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【ヤマザキナビスコカップ:決勝 鹿島 vs 千葉 鹿島レポート】またしても鹿島の10冠ならず。プラン通りの試合展開ながらもいま一歩で優勝を逃し、悔しさが残る敗戦。(06.11.03)

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11月3日(金) 2006 ヤマザキナビスコカップ 決勝
鹿島 0 - 2 千葉 (14:09/国立/44,704人)
得点者:'80 水野晃樹(千葉)、'82 阿部勇樹(千葉)
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素晴らしいゲームだった。しかし、鹿島に結果はついてこなかった。

最初の失点を喫するまで、プラン通りの試合展開を見せていたのはむしろ鹿島の方だった。今週繰り返してきた練習では、ボールを奪うと相手3バックのサイドにFWが走り込みパスを受ける。FWがキープしている間に2列目、3列目の選手はすばやくフォローに入り、速攻に移る。この決勝でも、そうしたプラン通りの展開をグランドで表現できていたのだ。しかし、勝つことができなかった。

試合開始から鹿島の選手たちは高い集中力を見せる。柳沢、アレックスミネイロの2トップが千葉の最終ラインに対し激しいチェイスを仕掛け、ボールの位置を下げさせる。4バックはそれに合わせて思い切りよくラインをあげ、コンパクトな布陣を保っていた。選手のアグレッシブな姿勢から、タイトルにかける思いの強さが感じられた。

しばらく千葉がボールを保持するも、虎視眈々と鹿島がボールを奪う機会をうかがう展開が続く。すると前半17分、岩政とヘディングを競り合ったマリオハースが膝を痛め、治療のためピッチの外に出る。ここでゲームの流れが一気に変わった。それまでマークを受けていた新井場が、ハースがいなくなったためフリーで攻撃に加われるようになったからだ。18分、右サイドでボールを奪った野沢を新井場が追い越しパスを受ける。さらに柳沢がディフェンスの背後をとり、右サイドからセンタリングをあげた。シュートまでは結びつかなかったものの、まさに狙い通りの動きだった。ひとり多い状況を活かそうと鹿島が前がかりになると、千葉も鋭いカウンターで応酬する。ハースの負傷をきっかけに、両チームともに相手ゴールへ迫る時間が短くなり、ゲーム展開は一気に速くなった。

だが、そうした時間も長くは続かなかった。28分、FWのハースに代わり中盤に坂本が投入されると、千葉のマンマークがより鮮明になった。千葉のディフェンスに弱点がなくなったため、試合は次第に硬直化していく。ただ、鹿島は増田を中心にセカンドボールを獲得することが多く、良い感触をもったまま前半を終えた。

後半、最初にペースを掴んだのは鹿島だった。徹底したマンマークで守ってくる相手の逆手を取る。ゴールキックになるとFWが全員左サイドに集まった。千葉のマークもついてくるため、必然的に右サイドはがら空きになる。また野沢、深井がFWと同じ高さまでサイドに張り出し、中盤に大きなスペースを空けていた。最終ラインでパス回しをしながらラインを押し上げ、中盤にできたスペースに再び野沢らが引いてきて、ボールを受け攻撃を組み立てる。相手にボールが渡ってしまっても、そのまま高い位置からボールを奪いに行きチャンスをつくり出す。

後半13分、鹿島に決定的なチャンスが訪れる。ディフェンスの裏を取った野沢が右サイドを突破。相手に止められたところを青木がフォローし、ペナルティエリアの深い位置からゴール前にセンタリング。フリーとなっていたアレックスミネイロがヘディングシュートを放つも、ボールは無情にもバーを越えてしまった。

前半から運動量が多く、いま一歩のところまで迫りながらゴールが奪えなかったつけなのか、25分を越えたあたりから鹿島の選手の足が止まり始める。相手ボールを奪っても反撃に出る鋭さは消えてしまっていた。そして後半40分、ボールへの詰めが一瞬遅れたところを水野に抑えの効いたシュートを決めらる。続けて試合を決定づける追加点をコーナーキックから阿部に奪われてしまった。

内容としては五分五分の試合だったといって差し支えないだろう。だが、結果として鹿島は敗れてしまった。そこに微妙な差を見つけるのだとしたら、ボールを奪ってからの鹿島の攻撃は必ずしもスムーズではなかったという点があげられる。相手陣でボールを奪うシーンは多かったものの、チャンスの数では千葉の方が多かった。この1週間でボールを奪うところまではチームの意思統一が図れたものの、速攻から得点を奪うまでの動きは確立できなかった。いままで通りのサッカーで戦うことができた千葉の方が一日の長があったということだろう。

試合終了後、表彰台で受けた銀メダルを大岩はすぐに外した。新井場はカップを受け取る千葉の選手たちに背を向け、その光景を見ようとしなかった。そして、深井は最期まで応援し続けたサポーターに対し、深々と頭を下げてまわった。ミックスゾーンで記者の質問に答える柳沢は、苦しげに言葉をふり絞っていた。10個目のタイトルにあと一歩のところまで迫りながら、それを逃してしまったショックは大きい。リーグ戦はまだ終了しておらず、来週からは天皇杯も始まる。

「選手がいかに教訓にしていくかが重要なポイントだと思います」
監督のアウトゥオリがコメントしたように、この試合をどのように受け止めるかで鹿島の今後は大きく変わってしまう。いつか今日の日を「常勝鹿島復活のターニングポイント」としてふり返るようになることを期待したい。

以上

2006.11.03 Reported by 田中滋
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