●AFCアジアカップ2007予選大会 グループA
10月11日21:10キックオフ(日本時間)/インド・バンガロール
日本代表 3-0 インド代表
得点者:'23 播戸 竜二(日本代表)、'44 播戸 竜二(日本代表)、'82 中村 憲剛(日本代表)
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●オシム監督(日本代表)
(質疑応答が英語で行われる)
Q:後半はロングパスが多かったが、どう思うか?
「経済的な手段だ。ピッチコンディションが悪く、ショートパスのコンビネーションが出せなかった。多くのショートパスを使うと多くのミスが出る。もし我々がロングパスを使えば、1つのミスしか出ない」
Q:3-0というスコアに満足しているか?
「そう思う。インドはとても集中していたし、とても能力の高い選手がたくさんいた。もちろんいくつかの弱点があった。インドの選手はいい選手が多く、何人かはとてもよかったが、改善しなければいけない面もある。よかった点は2トップ。速かったし、ヘディング強かった。でも弱点は彼らにパスを供給する選手がいないこと。2人のFWはとてもいいのに、彼らを生かす選手がいない。パスも長いボール1本だったりと単調だった。いずれにしても9番(マンジット)と15番(バイチュン)は本当によかったと思う。
今日は後半になって日本は多くの選手が疲れ、我々にはフレッシュネスがなかった。そしてインドのゲーム運びがアクティブになった。インドは前半の終わりに非常にいいチャンスがあった。あれは得点できたと思う」
(ここからオシム監督がコメントを追加)
「私が昨日の記者会見で言いたかったのは、サッカーはシステムではないということ。今日のゲームを見て、我々はシステムを頻繁に変えたし、ポジションもころころ替わった。サッカーはシステムではなく選手だ。システムが4-4-2から4-3-3へと変わったするのも当然のこと。私は昨日の会見で不機嫌な態度を見せたことを謝りたいと思う」
(「ここから日本語の会見に入ります」と通訳が話した隣で、オシム監督が「英語ですか。それとも日本語?」と言ってメディアを笑わせる一幕があった)
Q:水本のアクシデントがあったが、今まで以上にチームが流動的だったのでは?
「率直に言って、私が会見でそういうプレーができたと言えればよかったと思うが、そうではない。監督としてこの試合に満足であったなら、監督である資格はないと思っている。もしここで私が満足したといえば、あとから私自身がどこかおかしいぞと気づくことだろう。つねに次の試合はもっとよくする。そういう気持ちを持っていないと監督という仕事は務まらない。そうでないとこの仕事をやめなければいけない。だから、今後このチームがよくなっていく見込みがなければ、選手を入れ替える必要が出てくるわけだ。
改善点でいちばん重要なのは、まず落ち着いて冷静でいること。それから効果的なプレーをすること。スキルをもっと正確にすること。それらをまとめて1つの単語にするなら『エレガント』という言葉で表せる。それはあくまで私の考えですよ。選手の中には誰か満足している人がいるかもしれないけれど、私は違う。だから、ここで私が満足だといったら、進歩はそこでストップしてしまう。今日のような試合では満足できない。単純なことです」
Q:後半ペースダウンしてしまったが、何が問題点だったのか?
「最初にフィジカルの問題がある。試合の始まり方はアグレッシブだったが、だんだんとその勢いが失われてきた。最終的には3点差になったが、最初のうちはもっとできると意欲的だった選手たちの気力が途中から衰えてしまった。それは経験不足がいちばんの原因かもしれない。途中から疲れてしまったのだが、疲れないためにはボールを持った時にもっと落ち着いてプレーすればよかった。それができなかった、急ぎすぎたり焦ったり…。簡単なことをやれば楽なのに、難しいことをしようとして失敗してしまう。それがいちばんの問題だったのかもしれない。みんながデコやロナウジーニョのようなパスを出そうと考えているようだ。それができる選手もいるが、できない選手の方が多い。だからもっと単純にプレーすべきだった。自分がビッグプレーヤーだと示したい選手もいた。その気持ちはわかる。今日は代表でプレーするのが1回目や2回目という選手が多かったから、気持ちはよくわかる。みなさんもそういう選手からよく話を聞いてあげてほしい。私はそれではよくないと思っている。私はそういう選手には別のアドバイスを与えようと思っている」
Q:そのアドバイスについて具体的に言うと?
「みなさんにではなく選手に話す。みなさんではなく、選手のための私の考えだ。秘密ではないが、選手に言う前にみなさんに言うのはよくないと思う。すでに選手の一部にはハーフタイムにアドバイスした。具体名は挙げないが、後半は落ち着いてやればもっといいゲームができた。確実に落ち着いてゲームを進めることができたと思う。しかし、みなさんもお気づきだろうが、彼らはJリーグの所属クラブでプレーするよりも非常に多く走ったと思う。もちろん、代表で試合するのは特別な意味があるということを選手も理解したのだろう。今日の試合は終わった。もう過去のことだ。今日の結果は無駄にはならないが、今後はガーナのような強い相手と腕試しする機会が増えればいいと思う。そこで初めて日本の実力が試される。もちろんインドと試合をしたくなかったという意味ではない。そんな失礼なことは考えていない。しかし、日本は今日の勝利で満足してはいけない。もっと強い相手に勝たなければならないと私は考えている。これが私の感想だ」
Q:「ポリバレント(柔軟性)」ということで言えば、DFがオーバーラップしたり、三都主が右サイドからチャンスを作ったりしたが、その点をどう考えているか?
「DFがオーバーラップしてセンタリングを上げることはポリバレントとは言わない。それはいいDFなら誰でもやること。今日のいちばんのポリバレントなプレイヤーは鈴木(浦和)だった。中盤の底でプレーし、アクシデントに対応してリベロでもプレーした。山岸智(千葉)も最初は左でスタートし、途中で右でもプレーした。両サイドできるということはポリバレントだ。ポリバレントという言葉の意味にはそういうものが含まれる。そういう選手が揃っていれば、メンバーを交代しなくてもチームの中でポジションを替えて全く違う戦い方ができる。それを実現できることが、ポリバレントな能力を持っているということだ。チーム全員がポリバレントである必要はない。今日は負傷者が出たので交代のカードを1枚切ったが、それがなければ違う方法もできた。田中隼磨(横浜FM)を使おうと思っていた。そして駒野(広島)をストッパーで使おうとも考えていた。それも選手のポリバレントな特性を生かすテストだ。しかし、ストッパーの1人が欠けたということで、緊急処置として長谷部(浦和)を入れ、鈴木を最終ラインに下げたのだ」
Q:遠藤(G大阪)が使えなくなったことで、ゲームプランは変わったのか?
「紙の上にメンバーを書いた時『遠藤は中村(川崎F)で代用が利く』と一瞬は見える。中村もエレガントなプレーヤーだからだ。それで全てがうまくいくと試合前に想像することができた。遠藤と中村、ともにボール扱いがうまくてアイディアのある選手。遠くまで見渡せて正確にパスが出せる。
一方で、そういう選手を2枚並べて使うことはリスクを伴う。そういう選手は攻撃能力は高いが守備能力が足りないという場合が多い。相手の攻める時間帯が長いとディフェンスでエネルギーを使い果たしてしまって、本来持っている攻撃能力も発揮できなくなる。中にはそういう選手もいる。欧州組も呼んだ方がいいと考えている人もいるだろうが、遠藤、中村憲剛、中村俊輔を全部並べて使うわけにはいなかい。攻撃的な選手だけでイレブンが揃えば見た目は格好いい。だがそんなチームでは勝てない」
Q:鈴木(浦和)を最終ラインに下げたのは成功か? DFを入れることは考えなかったのか?
「それではサッカーとして面白くないだろう(笑)。それだったら宝くじを買った方がいい。中盤の組み立てやゲームの運び方を前半のやり方から変えたくなかったので、鈴木を残した。前半の鈴木の調子がどうだったのかは、みなさんいろいろ思うところがあるだろうが、彼は後半で違う役割を見事に果たした。そういうことだ」
以上













