の存在も心強いところだ。

 前節での逆転劇で波に乗りたいF東京だが、このサッカーを続けていくことができるのかがチームに課せられた命題でもある。例えば第15節のC大阪戦、ひとり少ない相手を攻守に圧倒し大勝を飾った次の試合で、「就任以来最悪の試合」(ガーロ前監督)を見せて広島に完敗を喫してもいる。千葉戦に関しても、相手がアグレッシブに攻めに出るチームだったからこそ、スペクタクルな展開が繰り広げられることになったとも言えるだろう。今回の対戦相手となる福岡は、攻撃的サッカーを志向する川勝良一監督が率いるとはいえ、ホームのF東京が押し込む時間が長くなることが予想される。そんななかで、相手陣内にスペースがなくなった際に、どのようなサッカーを見せることができるのか。F東京の後半戦躍進の道のりは、この点を消化してから見えてくるはずである。

 その福岡は、苦境から抜け出せずにいる。今季いまだ1勝と、W杯による中断期間で監督を交代した効果は現れておらず、前節4得点もリーグワーストタイの得点数、失点もここ4試合で11と、数字の上でもチームの状態が見てとれる。また、古賀誠史や金古聖司といったチームの鍵となる選手が故障で離脱していたこともあって、チーム編成に試行錯誤のときが続いている。今節はベテラン久藤清一が出場停止となっており、川勝監督も頭が痛いことだろう。選手だけの緊急ミーティングが行なわれたとも報じられる福岡にとっては、今季F東京とは公式戦で3度戦い1勝2分けと負けがないことが強みとなる。決して相性は悪くないだけに、あとはF東京戦を得意とする飯尾一慶のゴールなどで、4月23日の第9節新潟戦以来となる勝利を手繰り寄せたいところだ。

 そんな福岡と同じように、4月29日の第10節名古屋戦以来、F東京が見放されているのがホームゲームでの勝利。現在ホームでは3連敗中だけに、F東京にとってはここで多くのサポーターに歓喜を届けたいところである。F東京は日曜に試合を行なったため、福岡とは休養日に1日の差があり、前日にもJ2が開催される国立の芝の状態も心配される。また、監督が代わって1戦目という特別な状況は過ぎただけに、倉又監督にとっては選手たちのモチベーションを再び高めることが求められる。真価が問われる一戦で、新生F東京は反撃の狼煙をあげることができるだろうか。

以上

2006.08.22 Reported by 平松 順二(ISM)
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