9月2日(土)ヤマザキナビスコカップ 鹿島 vs 横浜FM(19:00KICK OFF/カシマ)
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-スターティングメンバーは、試合開始約2時間前に各試合のスコアボード「試合詳細」に掲載されます-
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いま、鹿島アントラーズが生まれ変わろうとしている。
永らく司令塔としてチームを支えてきた小笠原満男が今夏ついに海外移籍を実現しイタリアへ渡った。アウトゥオリ監督が語ったようにJリーグ屈指の選手がシーズン途中でチームを離脱したことは、チームにとって大きな影響を与える出来事だった。だが、これにより小笠原に依存していたチームは変革を求められている。アウトゥオリ監督が指名したのは野沢拓也だ。
前日本代表監督のジーコにその才能を見初められた野沢も25歳。サポーターや監督・チームメイトを驚愕させるプレーをするかと思えば、試合から消えてしまうことも多い選手だ。だが、ドリブル良し、シュート良し、長短のパス良し。すべての面において完成度が高い選手であることは、鹿島ファンならずとも知るところだ。これまでチームの中心を担ってきた小笠原ら79年組も本山と曽ヶ端だけになってしまった(途中加入で新井場)。いつまでも彼らの力に頼っているわけにはいかない。U-21日本代表の増田、U-19日本代表の内田篤人らを牽引し、新たな鹿島アントラーズとして生まれるためにも野沢が持てる才能のすべてを開花させる日が待ち望まれる。
ただ、現在の鹿島は今季2度目の苦境を迎えている。原因は不安定な守備にある。ここ5試合の平均失点は2.0点。J1リーグ第21節では、抜群の相性を誇る名古屋(カシマスタジアムでの対戦ではJリーグ創設以来18戦18勝)が相手だったからなのか、なんとか5試合ぶりの勝利をおさめることができた。これだけ失点が多い原因は守備の連携が崩壊しているというわけではない。5月の連戦では守備陣の問題から1勝4敗という苦しい時期があったが、今回はもっとポジティブな原因だと思われる。つまり、より攻撃的に行くために前線に人数を割こうとする途中でパスを奪われ逆襲を喰らうという失点パターンが多いのだ。
昨季のガンバ大阪といい、そして今季の川崎フロンターレといい、いまJリーグは攻撃的なチームがリーグを席巻している。トニーニョ・セレーゾが監督だったころ、苦しい試合もセットプレーでなんとかものにするねばり強さが鹿島の信条だった。しかし、アウトゥオリに監督が替わり、より攻撃的なチームを志向し、徐々にチームに浸透しつつあるのがいまの鹿島だ。中盤で細かくパスをつないでいる間に両SBが積極的に攻め上がり、厚みのある攻撃を仕掛け、力で相手をねじ伏せる。今はその過渡期にいると思われる。細かくパスをつなぎ多くの選手が攻撃に絡むことようになったため、見るだけで楽しいリズムのあるサッカーが展開されることもある反面、まだ選手同士の意図が伝わりきらない場面では簡単にボールを失い、素早い速攻を仕掛けられてしまうこともよくあるのだ。
ホーム&アウェイで行われるカップ戦は第1戦をどう戦うかが非常に重要だ。しかも、守備的MFの一角である青木が出場停止であるためディフェンスの安定性に不安が残る。名古屋戦では野沢がこの位置に入ったが、守備面での貢献度は低かった。他にも増田、中後といった選択肢がある中で、監督がどういう選手を選ぶかで鹿島のゲームプランが見えてくる。
5月の苦境を抜け出した要因は、6月に入って対戦したガンバ大阪とのナビスコ杯準々決勝の第1戦を0−0のスコアレスドローで終えたことだ。このときチームは、短期間でディフェンス面の修正を施し、選手全員が共通意識を持った統制の取れたディフェンスでガンバをシャットアウトし、そのことが選手たちの自身につながった。さらにアウェイゴールを奪えなかったガンバに対し、第2戦は点を取りに前に出なければならないゲーム展開を強いることに成功した。アウトゥオリ監督はカップ戦の戦い方を熟知している。岡田監督の辞任で急遽チームを引き継いだ水沼新監督との経験値は大いに差があるだろう。ガンバとの対戦と同様、鹿島にとっては大量点を狙うよりは接戦に持ち込んだ方が有利に働くと思われる。
リーグ戦ではアレックス・ミネイロ、柳沢、新井場の3選手を温存し必勝態勢で臨むナビスコ杯準決勝第1戦。特に新井場は前回出場した広島戦では抜群の切れ味を見せた。十分な休養を取り万全の体調で望んで欲しい。2003年以来の決勝進出まであとひと山。通算10個目のタイトルが新たな鹿島アントラーズのスタートとなることを期待したい。
以上
2006.09.01 Reported by 田中 滋
J’s GOALニュース
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